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【秒速5センチメートル】あれはハッピーエンドや

秒速5センチメートル

今回は『秒速5センチメートル』について語っていく。

『秒速5センチメートル』は新海誠による3作目の劇場公開作品だ。監督・原作・脚本・撮影・編集などを新海誠が務めている。

アニメ制作会社はコミックス・ウェーブ・フィルムだ。

『秒速5センチメートル』の感想

僕は『秒速5センチメートル』を視聴する前、ネット上で「モヤモヤする終わり方」とか「バッドエンドだ」という評価を目にすることが多かった。だから僕は「『秒速5センチメートル』は何とも言えないエンドなのか」と思いながら視聴したのだけど、全然そんなことはなかった。これはどう考えてもハッピーエンドじゃないか。

まあハッピーエンドの定義が難しいところだけど、少なくとも『秒速5センチメートル』の終わり方は「主人公である遠野貴樹が前を向くことができた」という解釈でいいはずだ。だとすれば、比較的ポジティブなエンドだったのではないだろうか。

そもそも『秒速5センチメートル』はロマンス作品だと思う。ロマンス作品は、作品によっては「初恋と決別することで前に進める」というハッピーエンドが存在するジャンルだと僕は考えている。2008年に放送されたP.A.WORKSの名作『truer tears』が良い例だろう。

これがもし、初恋を一生引きずったままになるであろうエンドだとしたら、バッドエンドだといえる。しかし遠野貴樹は前を向くことができた。ラブコメでもロマンスでも、結ばれたら必ずしもハッピーエンドになるというわけではない。失恋を自覚することによるハッピーエンド……というより前向きな終わり方もあると思う。

まあ、切ないストーリーであることは間違いないけど。

『秒速5センチメートル』の評価

作画88点
世界観・設定80点
ストーリー80点
演出80点
キャラ80点
音楽80点

作画

2007年に公開されていることを考慮すると、作画のクオリティは非常に高いレベルだったと評価していいだろう。また、背景美術の美しさは相変わらずだった。ただし桜の美しさに関しては2007年放送の『CLANNAD』の方が好みかも。

世界観・設定

主人公とヒロインの”人生を歩くスピードの速さ”がテーマになっている。たしかに恋愛においてすれ違ってしまう要因の一つに、スピードの速さが挙げられると思う。そして過去に囚われれば囚われるほど、そのスピードは遅くなってしまうのかもしれない。『秒速5センチメートル』において歩くスピードが最も遅かったのは、なんだかんだで遠野貴樹だったかもね。

ストーリー

短編3つを連続的に繋げた構成となっていて、それでも尺は63分。個人的にはこの63分がとても濃密に感じられた。また、基本的に登場人物の心情描写でストーリーが進んでいく。小説で言うところの地の文で物語が進んでいくのだ。「これはこれで登場人物に感情移入しやすいなぁ」と僕は思ったりした。

演出

切ないシーンでの演出はかなり好み。なんというか、重苦しい雰囲気を演出できてると思う。ただしラストの『One more time, One more chance』が挿入されるシーンの演出は微妙に感じてしまった。一つ一つのカットが短すぎたと思う。
2007年の時点で、音楽を挿入することによる演出はある程度確立されていたと思うから、それをもっと強く参考にして良かったのではないだろうか。

キャラ

「いや、こんなに比喩表現が上手い高校生は中々いないだろ!」とか思ったけど、なんだかんだで登場人物全員が本好きなんだよね。第2話『コスモナウト』の主人公である澄田花苗は一見するとサーフィン大好き活発少女だけど、姉が本を読んでいるシーンがあることから、花苗も本を読む習慣がある可能性が高い……と僕は思っている。

音楽

作品と音楽の親和性が100%だったとは言えなかった。個人的に、新海誠は音楽も制作できるようになれば完全無欠のアニメクリエイターになれると思う。やはりエモーショナルなアニメを制作しようと思ったら、作品との親和性が高い楽曲が必要不可欠だと思う。『CLANNAD』の『だんご大家族』みたいな感じで。

さいごに

僕は『秒速5センチメートル』の初回視聴をIMAXで体験することができたので、それなりに運が良い方だと思う。新海誠作品は美術背景のクオリティが非常に高いうえに、映画上映を前提にした制作なので、IMAXで鑑賞するのが一番良い。

そして2022年11月から上映される『すずめの戸締まり』はIMAX上映を前提に制作されていると考えられるので、絶対にIMAXで視聴すべきだ。ということでチケット代をケチらずに、ぜひともIMAXで鑑賞してみてください。

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