今回は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(以下、エヴァQ)』について語っていく。
新劇場版シリーズの3作目の『エヴァQ』は2012年に上映され、興行収入は52億を突破している。深夜アニメ映画の中でも桁違いの実績だ。アニメ制作は前作に引き続き株式会社カラーが手がけている。エヴァシリーズの中でも難解なシリーズだが、大まかに見れば十分楽しめる内容になっている。
『エヴァQ』の感想
感想①:渚カヲルのラストが微妙?
『エヴァQ』はTVアニメとは全く異なるストーリー展開なのだが、渚カヲルが碇シンジの目の前で亡くなるという共通点はあった。前作の『エヴァ破』はTVアニメを間違いなく超えていたストーリー・演出で文句なしだったが、『エヴァQ』の渚カヲルの死亡シーンはそうでもない。
TVアニメでは碇シンジの手によって渚カヲルが亡くなるのだが、『エヴァQ』ではDSSチョーカー経由で渚カヲルが死亡しただけだからだ。DSSチョーカーとはエヴァが覚醒してしまったときに装着者を殺害するデバイスのことである。エヴァを覚醒させてしまった碇シンジが間接的な原因なのだが、TVアニメにおいて碇シンジが自らの手で渚カヲルを握りつぶしたときよりもインパクトが弱いのは否めない。それでも目の前で渚カヲルの頭が飛び散るシーンは印象的だったけれども。これもあって『エヴァQ』の評価は完全な高評価というわけでもなく、納得いかない人も多かったそうだ。
感想②:『エヴァQ』のQはQuestion?
前作では序破急の流れでタイトルが命名されていたが、本作は『エヴァQ』となった。もちろん「急」の意味も含めているのだろうがわざわざ「Q」にした理由は何かしらあると見ていい。様々な理由が挙げられるが僕は「Question」の「Q」だと思っている。
そもそも『エヴァQ』は今まで以上に難解な世界観・設定だった。碇シンジが眠っていた14年間に何があったのかは詳細に語られていないし、登場人物たちがどのように変化したのかその理由も説明されていない。考察しやすかったのが渚カヲル関連ぐらいで、加持リョウジはどうなったのか、鈴原トウジはどうなったのか、ヴィレ設立の経緯もよく分かっていない。
僕は、『エヴァQ』は問題提起のための作品だったと考えている。その答え合わせが最終章の『シンエヴァ』だったのだ。実際に『シンエヴァ』は今までの伏線のほとんどを回収してくれたので非常に分かりやすかった。だから『シンエヴァ』を見たあとに『エヴァQ』を見ると違った雰囲気を感じることができるのだろう。確かに『シンエヴァ』を知った後だと『エヴァQ』も理解できるようになってくる気がする。ここまで緻密な構成が作られていることがエヴァシリーズの魅力だ。
『エヴァQ』の評価
作画 | 95点 |
世界観・設定 | 90点 |
ストーリー | 90点 |
演出 | 90点 |
キャラ | 90点 |
音楽 | 95点 |
作画
作画は言わずもがなの高クオリティ。文句なしだ。
世界観・設定
今までのエヴァシリーズの中でも非常に難解な世界観・設定だった。これは解答版ともいえる『シンエヴァ』を見てほしいと思う。
ストーリー
世界観・設定同様に難解なストーリーだが、エンターテイメントとして楽しむことができる。
演出
『エヴァ破』に比べると奇抜な演出は抑えめだった。『エヴァ破』みたいに「翼をください」みたいな曲調の音楽を流しても良かったと思うけど、あのオーケストラが一番良かった気もする。
キャラ
ついに主な登場人物全員が活躍する形になった。やっぱり渚カヲルは良いよね。
音楽
EDはいつも通りの歌姫登場で文句なし。BGMも相変わらずエキサイティングで良かった。
さいごに
『エヴァQ』のストーリーは難解だったとはいえ、エンターテインメントとして楽しむことができるので多くの人に受け入れられる内容だったと思う。そして『シンエヴァ』を見たあとで『エヴァQ』の見方も変わってくるし、渚カヲルの行動理念も理解できるようになってくる。改めて素晴らしい構成だと感じる。