今回は『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』について語っていく。
本作は2019年12月に上映されたアニメで、時期的に言えば、TVアニメ4期の放送と同タイミングで上映されている。
アニメ制作はボンズが担当した。
『劇場版ヒロアカ ヒーローズ:ライジング』の評価
※ネタバレ注意!
作画 | 90点 |
世界観・設定・企画 | 80点 |
ストーリー | 82点 |
演出 | 83点 |
キャラ | 85点 |
音楽 | 80点 |
作画
やはり劇場版になると作画のクオリティが飛躍的に向上する。本作で言えば、最初の戦闘から日を跨いだ2回目の戦闘シーンでの作画が凄かった。
何よりも、本作に関してはデクや爆豪だけではなく、1年A組の戦闘シーンを見れたのがよかった。この戦闘シーンに関してだけ言えば、ボンズらしさが感じられる。
世界観・設定・企画
今回は割と明確な「VS敵」になっていて、構図だけ見ればシンプル。子どもでも楽しめる。また、1年A組全体をブラッシュアップしているのがよかった。沖縄の離島という舞台設定もいい感じ。
ストーリー
かなり原作に影響を与えかねないストーリーで、これは原作者の協力が欠かせないものだった。
ストーリーはシンプルだったが、ヴィランの深掘りとかヒーローの本質みたいなものは、いつもより薄い。その分、わかりやすい。
演出
戦闘シーンがよかった。満遍なく背景が動くので、カメラワークが過激。
キャラ
先ほども述べた通り、1年A組全員に活躍の場が当てられているのが僕的に高ポイント。瀬呂のテープを使った躍動感ある動きが見れてよかった。
音楽
主題歌はOP『ハイヤーグラウンド』で、まあ『ヒロアカ』っぽいと言われれば『ヒロアカ』っぽい。劇伴はTVアニメと大きく変わらない。
『劇場版ヒロアカ ヒーローズ:ライジング』の感想
※ネタバレ注意!
1年A組の活躍を迫力ある戦闘シーンで
前回の劇場版では、一応1年A組全員が登場しているものの、基本的にはデク、爆豪、轟、オールマイトなどの主要キャラの戦闘シーンが描かれていた。戦闘シーンそのものは良かったが、欲を言えば1年A組全体が活躍しているシーンを見たい思いがあった。
一方で本作は、ストーリーが進んで各キャラが深掘りされていることもあり、ほぼ全てのキャラに活躍シーンが与えられていた。とにかく背景がよく動き(普通は背景は動かない)、そのおかげでダイナミックなカメラワークが可能になっている。
おそらく「可能な限り活躍の場を増やす」というのは、制作陣における本作の目標の1つだったと思われる。
哲学とか思想はあまり描かれていない
『ヒロアカ』は、ただのアクションアニメに終始しておらず、ヒーローとヴィランという関係性から「正義とは何か?」を描いたり、”個性”という設定から「人間らしく生きること」みたいな哲学的なことをやろうとしているように思う。
前作の劇場版では、無個性の女の子が自分なりに努力して研究者として活躍している様子が描かれていて、一定のメッセージ性が感じられた。
一方で今回の劇場版はどうだろうか?
メッセージ性がゼロとは言わないが、哲学とか思想に基づいたメッセージ性は、ほとんどなかったと思う。
とりわけ顕著なのが、ヴィランの深掘りだ。今回は、敵をあまり深掘りしていなかったように思う。バックグラウンドが描かれているわけではなかった。
だから「ヒーローVSヴィラン」というアメコミ映画みたいなシンプルな構図になっていて、ストーリー的にはわかりやすかった。
僕としてはちょっと物足りないが、そもそも『ヒロアカ』に対してメッセージ性とかテーマを求めるのはごく少数で、大半の人はアクションシーンや推しキャラの活躍を見たいのである。本作は、そのニーズを充分満たした作品づくりがなされていた。
さいごに
やっぱり『ヒロアカ』はエンタメとして非常におもしろく、劇場版も飽きの少ないストーリーになっていた。
引き続き『ヒロアカ』を視聴していこうと思う。