今回は『僕のヒーローアカデミア TVアニメ5期(ヒロアカ5期)』について語っていく。
2024年8月現在、『ヒロアカ』の劇場版が公開中で、それを映画館(IMAX)で見るために『ヒロアカ』を一気見している最中なのである。
説明不要だと思うが、今回の『ヒロアカ5期』もアニメ制作はボンズが担当した。
『ヒロアカ5期』の評価
※ネタバレ注意!
作画 | 84点 |
世界観・設定・企画 | 83点 |
ストーリー | 80点 |
演出 | 82点 |
キャラ | 85点 |
音楽 | 80点 |
作画
今回は見せ場がほとんどなかったので、気合いの入った作画シーンも特になかった。死柄木が覚醒するところとかは、ステインぐらいやってもよかったんじゃないかと思うから、ちょっと残念。
世界観・設定・企画
本作のテーマを1つ挙げるとするなら「チャンス」だと思う。自分でも言っているが、デクは恵まれていた。そして死柄木は恵まれなかった。多分、ヒーローとヴィランの違いって、それだけなんだと思う。そして、それは僕たちが生きる現代社会でも同じことが言える。
ストーリー
『ヒロアカ』は尺に余裕がある分、一般的なアニメに比べて、冗長的になるときがある。今回も前半クールがA組B組対抗戦だったのだけど、ちょっと長い。放送枠的に、柔軟なスケジュールを組めないのだと思うけど、このスピード感だと倍速視聴したくなる気がする。
演出
派手な作画シーンが少なかったこともあってか、いつもより日常パートにリソースを投下している気がする、特にお茶子あたりが。
キャラ
今回は死柄木とか轟家とかの葛藤が目立った。『ヒロアカ』はキャラが本当に魅力的なので、色々なことをやれるのが強い。
音楽
主題歌はぼちぼち。それであらためて劇伴に集中して聞いてみると、中々おもしろいメロディーとか音を使っているのがわかる。でも、ちゃんと劇伴らしく、強調しすぎないようにバランスを取っている。こういうのがプロの技なんだろうなぁ。
『ヒロアカ5期』の感想
※ネタバレ注意!
多様性の社会では境遇が超大事
本作は、とにかく明確に、光と闇の対比を描いている。光はヒーローで、闇はヴィランだ。
特に『ヒロアカ』のように、個性が重視される多様性の社会では、境遇がとても大切なのではないだろうか。具体的には、夢を応援してもらえるかどうかだ。
デクは、お母さんに言ってほしかったことを言ってもらえなかったけど、その代わりにオールマイトがそれを言ってくれた。ほかにも雄英高校の素晴らしい先生や仲間に出会えたことも大きかっただろう。だから、健全にヒーローを目指すことができた。
一方の死柄木も、家族に言って欲しかったことを言ってもらえなかったが、その上で自らが家族を殺してしまい、しかもそこに現れたのがオール・フォー・ワンだった。死柄木は、ヒーローに救ってもらえなかったのだ。
しかも皮肉なことに、死柄木の父親がヒーローを忌避していたのは、言わばOFAのせいだった。
ここで言っておきたいのだが、これは決して親が悪いわけではない。親という生き物は、どうしても子どもには「普通に安全に生きてほしい」と願うものなのである。まあもちろん、親は子どもの可能性を広げるべきだと思うが。そう考えると、爆豪は一周回って恵まれていたのかもしれない。笑
それでこれは当然、僕たちが住む現代社会でも同じことが言える。これから「個性」とか「オンリーワン」が重視されるようになる社会で、親や大人が子どもに対して果たすべき役割とは一体何なのだろうか。それはきっと、オールマイトのように「応援」することなのではないだろうか。
もちろん、応援することには一定の責任があると思うが、しかし大人がその責任を負わなければ、子どもはいつまで経ってもくすぶるだけだし、場合によっては闇に堕ちる。そして子どもにとって大人とは「親」と「先生」で、+αで影響を受けるのが「アニメ」だと思う。
仕事と家族はどっちが大事?
「仕事と家族はどっちが大事?」という問いに対しては、ほぼ間違いなく家族を選ぶべきなのではないかと僕は思う。家族を作った以上は、それに対して責任を持つべきだと思うからだ。
もちろん、仕事をないがしろにしろと言っているわけではない。基本は両立だけど、やっぱり自分の一番大事な人を守るべきだと思う。
だが、ヒーロー活動になってくると、ちょっと話が変わってくる。
例えば、轟家のエンデヴァーは現No.1ヒーローで、エンデヴァーの立ち振る舞い次第で、多くの人々の命運が左右される。死柄木弔の祖母である志村ななも、AFOとの確執があることから、やはり多くの人の命を握っていた。
こうなってくると「大切な人(少人数)」と「大衆(大人数)」を天秤にかけざるを得ない。そしてヒーローたるもの、やはり多くの命を救う決断をしなければならない。だから場合によっては、家族よりも仕事を優先すべき事態に陥ってしまうのだ。
先ほどの「境遇」もそうだが、この「多様性の社会」では「家族」がとても重要なテーマになってくるように思う。正直『SPY×FAMILY』よりも『ヒロアカ』の方が、家族について深く考えさせられる気がする。
はたして轟家は一体どうなるのだろうか? ここに新時代の家族の在り方が眠っている気がする。続きがめちゃくちゃ気になる……!
さいごに
なんでジャンプ系アニメはイッキ見が楽しいのだろうか。
やっぱりジャンプ編集部の編集力が高いのだと思うけど、それにしても『ヒロアカ』は続きが気になる。漫画が読みたくなる。
とりあえずTVアニメ6期以降も視聴していこうと思う。