今回は『コードギアス 反逆のルルーシュ(以下、ギアス1期)』について語っていく。『コードギアス』は、『ガンダムシリーズ』で定評のあるアニメ制作会社のサンライズが制作したアニメオリジナル作品で、2006年に放送されている。放送開始当時はあまり注目されていなかったが、ストーリーが進行する度に注目を集めていった。現代となってはアニヲタ達が作るアニメランキングのNo.1になることも多い。誰もが認める神アニメだ。
『ギアス1期』の感想
感想①:厨二心をくすぐるストーリー展開
『ギアス1期』の醍醐味は主人公・ルルーシュの厨二病全開の言動だ。世界観を改めて説明すると、ルルーシュは元々、世界を牛耳るブリタニア帝国を壊滅させようと企んでいた。そしてたまたま『ギアス』という能力を手に入れてしまったのだ。
ギアスは自分の目を見た人に対して一度だけ何でも命令することができる。例えば「死ね!」と言ってしまえば本当に死ぬし、「記憶を無くせ!」と言ってしまえば記憶が無くなってしまうのだ。ルルーシュはギアスを利用することで、世界転覆を本気で目指すようになる。といった感じの世界観だ。
こんな厨二病全開の世界観は中々ない。ただ、なんでもかんでも思い通りにならないところが『コードギアス』の一つの魅力だ。様々な登場人物にそれぞれの思惑があり、それがルルーシュの計画を狂わせていく。そのストーリー構成があまりにも見事すぎて、1話1話を楽しみにしながら見ることが出来るのだ。
ギアスの能力も、1回しか命令できないというところが肝になっていて、「あんな展開になるのか!?」と素直に感服してしまった。特に親友でもあり敵でもあるスザクにかけた「生きろ!」という命令が、『ギアス2期』であんな展開になってしまうとは…。ストーリー構成が天才すぎる。
感想②:政治についても学ぶことができる
ルルーシュはブリタニア帝国の”国としての在り方”について懐疑的なのだが、その一方でブリタニア帝国第3皇女のユーフェミア(以下、ユフィ)はとにかく平和的な意見を持っている。「皆で話し合えばきっと解決できるはずです」という、王女候補にありがちなタイプの人間なのだ。
だが当然、国を動かしていく以上強引な手も時には有効なのは間違いない。それをユフィは理解できず間違った方向で政治を進めるようになってしまう。それが「行政特区日本」だ。行政特区日本とは、簡単に言えば誰もが幸せに生活できる世界なのだが、それはあくまでも見かけだけで根本的な解決にはならないことをルルーシュは知っていた。そして結果的に行政特区日本の設立は叶わずに終わってしまう。
といった感じのことが『ギアス1期」では説明されるのだが、これはこれで政治について学ぶことができるのだ。特に私達のような一般人なんかは、帝王学を学ぶ機会などほとんどない。だが、それを疑似体験できるのもアニメの魅力であり、特に政治については『ギアス1期』は良いところを突いていると思う。
感想③:血染めのユフィの衝撃
『ギアス1期』の中でも僕の中では神回と思っているほど衝撃的だったのは第22話の「血染めのユフィ」だ。先程説明したとおり、ユフィが”行政特区日本”を設立するということでセレモニーが開かれた。もちろんルルーシュはこれを阻止したいので、セレモニーの妨害に入る。だが、ルルーシュはユフィの真意を聞いて「本当に行政特区日本は成立するかもしれない」と信じるようになる。これで終わってくれればきれいなハッピーエンドなのだが、ここで終わらないのが『コードギアス』だ。
2人のやり取りの中でユフィは、本当にギアスという特殊能力が存在するのか、軽い気持ちでルルーシュに聞いてみたのだ。それに対しルルーシュは冗談交じりで、「例えば『日本人を殺せ』って言ったら」と言ってしまった。この時にギアスは暴走し、ユフィには「日本人を殺す」というギアスがかけられてしまう。そしてユフィは日本人を大虐殺し、その後ルルーシュに撃たれて死亡してしまう衝撃的な展開となった。
何が衝撃的かって、今までユフィは本当に日本のために尽力してきたのに、最期は日本人に恨まれて死んでしまったのだ。ユフィはどう考えても絶対に幸せに生きなければいけない人間だったのに、『コードギアス』は容赦無くユフィを殺したのだ。それも、一番無残な方法で。
「血染めのユフィ」を視聴して、僕は初めて『コードギアス』の恐ろしさを知り、同時にこのアニメはヤバ過ぎると思ってしまった。
『ギアス1期』の評価
作画 | 80点 |
世界観・設定 | 95点 |
ストーリー | 95点 |
演出 | 95点 |
キャラ | 90点 |
音楽 | 95点 |
作画
終始安定していたけど、神作画シーンがあるわけでもなく、クオリティ自体はフラットなものだった。
世界観・設定
厨二病全開のカッコ良すぎる世界観・設定だと思う。良い意味で小学生に見せてはいけない気がする。
ストーリー
ストーリーも最高クオリティだった。ギアスという特殊能力だけで、ここまで起伏の激しい戦闘を展開できるのは凄い。
演出
凝った演出があるわけではなかったが、ストーリーを最大限に活かした演出だと思う。
キャラ
とにかくルルーシュが好きになってしまう。ヒロイン勢も魅力的だけど、スザクも可愛らしいキャラデザなので腐女子もハマれるのが『ギアス』の良いところだ。
音楽
主題歌が最高にカッコいい。OPでは『COLORS』があってEDには『モザイクカケラ』がある。特に『COLORS』は最高に好きで、FLOWの楽曲の中でも一番好きだ。
さいごに
『ギアス1期』の続編である『ギアス2期』が制作されている。『ギアス1期』も割ときれいに終わってはいるのだが、やはり『ギアス2期』でルルーシュの最期を見届けるべきだろう。
ちなみに「血染めのユフィ」の影響で、個人的には『ギアス2期』よりも『ギアス1期』の方が好きだ。