今回は『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術Ω(以下、異世界魔王2期)』について語っていく。『異世界魔王1期』が2018年夏クールに放送されたが、その3年後の2021年春クールに『異世界魔王2期』が放送された。
https://terukun.blog/isekaimaou/実は原作の発行部数が大きく伸びていて、シリーズ累計発行部数は300万部を突破している。ライトノベルとコミックスの売上割合を詳しくは知らないが、ライトノベル界ではかなり大きいヒットだ。この影響もあって『異世界魔王2期』が制作されたのだろう。
クリエイター陣も少し変更になっている。『異世界魔王1期』のアニメ制作会社は亜細亜堂だったのだが、『異世界魔王2期』は手塚プロダクションとオクルトノボルの共同制作だ。それと『異世界魔王2期』の”製作”にTBSが加わっているところにも注目だ。
前説明はこれぐらいにして、『異世界魔王2期』について語っていこうと思う。
『異世界魔王2期』の感想
感想①:エロ要素は控えめ?
タイトルにもある「奴隷魔術」というワードの通り、『異世界魔王』はエロに定評のある作品だ。以前の『異世界魔王1期』では『マジ魔王ver』という、規制を緩くすることでギリギリのエロ演出を楽しむことができるバージョンを僕は視聴していた。しかし、今回はリアルタイム視聴だったので『通常ver』を見ることに。その影響もあってか、以前よりエロ要素が抑えめになっている印象を感じた。
バージョンの違いだけではない。ストーリーそのものもシリアスパートが多めになっている。ということで実はあまりエロに期待できないストーリーになっているのだ。
これは原作のストーリーからそういう構成なので、しょうがない部分もあるのだが、アニメオリジナルでエロエピソードを増やしても良かったかなぁとは思う。
感想②:お金に余裕ができてきたのか?
少しビジネスライクな話をする。『異世界魔王』は発行部数が300万部を突破していることもあって、ある程度大きなお金を動かせるようになったのだろう。その結果としてTBS放送が決まったのだと思う。
そしてTBS放送になった影響なのか主題歌も豪華になった。『異世界魔王1期』ではアニメ関係者が中心になって(アニメなんだから当たり前だけど)楽曲が制作されていたが、『異世界魔王2期』ではDJ KOO、MOTSUといったEDM界のビッグスターが主題歌を担当したのだ。
この2人に芹澤優が加わる形になるのだが、思っていたよりも楽曲のクオリティが高いし、中毒性がある。
兎にも角にも、『異世界魔王』のようなマイナーなタイトルの制作陣に著名人が加わるのはちょっと新鮮だ。これは『異世界魔王』を発行する講談社の影響もあるのかもしれない。だが、お金を動かせる作品に期待が集まるのは必然なのだ。
『異世界魔王』は決して高クオリティの作品とはいえないのだが、視聴者や読者の心をうまく掴んでいる印象はあるし、ビジネス面でも上手く立ち回っている印象はある。このような流れが、少しずつだけれどもラノベ・アニメ界を良い方向に導いてくれるのだ
『異世界魔王2期』の評価
作画 | 65点 |
世界観・設定 | 70点 |
ストーリー | 75点 |
演出 | 60点 |
キャラ | 75点 |
音楽 | 75点 |
作画
1期からアニメ制作会社は変更されているが、作画の変化は特にない。
世界観・設定
1期で世界観・設定は説明されていたが、2期ではストーリーの広げ方が良かったと思う。
ストーリー
ストーリー自体は単調な異世界系といった感じなのだが、他の安っぽい異世界系よりも作品に引き込まれていく不思議な魅力がある。
演出
特に印象に残った演出はない。
キャラ
キャラデザは異世界色が強いものだが、どれも可愛い。『異世界魔王2期』になってからの新キャラも多かったが、結構可愛かった。
音楽
『異世界魔王1期』の主題歌も中々良かったが、『異世界魔王2期』も良かった。
さいごに
「さすがに3期制作はないんじゃないか」と思うけれども、アニメ関連の売上や原作の発行部数が伸びたら、確実に3期を制作すると思う。というのも講談社はメディアミックスをバンバン進める傾向にあるからだ(質はちょっとあれだけど…)。まあ僕は静かに見守りたいと思う。