今回は『ハッピーシュガーライフ』について語っていく。『ハッピーシュガーライフ』は『月刊ガンガンJOKER』で連載されていた漫画が原作だ。これが2018年夏クールにアニメが放送される。アニメ制作会社はEzo’laだ。
『ハッピーシュガーライフ』の感想
ネタバレしているので、未視聴の方は気をつけてください。
感想①:エンターテインメントとして優れている
『ハッピーシュガーライフ』は、サイコホラー系アニメとして見るか、純愛系アニメとして見るかで感想が変わってくる。まずはサイコホラー系アニメとして語ってみる。
『ハッピーシュガーライフ』は、味覚という要素を用いて感情が表現されていた。とても幸せな時は甘味、ストレスフルな時は苦味が用いられる。この表現が『ハッピーシュガーライフ』の主人公・松坂さとう(CV.花澤香菜)の心情を表している。
甘い表現の時は、ファンタジー少女漫画のような演出が入る。その一方で苦い表現の時はホラーのような演出が入るのだ。そのメリハリがエンターテインメント性を生み出し、視聴者を作品の中に引きずり込んでいく。
僕の友人はリアルタイムで『ハッピーシュガーライフ』を鑑賞していて、Twitterでは大盛り上がりになっていたようだ。現在のSNS全盛の社会においては、視聴者を楽しませるエンターテインメント性の強い作品がウケる。このニーズをしっかり掴んだのが『ハッピーシュガーライフ』というわけだ。現代版『School Days』みたいな感じかもしれない。
感想②:一体誰が悪いの?
では純愛系アニメとして『ハッピーシュガーライフ』を語ってみよう。『ハッピーシュガーライフ』は、登場人物が「愛」を模索するストーリーだったといえる。しかし、愛を模索する過程のどこかで大きく間違ってしまい、愛の形が歪んでしまった。その典型例がさとちゃん(松坂さとう)で、「自分の愛する人のためだったら人を殺してもいい」という極端な愛を生んでしまった。
だがこれは、さとちゃんが100%悪いと断言できないのも事実だ。そもそもさとちゃんは女子高生。”まだ間違ってもいい年齢”だといえる。そしてさとちゃんの幼少期の環境はとにかく劣悪で、こんな環境でマトモな人間が育つとは思えないほどだ。
このようなサイコホラー系アニメは、本当にどうしようもないサイコパスと、しょうがないサイコパスが存在すると僕は考える。そして『ハッピーシュガーライフ』は、しょうがないサイコパス系だった。さとちゃんの親友の飛騨しょうこ(CV.洲崎綾)が、さとちゃんを救い出す可能性を持っていたからだ。
だが残念なことに、その可能性をさとちゃん自身が台無しにしてしまった。もし、さとちゃんが初めて人を殺す前に、しょうこが手を差し伸べることができたら…。そんなことを考えてしまう。
『ハッピーシュガーライフ』の評価
作画 | 60点 |
世界観・設定 | 70点 |
ストーリー | 70点 |
演出 | 70点 |
キャラ | 70点 |
音楽 | 75点 |
作画
作画は基本的に安定していた。中の中ぐらいがずっと続く。
世界観・設定
現代版『School Days』みたいな世界観。登場人物のほとんどが精神的に壊れていて、それが非日常を生んでいる。
ストーリー
サスペンス的なストーリーで続きが気になる展開だった。続きが気になるように、ストーリーの基礎設計が工夫されている印象だ。
演出
メリハリの効いた演出が癖になる。サイコホラーとして楽しめた。
キャラ
サイコホラー系ということもあり、キャラはみんな狂ってる。そしてキャラデザが可愛らしい。
音楽
OPとEDのメンヘラ感がなんとなく現代的。EDの『SWEET HURT』に関しては個人的にツボ。
さいごに
『ハッピーシュガーライフ』はTVアニメ1クールで綺麗に完結している。原作10巻分をまとめていることを考えると、原作漫画からカットしたシーンも多いかもしれない。『はっぴーシュガーライフ』を最大限楽しみたいのであれば、原作漫画も読んでみて良いかもしれない。