今回は『ブルーサーマル』について語っていく。『ブルーサーマル』は2015年から2017年の間、『月刊コミック@パンチ』で連載されていた漫画が原作だ。これが2022年2月、劇場アニメとして上映される。
アニメ制作はテレコム・アニメーションフィルムが手がけている。
『ブルーサーマル』の感想
ネタバレしていないので未視聴の方でも読めます!
感想①:主人公の個性がしっかり発揮できてる
『ブルーサーマル』で最も評価するべきポイントは、主人公の都留たまき(CV.堀田真由)のキャラの作り込みにある。
まず、動きが非常に良い。つるたま(都留たまき)はおっとりとした性格で、ギャグ要素の強いキャラだ。それが動きでしっかり表現されている。映画館内でも「クスッ」という笑い声が頻繁に聞こえた。
そして、つるたまの声優に女優の堀田真由を採用したのが良い。堀田真由は、女優だからといって知名度があるわけではない。純粋に、演技力と声質で選ばれたようだ。
スタッフ陣が「たまき役は彼女しかいない!」と太鼓判を押している。確かに、つるたまは堀田真由の声で正解だと僕も感じる。
感想②:ストーリーが微妙
『ブルーサーマル』はストーリーが微妙だった。ストーリーというよりは、構成の段階で無理が生じている。『ブルーサーマル』の原作は全5巻だ。それを映画1本にまとめようとしたので、当然、どこかしらに問題が生じてしまう。
そして『ブルーサーマル』のテーマがよくわからない。航空部の活動を通して何を伝えたかったのかが見えなかった。航空部ならではの活動を活かした青春スポーツ物語なのか、大学生による青春ラブコメなのか、それがとても中途半端になった印象だ。
個人的には、航空部の活動を優先して脚本を作るべきだったと思う。スポーツを活用した青春ラブコメは世の中に死ぬほどある。それにラブコメ要素を強くしなくても、登場人物の心情がしっかり表現できそうなストーリーだった。それだったら『ブルーサーマル』の独自の要素である航空部の設定を最大限活かすべきだろう。
『ブルーサーマル』の評価
作画 | 60点 |
世界観・設定 | 60点 |
ストーリー | 50点 |
演出 | 70点 |
キャラ | 70点 |
音楽 | 60点 |
作画
作画はめちゃくちゃ普通だった。空の美術背景が特別良いわけでもない。
世界観・設定
航空部にフォーカスしているのは希少性がある。だが、その設定が最大限活用されているとはいえないだろう。
ストーリー
ストーリーは少し無理がある。ラストまで描く必要はなかったかもしれない。
演出
キャラの動きがとても良い。演出が良い仕事をしている。笑
キャラ
つるたまはもちろんのこと、男性キャラの倉持潤(CV.島崎信長)や空知大介(CV.榎木淳弥)も一定の人気が出そう。
音楽
航空部大学生にふさわしい楽曲が採用されていて、作品の雰囲気にマッチしている。
さいごに
「マイナースポーツ×青春ラブコメ」のテーマにはポテンシャルを感じる。『ブルーサーマル』も十分良い線だった。背景美術がもう少し凝ってたらなぁ。
ぶっちゃけると、クオリティは中の下ぐらいだろう。だが、東映がバックにいるということで、『ブルーサーマル』は上映館数が比較的多い。CMも多く打ち出しているようだし、それなりのプチヒットになるかもしれない。