今回は『王様ランキング』について語っていく。『王様ランキング』は『マンガハック』で連載されていたWeb漫画が原作で、2021年12月時点で累計発行部数は150万部を突破している。これが2021年秋クールから2クールにかけてアニメが放送される。アニメ制作はWIT STUDIOが担当した。
『王様ランキング』の感想
ネタバレしていないので、未視聴の人でも読めます!
感想①:ここ最近のアニメで一番泣けるストーリー
思えばここ最近のアニメで、泣ける作品はほとんどなかった。というより、感動的なストーリーで攻める作品が少なかったように思える。2020年に上映された『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』ぐらいかもしれない。それと『不滅のあなたへ』らへんだ。
とにかく、2021年に公開されたアニメの中で最も感動できたのは『王様ランキング』だった。物語の序盤から泣けるし、中盤以降も泣けるシーンが多かった。なんだかんだで僕も5回ぐらい泣いた気がする。特にボッジの義理の母親のヒリング(CV.佐藤里奈)が絡むエピソードはズルい。やっぱり親子系のエピソードは涙必至だと思う。
なぜここまで泣けるのかといえば、まず演出が優れているのは間違いない。そしてストーリーも良かった。そしてなんと言っても、絵本テイストの作画のギャップがある。一見すると幼稚園児向けの作画なのにストーリーは大人向け。このギャップが感動を生んでいる気がする。『STAND BY ME ドラえもん』の感動に近いかもしれない。
感想②:深く考えられるかというと…
「『王様ランキング』は人生について深く学べる」
このような評価がされることが多い。だが、僕は個人的にそのように感じることができなかった。確かに『王様ランキング』は感動できるし、勇気がもらえる作品だ。しかし、人生や生き方について深く学べるかと言われるとそうでもない。というか新たな気づきがなかった。
これは僕の考え方が偏屈なのかもしれない。だが、『王様ランキング』は「何かを犠牲にする」という概念が存在しない。そう、痛みがないのだ。人生は必ず、決断の時が迫られる。その決断には「全部手に入れる」という選択肢がないことがほとんどだろう。大体の場合、何かしらの痛みを伴うものだ。その部分が『王様ランキング』からは感じられなかった。良い意味でも悪い意味でも、全員がハッピーエンドになりそうだ。
『王様ランキング』の評価
作画 | 85点 |
世界観・設定 | 85点 |
ストーリー | 90点 |
演出 | 90点 |
キャラ | 88点 |
音楽 | 80点 |
作画
原作漫画の癖のある作風をしっかり映像化した。戦闘シーンの迫力もあり、表情の描写も丁寧だった。
世界観・設定
中世ヨーロッパのような世界観で、絵本テイストがファンタジー感を生み出している。ただ、思っていたよりも広大な世界ではなかった。
ストーリー
考えさせられるストーリーだった。王様を目指すボッジを軸に、様々なキャラが織りなす感動的なストーリー。最近のアニメでは一番泣けた。
演出
演出も非常に優れている。とても感情移入できるし、終始飽きることがなかった。
キャラ
王様ランキングの最大の魅力はキャラにある。登場する全てのキャラに丁寧なバッググラウンドがあるのだ。ボッジを中心に様々なキャラが結びついており、それが感動的でエキサイティングなストーリーを生み出している。
音楽
定番のJ-POPアーティストを採用している。だが、『王様ランキング』の作風にピッタリで、とても良い感じだった。だが、J-POPアーティストなので、歌を用いた演出がやりづらくなっているのがデメリットかな…。アニプレックスあるある。
さいごに
ここ最近のアニメの中でも、『王様ランキング』は間違いなくトップレベルの作品だった。原作が売れるようになれば、2期制作の話も間違いなく出てくるだろう。あとはWIT STUDIOのリソースに空きがあるかどうかになる。
エンターテインメントとして非常に優れており、かつシンプルな内容なので、海外ウケも良さそうだ。それでいて、海外では中々アニメでは表現されない世界観でもある。続編制作を期待したいと思う。