今回は『猫の恩返し』について語ってみる。
『猫の恩返し』は、柊あおいのコミックである『バロン 猫の男爵』を原作とした長編アニメーション映画で、2002年に上映された。
アニメ制作はスタジオジブリ、監督は森田宏幸が担当した。宮崎駿は企画を担当していた。
『猫の恩返し』の感想
ネタバレしていません。
『耳をすませば』の続編です
視聴してればなんとなく分かると思うが、『猫の恩返し』と『耳をすませば』は繋がっている。設定としては『耳をすませば』の月島雫が書いた小説が『猫の恩返し』ということになっているのだ。実際、月島雫が惚れた猫の彫刻と、バロンがそっくりそのままだ。
僕は実は小さい頃、『猫の恩返し』を何度か見たことはあった。だが肝心の『耳をすませば』を知らなかった。そして今回は事前に『耳をすませば』を視聴した後に『猫の恩返し』を鑑賞したので、その繋がりをやっと理解できたのだ。『耳をすませば』は個人的に、ジブリ作品の中でもかなり好きな作品なので、「あの月島雫が書いた」という設定は結構嬉しい。
とにかくコメディが強い
『猫の恩返し』は、とにかくコメディ色が強い。ジブリ作品の中でもトップレベルでコメディが強いと思う。こんな作品を月島雫が書いたと思うと、なんだか感慨深い……。
特にムタが良いキャラをしている。ムタは、『耳をすませば』のムーンがモデルとなっている猫で、ムタの正式名称はルナルド・ムーンとなっている。一応、『猫の恩返し』には銃や金属剣などの物騒なものが描かれるが、ムタとバロンが強すぎるので、基本的に安心して視聴できる。
『猫の恩返し』の評価
※個人的な評価です
作画 | 85点 |
世界観・設定 | 80点 |
ストーリー | 85点 |
演出 | 80点 |
キャラ | 80点 |
音楽 | 80点 |
作画
作画のクオリティはちょっと微妙……。猫やカラスの動物の動きは良かったけれど、主人公のハルの動きが、他のジブリ作品と比べると微妙だと思う。
世界観・設定
猫の国というファンシーな世界観。というかバロンが登場するということは、『耳をすませば』で雫が書いていた小説そのものが『猫の恩返し』ということだよね。そう考えると、あれだけコメディ色が強くて優しい世界観なのも納得がいく。女子中学生が書いた処女作なのだから。
ストーリー
全体的に短くまとめられているので、視聴しやすかった。意外にも、猫の国に入る前のストーリーにも、中々の尺を使ってたんだなぁと思い返していた。
演出
やはり猫の動きの演出が記憶に残る。猫の国では猫が二足歩行するわけだけど、それでも猫の骨格がしっかりキープされている。また、ラストシーンでカラスの上を歩いて空を歩くのも素敵だ。何度も言うけれど、これを月島雫が書いたと思うと……。
キャラ
猫は猫でも、個性がしっかりついている。あとは人間のキャラデザがもう少し人間ぽかったらなぁと思ってしまった。ある意味、ジブリらしくないキャラデザだったよね。
音楽
主題歌の『風になる』の中々の良曲。『猫の恩返し』ではアコースティックverが挿入された。
さいごに
『耳をすませば』を視聴してからだと、『猫の恩返し』の印象が大きく変わってくるのは間違いない。なぜあのような世界観が構築されたのか、その背景に『耳をすませば』が大きく関わっているからだ。
『耳をすませば』を未視聴の人は、ぜひとも視聴しておいてほしい。
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