今回は『夏へのトンネル、さよならの出口(以下、夏トン)』について語っていく。
『夏トン』は2019年に刊行されたライトノベルが原作で、これが2022年9月に劇場アニメ上映される。アニメ制作はCLAPが担当した。
『夏トン』の感想
※ネタバレ注意!
『夏トン』は個人的にかなり興味があった作品だ。なぜならアニメ制作をCLAPが担当しているからである。CLAPは『映画大好きポンポさん』を制作したアニメ会社なので、期待値はかなり高かった。
ただ『夏トン』に関しては、個人的に期待値を下回ったなぁと思う。僕が設定した期待値が高すぎたというのもあるけれど、実際、シナリオのクオリティは微妙だったと思う。なんというか、よく見かける駆け足展開という感じだ。
ただそれ以外は中々良かった。音楽も良かったし、何よりも作画が良かった。『映画大好きポンポさん』ほどではないけれど、映画クオリティだったと思う。
だからこそ、シナリオが微妙だったのがもったいないなぁと思う。特に終盤、うらしまトンネルでなぜメールが通じ合ったのかが、僕にはよく分からなかった。もしかしたら遠回しに説明していたのかもしれないけど、どちらにせよ、終盤はやや駆け足だったと思う。
まあ『夏トン』を本気で楽しみたいのであれば、原作を購入して読めばいいのだろう。機会があれば読んでみようと思う。
『夏トン』の評価
個人的な評価です。
作画 | 83点 |
世界観・設定 | 80点 |
ストーリー | 70点 |
演出 | 70点 |
キャラ | 75点 |
音楽 | 75点 |
作画
アニメ制作をCLAPが担当しているということで、作画のクオリティは高かった。ただし前作の『映画大好きポンポさん』と比べると……って感じではある。まあ、ジャンルがジャンルだからしょうがない。
世界観・設定
王道のジュブナイルSF作品だと思う。ただし、SF設定の作り込みがなんだかなぁ……という感じだ。多分、原作だとしっかり説明されてるのだと思う。
ストーリー
SF要素の説明をおそらく省いていることもあり、ストーリーは簡潔かつスマートだった。90分以内にまとまってるのが好印象。
演出
演出はなかなか良かったと思うけれど、やはり派手さには欠ける。花城あんずの可愛さはしっかり表現されてたと思う。
キャラ
キャラはすごく良かった。主人公もヒロインも地味な容姿だけれど、個性がすごく強かった。普通に感情移入できるし。
音楽
OP主題歌の使い方が最高だった。イヤホンを装着する瞬間に挿入される……というのはよくある演出だけれど、それを映画館でやると抜群にキマる。
さいごに
『夏トン』の原作者である八目迷先生は、時と季節シリーズとして『きのうの春で、君を待つ』や『琥珀の秋、0秒の旅』も執筆している。もしかしたらこれらの作品も劇場アニメ化が決定されるかもしれない。その時は視聴してみようと思う。