僕は小学生の頃、京都での修学旅行をきっかけに一つの夢ができた。それは、とにかく生八ツ橋を食べまくること。
そして今、僕は日本を旅しているのだけど、ついに京都に訪れることができた。京都といえば仏閣だが、今の僕は頭の中が生八ツ橋でいっぱいだ。
……ということで、生八ツ橋の4大メーカー+αの食べ比べを実施してみた。
そもそも生八ツ橋とは?
まず前提として、八ツ橋は2種類に分けられる。焼き八ツ橋と生八ツ橋だ。そして現在主流になっているのが生八ツ橋となっている。
米粉・砂糖・ニッキを混ぜた生地を煎餅風に焼き上げたのが焼き八ツ橋。生地を焼かないのが生八ツ橋。そして近年主流になっているのは、生の生地で餡を包むタイプの生八ツ橋だ。
起源は不明な部分が多く、創業年を巡って八ツ橋メーカーがバトルすることもあった。
本家西尾八ツ橋
本家西尾八ツ橋は、最もお土産人気のある八ツ橋メーカーだろう。
本家西尾八ツ橋の強みは、フレーバーの種類の多さだ。ニッキや抹茶といった定番に加え、季節商品としてみかんやブルーベリー、ラムネといったフレーバーが展開される。
さて、肝心の味だが、今回食べた八ツ橋の中でニッキの風味が最も強かったのが印象的だった。また、他の八ツ橋よりも甘味が強い。これぞ八ツ橋って感じの味わいだ。
聖護院八ツ橋総本店
聖護院八ツ橋総本店は、本家西尾八ツ橋と同じくらい知名度のある八ツ橋メーカーだ。
聖護院八ツ橋総本店の強みは、超王道のフレーバーだ。本家西尾八ツ橋ほどニッキが強くないので食べやすい。ただし、それは個性がないと解釈することもできる。
今回紹介する5社の中では、個人的に最もランキングが低い。他のメーカーに比べるとなんかパッとしない感じがした。
井筒八ツ橋本舗
井筒八ツ橋本舗は、現状として本家西尾と聖護院の2トップの次点に位置するメーカーだと思われる。
生八ツ橋は『夕子』と『夕霧』を展開しており、一般的には『夕子』を購入する場合がほとんどだ。特徴としては、他メーカーの八ツ橋に比べて色が濃い点と、きな粉の量が多い点が挙げられる。
味や食感やニッキの強さは聖護院と大差ない。ただし、きな粉が多いのと色が濃いからか、少し味が濃いような気がする。個人的には聖護院よりちょい上の位置付けかな〜と思う。
おたべ
おたべ(株式会社美十)は、上記の3社と比べると新進気鋭のメーカーだといえる。そのため、上記の3社と比べるとブランド価値が低い。
だがしかし、生八ツ橋そのもののクオリティはかなり高い。味は大差ないが、皮がモチッとしていてよく伸びる。そう、おたべの最大の特徴は皮にあるのだ。
個人的に、今回紹介するメーカーの中では、皮の質が最も好きな感じだった。モチモチしているからか、甘味も強く感じられる。
元祖八ツ橋 西尾為忠商店
最後に紹介するのは元祖八ツ橋西尾為忠商店だ。
当店は京都駅では販売されておらず、ECも展開していない。なぜなら全て手造りだからだ。本来の生八ツ橋の製法を頑なに守っているのが特徴となっている。そのため、上記4メーカーよりも入手難易度が高い。
しかも、昔ながらの四角形の生八ツ橋なので、お土産として持ち運ぶ際は常に水平にする必要がある。なので、なんだかんだで遠方のお土産には適さない。必然的に京都市内でしか食べられない逸品となっている。
さて、肝心の味だが、洗練された味わいとなっている。余計な甘味がなく、全体的にさっぱりとしていて、米本来の甘味を感じることができた。皮もスッとした食感でしつこくない。手間がかかっているだけあって、今回紹介した中で1番美味しく感じられた。
結論
以上の5メーカーの八ツ橋を食べ比べた結果、僕の中での順位は以下のとおりとなった。
元祖八ツ橋>本家西尾>おたべ>井筒>聖護院
まあ、あくまでも参考程度にしてほしいと思う。ただし元祖八ツ橋は、京都に訪れた際にぜひ食べてもらいたい。この味わいは、一度は体験しておくべきだと思う。