千歳くんはラムネ瓶のなか(チラムネ)の原作ラノベの正直な感想「面白い?つまらない?」

千歳くんはラムネ瓶のなか
星島てる
アニメ好きの20代。ライターで生活費を稼ぎながら、アニメ聖地の旅に出ている者です。アニメ作品の視聴数は600作品以上。

2020年代に入ってから最も人気のあるライトノベルと言っても過言ではないのは『千歳くんはラムネ瓶のなか』だ。本記事執筆時点(2023年2月)で未だにアニメ化が決定されていないにもかかわらず、ライトノベルの人気ランキング『このラノ』で殿堂入りを果たしてしまった。

僕は基本的にアニメヲタクなのだけれど、ライトノベルも多少は嗜む。ということで、今最も注目されているラノベである『チラムネ』も読んでみることにした。

目次

『千歳くんはラムネ瓶のなか』の全巻感想

『千歳くんはラムネ瓶のなか』の感想

主人公は、超絶リア充。

『五組の千歳朔はヤリチン糞野郎』

学校裏サイトで叩かれながらも、藤志高校のトップカーストに君臨するリア充・千歳朔。
彼のまわりには、外見も中身も優れた友人たちがいつも集まっている。

圧倒的姫オーラの正妻ポジション・柊夕湖。
努力型の後天的リア充・内田優空。
バスケ部エースの元気娘・青海陽……。

仲間たちと楽しく新クラスをスタートさせたのも束の間、朔はとある引きこもり生徒の更生を頼まれる。
これは、彼のリア充ハーレム物語か、それとも――?

第13回ライトノベル大賞、優秀賞受賞。
新時代を告げる“リア充側”青春ラブコメ、ここに堂々開幕!!

『千歳くんはラムネ瓶のなか』より引用

中々衝撃的な作品だった。『チラムネ』の主人公・千歳朔は陽キャで、スクールカーストトップ。そして隠キャに対して正論をぶつけまくるというストーリー進行だ。そもそもラノベを読む層って隠キャ側の人間が多いと思うから、まあ賛否両論の作品なのである。

ただし、原作者が純文学などにハマっていたということもあり、地の文からは一定の教養が感じられる。僕が好きなタイプのラノベだ。ラノベの割には少し比喩が多い気がするけど、それはそれで読み進めやすいのでOK。

別に隠キャでいることは悪いことではないけれども、だからといって陽キャをバカにするのはお門違いであることがよくわかる。出た杭を打つ側の人間になるべきではない。何かを生み出し、何処かに進み続けるような人間になりたいと思わされた。

『千歳くんはラムネ瓶のなか(2)』の感想

それは、ニセモノの恋の物語。 

「千歳しかいないの。どうかお願いします。私と付き合ってください」

面と向かって女の子にこんなことを言われたら、大概悪い気はしないだろう。
それが、七瀬悠月のようなとびっきりの美少女ならなおさらだ。

でも、うまい話には大概裏がある。
美しい月の光が、ときに人を狂わせるように。

これは、そうして始まった、俺と七瀬悠月の偽りの恋の物語だ。

――人気沸騰の“リア充側”青春ラブコメ、待望の第2弾登場!

『千歳くんはラムネ瓶のなか(2)』より引用

2巻では、七瀬悠月が深掘りされる。『チラムネ』は1巻ごとに1人のキャラを深掘りしていくスタイルのラノベらしい。

そして2巻を読んでから、確かに『チラムネ』が陽キャ版『俺ガイル』と言われる所以がわかってきた。主人公の千歳朔が比企谷八幡に非常に似ているからだ。八幡の方が捻くれているけど、どちらかと言うと千歳朔の方が変人だろう。自分の犠牲を厭わない『とあるシリーズ』の上条当麻に似ている雰囲気もある。

また、千歳朔が高校2年生になってからは健太の世話がメインだったこともあり、改めて陽キャメンバーの距離感がわかってきた感じがする。そう、千歳朔と七瀬悠月は高校2年生になってからの付き合いなのだ。つまり陽キャメンバーの中でも距離感が少し異なるということでもある。まあ、みんなコミュ力が高いから普通に仲良いんだけどね。

そして2巻では責任がテーマになっていたと思う。千歳朔も七瀬悠月も、自分の人生は自分で責任を持つように心がけている。これは僕からみても、とても共感できるポイントだ。結局のところ、他人を変えることなんて本質的には不可能であり、自分自身の手と足で人生を切り開いていかなければいけない。

……感情移入し過ぎて、思わず夜更かししながら読み進めてしまった。

『千歳くんはラムネ瓶のなか(3)』の感想

「君」にさよならを。

6月の進路相談会で顔を合わせて以来、俺と明日姉は学校でも会うようになった。

まるでデートのように出かけることも増え、俺は嬉しい反面……どこか切なさにも似た感情を抱えていた。
それがひどく身勝手なものだということも理解しながら。

明日姉は、東京にいく。物語を「編む」人になるために。
俺は、笑顔でこの人を送り出せるだろうか――。

大人気“リア充側”青春ラブコメ、第3幕。
遠い夏の日。君とまた会えますように。

第3巻では、西野明日風が深掘り。立ち位置的に『チラムネ』におけるラスボス的みたいなヒロインだと思ってたけど、割と早い段階で攻略?される。

千歳くんと明日姉は、とてもレトリックで知的な会話をする。2人も読書が趣味だと思うけど、どうやら明日姉は編集者志望らしいのだ。それで、明日姉は編集者になるために、東京の大学に進学しようとするが、親に大反対される。

ここで『チラムネ』の「福井」という特異性が目立つようになる。これまでに『チラムネ』に近い作品として『俺ガイル』とか『弱キャラ友崎くん』とかがあったけど、いずれも東京圏が舞台だった。だから「上京の哀愁さ」を描くことはできない。その一方で『チラムネ』は福井だから「上京」を描ける。

今回の明日姉のお話は、極めて典型的なドリーマーのお話だが、あまりライトノベルで大々的に描かれなかったエピソードなのかもしれない。

また、レトリックなやり取りから、僕は『物語シリーズ』を思い出した。同時に、大人っぽく見えていた明日姉が、やっぱりちゃんと高校生だったことについては『響け!ユーフォニアム』の田中あすか先輩を想起した。

個人的に、千歳くんと明日姉の過去エピソードは好きじゃないが、それ以外の部分に関してはめちゃくちゃ好きで、全体としておもしろかった。

あと、本書を読んでいるタイミングでアニメ化が決定されたけど、この”ちょっと”レトリックなやり取りをおしゃれに演出するのは、割と難しいと思う。

『千歳くんはラムネ瓶のなか(4)』の感想

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未読のため保留。

『千歳くんはラムネ瓶のなか(5)』の感想

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『千歳くんはラムネ瓶のなか(6)』の感想

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『千歳くんはラムネ瓶のなか(6.5)』の感想

未読のため保留。

『千歳くんはラムネ瓶のなか(7)』の感想

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未読のため保留。

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