今回は『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ(以下、冥き夕闇のスケルツォ)』について語っていく。
前作の『星なき夜のアリア』が2021年10月に公開されてから1年後、2022年10月に『冥き夕闇のスケルツォ』が上映された。
アニメ制作は前作に引き続きA-1 Picturesが担当している。
『冥き夕闇のスケルツォ』の感想
ネタバレ注意!
緊張感を生み出すのが本当に上手い
『プログレッシブ』になってから、緊張感を生み出すのが本当に上手くなったと思う。これぞ『SAO』という感じだ。
特に『冥き夕闇のスケルツォ』になってからは、緊張感を生み出すための仕掛けがたくさん盛り込まれたように感じられる。
まずはやはり、PKだ。フロアボスだけでなく、プレイヤーにも警戒しなければならなくなったことで、常に油断できない状況を生み出すことに成功している。
そして個人的に注目したのは、今回のフロアボスの「ラインを踏んだら攻撃してくる」という法則だ。というのも、子どもの頃に誰もが「白線を踏み外したら死ぬ」というルールで学校から家に帰ったことがあるはずだろう。それが実際にフロアボスの攻撃手段に活用されているのが面白かった。
やっぱり『SAO』シリーズはエンタメ作品として非常に優れているよなぁと思った。緊張感があるからめちゃくちゃ感情移入できる。
アスナがめちゃかわ
僕は『SAO』の中だと、リーファじゃない方の桐ヶ谷直葉と、朝田詩乃じゃない方のシオンが推しだった。多分、これに共感できる人は一定数いると思う。リーファだとちょっとファンタジーすぎるし、朝田詩乃だと地味すぎるのだ。
しかし『冥き夕闇のスケルツォ』を通じて、僕もやっとアスナの良さがわかってきた。というか『プログレッシブ』シリーズは、女性監督ということもあってか、アスナがめちゃくちゃ可愛く演出されている。
今まではあまりにも男の欲望の塊って感じが強すぎて、僕の中で抵抗があった。けれども、『プログレッシブ』になってからは、エロさと可憐さが奇妙に融合し、女の子らしさが演出されている気がする。
これにより、僕の『SAO』における推しはすっかりアスナになってしまった。
……そういえば、『プログレッシブ』って絶対に直葉とシオンが登場することはないよね。
『冥き夕闇のスケルツォ』の評価
作画 | 90点 |
世界観・設定 | 80点 |
ストーリー | 80点 |
演出 | 80点 |
キャラ | 80点 |
音楽 | 78点 |
作画
作画のクオリティは非常に高い。IMAX上映が決定していたこともあり、映画館のスクリーンだからこそできる画だった。戦闘シーンの迫力も相変わらずだが、キャラの可愛らしさも増してる気がする。
世界観・設定
『冥き夕闇のスケルツォ』から、PK(プレイヤーキル)の概念が登場し始めた。また、攻略情報が命同然であることも思い知らされた感じがある。
ストーリー
常に緊張感のあるストーリーだ。PKをチラつかせることで、フロアボス以外でも「死」が付きまとうようになった。
演出
ボスとの対戦シーンの演出が素晴らしかった。「ラインを踏んだら攻撃される」とか、いかにもゲームっぽい。そして妙にリアルな緊迫感もあった。
キャラ
情報屋のアルゴは、実は新キャラでもなんでもなく、TVアニメ1期の頃から登場していたらしい。気づかなかった……。そして井澤詩織が声を担当していることもあり、どうしても『メイドインアビス』のナナチを思い返してしまう。
それと、アスナがめちゃくちゃ可愛い。『プログレッシブ』は、監督が女性ということもあってか、女性キャラがちゃんと女の子らしく描かれてる気がする。
音楽
全体的に劇伴が良かった気がする。音響にもこだわりが感じられた。
さいごに
『星なき夜のアリア』のときは、本編終了後に次作の告知がされていた。しかし『冥き夕闇のスケルツォ』では、次回作の告知がされなかった。
とはいえ、ストーリーの流れ的にもビジネス的にも『プログレッシブ』の次回作が制作されるのはほぼ間違いないだろう。あとは「どのタイミングで公開するべきか」ということなのだと思う。
どちらにせよ、『SAO』のメディアミックスが終わる気配は一切なさそうだ。