【ブルバスター感想】個人的にかなり〇〇だった……

ブルバスター
星島てる
アニメ好きの20代。ライターで生活費を稼ぎながら、アニメ聖地の旅に出ている者です。アニメ作品の視聴数は600作品以上。

今回は『ブルバスター』について語っていく。

『ブルバスター』は中尾浩之によるSF小説が原作で、2023年秋クールにTVアニメが放送された。

アニメ制作はNUTが担当している。

目次

『ブルバスター』の評価

※ネタバレ注意!

作画69点
世界観・設定50点
ストーリー60点
演出50点
キャラ55点
音楽70点
※個人的な評価です

作画

作画のクオリティは「中の中」か「中の下」ぐらいで、まあ十分に視聴に耐えられるぐらいのクオリティだった。『幼女戦記』や『BLUE GIANT』ほどの衝撃は皆無である。

やはり気になってしまうのが巨獣の3DCGだ。正直言って3DCGのクオリティが低い。というか巨獣のテクスチャーをどのようにするかのイメージが固まっていない印象を受けた。

世界観・設定

「ロボットの賃料、燃料、残業代などのコスト管理に悩まされるロボットアニメという『機動警察パトレイバー』を彷彿とさせる世界観・設定だ。とはいえ、何かしらの特徴があるわけではなく、北九州が舞台になっていながらも、北九州らしさを特に感じなかった。

ストーリー

ストーリーは、まあ悪くはないのだけれど、特に「おもしろい!」とも感じなかった。高度な伏線回収があるわけではなく、激アツな展開があるわけでもない。

ダークホース的な位置付けだったら悪くなかったかもだけれど『幼女戦記』や『BLUT GIANT』のNUTだからなぁ。

演出

演出もめちゃくちゃ普通。印象的な演出があるわけではない。

キャラ

キャラクターもめちゃくちゃ普通。いや、キャラ自体は味わい深いと思うけれど、やはりインパクトに欠けてしまう。これでストーリーとかがよかったら話は変わるけど、ストーリーもキャラも普通となってくると、流石に地味すぎる。

音楽

OPの『トライ・ライ・ライ』は女性が好きそうな感じのオシャレなナンバー。内田雄馬が歌ってそうな感じだけど、アーティストはNORISTRYという歌ってみた系の歌い手だ。

EDの『頑張れと叫ぶたび』は普通に名曲。非常に爽やかな応援ソングだった。

『ブルバスター』の感想

※ネタバレ注意!

NUTの株が下がった……

NUTは、個人的に非常に注目していたアニメ制作会社だった。これまで『幼女戦記』『デカダンス』『BLUE GIANT』という素晴らしい作品を生み出してくれたからだ。おそらくNUTは、優秀なクリエイターを多数抱えているというわけではなく、純粋にプロデュース能力が高いのだと僕は理解している。

さて、今回の『ブルバスター』でNUTの株がかなり下がってしまったと個人的に考えている。これまで制作されてきたアニメに比べて、圧倒的にクオリティが低かったからだ。もちろん、他のよくあるアニメに比べたら、クオリティは十分にマシ。少なくともそこら辺の異世界転生系に比べたら遥かにマシだ。しかし、思わず魅入ってしまうほどの魅力はなかったのも事実である。

設定とかパッケージは、そこまで悪くなかった。北九州を積極的にプロモーションする姿勢も良かった。つまるところ、お金周りの部分は、ビジネスだけで見れば悪くなかったと思う。

一方で「波止工業動画制作部(ブルバスターの製作委員会)」にはどこが出資しているのか、という疑問が残る。まず間違いなく株式会社ピクス(かIMAGICA GROUP)が出資していると思う。それとKADOKAWAも入っているだろう。また、Liminoの独占配信だったことから、制作費にはドコモのお金が入っているのも間違いない。

それにしても、個人的に、株式会社ピクスのコンテンツは微妙だと感じる。あくまでもビジネスが最優先なので、コンテンツのクオリティが特別高いというわけではない。まさに波止工業のようである。

そもそもNUTが、一体どこに向かっているのかが見えてこない。てっきりKADOKAWA作品のハイエンドモデル的な位置付けだと思っていたけれど、そこまでのこだわりもないのだろうか。もしかしたらNUTもビジネスに大きく偏ったアニメ制作会社なのかもしれない。まあ実際に取材しないとわからないと思うけど。

ブルバスターが微妙だと感じてしまった理由

『ブルバスター』が微妙だと思ってしまった理由は、純粋にアニメとしてのクオリティが低かったことだ。『幼女戦記』や『BLUE GIANT』のような作画は皆無。また『デカダンス』ほどの世界観の作り込みもなかった。そして『ブルバスター』の場合、本来であれば『デカダンス』のように世界観や設定を作り込むべきだったと思うけれど、残念ながら微妙に感じられてしまった。

『ブルバスター』のようにビジネス的な部分を深掘りしていくのであれば、それ相応に知的な要素を入れる必要があると思う。なぜなら『ブルバスター』のような作品を好む人の大半が『攻殻機動隊』や『東のエデン』のような知的な世界観を求めるからだ。『ブルバスター』もクラウドファンディングとかは大前提で当たり前で、もっとおもしろい方法で問題を解決して欲しかったのが本音だ。おそらく「仕事に対する姿勢」とか「働くこと」をテーマにしたのだと思うけれど、今のご時世で熱血とか血生臭い努力とかをテーマにしても……って感じだし、それでいくならもっと熱い演出を採用した方がいいのではないかと思う。

さいごに

正直言って「うーん……」という感じだったのが本音だ。一方で『ブルバスター』は数々のプロモーションを実施しており、そこだけはビジネス的に参考になる点が多い。でも結局のところ、どれだけプロモーションを実施していても、肝心の作品の質が微妙だと意味がないということなのだろう。また『ブルバスター』に関しては、Leminoがダメだったと思う。LeminoのCM挿入のタイミングがあまりにもひどすぎる。

あくまでも個人の私見として。NUTは一緒に仕事する相手を間違えたのではないだろうか。

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