バック・アロウ(TVアニメ)評価:感想→キッズアニメ?って感じ。笑

星島てる
アニメ好きの20代。ライターで生活費を稼ぎながら、アニメ聖地の旅に出ている者です。アニメ作品の視聴数は600作品以上。

今回は『バック・アロウ(以下、バックアロウ)』について語っていく。『バックアロウ』はアニメ制作会社のスタジオヴォルンによって制作されたアニメオリジナル作品だ。2021年冬クールから2クールに渡って放送された。

『コードギアス』の監督を務めていた谷口悟朗が監督、『天元突破グレンラガン』や『キルラキル』の脚本を担当した中島かずきが脚本を手掛け、音楽はアニプレックスでLiSA、藍井エイル、FLOWを起用。豪華声優も注目され、クリエイター陣で期待値の高い作品だった。

目次

『バックアロウ』の感想

感想①:完全に失敗

これはもう完全に失敗だ。1話段階では、「主人公のバック・アロウが気になるな〜」って感じでちょっとワクワクしたけど、2,3話段階からちょっと怪しくなった。そしてグダグダな展開が続き、そのままゴールしてしまった。これだけの有名クリエイター陣を揃えてこの出来なのか…。

そもそも『バックアロウ』とは一体何だったのだろうか。主人公のバック・アロウの魅力を全面に押し出すのかと思いきや全然そんなこともなく、激アツなストーリーでワクワクさせるのかと思えば全然そんなことがない。最初の方は世界観に可能性を感じていたけれども、世界の仕組みが分かり始めるごとに面白みが欠けていくのだ。普通逆だろ。

壁の外の世界は神の世界みたいな感じだったし、これは普通に自由気ままな外の世界を描いたほうが良かった気がする。それと「ブライハイト」っていうロボットみたいなやつ、それぞれのキャラの座右の銘みたいなやつの意志が強ければ強いほど、ブライハイトも強くなるっていう設定だったけど、あれもなんか微妙だった。
オトナ男子にウケるとは思わないんだよね。普通にロボットで良かったと思う。

感想②:テーマがよく分からない

結局『バックアロウ』は何を伝えたかったのだろう。実は『バックアロウ』の世界観は『えんとつ町のプペル』に似ている。どちらも閉ざされた世界が舞台になっていて、「閉ざされた世界の外に広い世界が広がっている!」と主人公が信じ続けている設定となっているのだ。それで『プペル』はストーリーの内容が良かったわけだから、個人的に『バックアロウ』にも期待していた。しかし結局、『バックアロウ』の外の世界はロマンが一切ない神の世界みたいな感じだったし、主人公はブレブレだった。

それと『バックアロウ』のキーテーマとなっている「信念」の扱いも困る。「信念」をキャラの個性と上手く結びつけることができれば面白そうだが、『バックアロウ』はそれに失敗していた。
例えば、エルシャという登場人物の信念は「絶対に生きのびる」だ。生きのびるといえば、『ギアス』で主人公・ルルーシュがスザクにかけた「生きろ!」という命令に、設定が似ている気がする。だからストーリーの大事なところでエルシャの「絶対に生きのびる」という信念を上手く活用できれば、面白そうなストーリーになった予感がある。

だが結局『バックアロウ』で登場してきた「信念」は表面上の個性で終わってしまい、重みが失われてしまった。これだとオトナが楽しめるアニメとしては失格だ。キッズ向けだったら喜ばれそう…。

『バックアロウ』の評価

作画30点
世界観・設定25点
ストーリー25点
演出25点
キャラ25点
音楽50点

作画

キャラデザは安定してたけど、なんというかアツさを感じない。

世界観・設定

序盤は面白そうに感じた世界観だけど、3話ぐらいで冷めた。

ストーリー

伏線回収も微妙だし、盛り上がらないストーリー。

演出

演出も特になし。タメがなかったので感情も揺さぶれない。

キャラ

キャラの魅力もイマイチ。主人公が微妙だもん。

音楽

作品がダメだと音楽も廃る。後半のFLOWのEDは結構好き。

さいごに

スタジオヴォルン制作のアニメはこれが初めてなのだが、これは相当経営に響くと思う。2クールのアニメオリジナルで大失敗って…。めちゃくちゃ痛いだろうな。

なぜ駄作に終わってしまったのか、その原因はクリエイター陣にしか分からないことだと思うが、しっかり修正してこのような惨劇にならないようにしてほしいと思う。

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