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地球外少年少女 評価:感想→近未来予測が非常に優れている名作

地球外少年少女

今回は『地球外少年少女』について語っていく。『地球外少年少女』はProduction +h制作によるアニメオリジナル作品だ。監督は磯光雄が担当している。磯監督は『電脳コイル』の監督経験もある。

2022年1月28日に前編『地球外からの使者』、2022年2月11に後編『はじまりの物語』が2週間限定上映され、それに合わせてNetflixで独占配信もされた。

『地球外少年少女』の感想

ネタバレしているので、未視聴の方は気をつけてください!

感想①:近未来要素が詰め込まれてる

『地球外少年少女』には、将来実現するであろう近未来要素が数多く詰め込まれていた。AI、宇宙、ドローン、ブロックチェーン、量子力学など、SF好きにはたまらない内容だ。

その中でも『地球外少年少女』で登場するスマートが印象的だった。スマートは「スマートフォンに代わる次世代ウェアラブル端末」として登場する。手のひらや甲に映像が映し出され、それをスマートフォンのように動かせるのだ。

現在、「スマートフォンの次に何が来るのか?」という問題提起があり、その答えはAR・VR領域の中にあると言われている。そんな中、『地球外少年少女』で登場したスマートは、割と良い線をいっているのでないだろうか。

手を用いたデバイスであれば、ジェスチャーUIを活用した操作が可能になる。また、スマートグラスとのコンビネーションも十分考えられる。『地球外少年少女』ではフィルムを手のひらに貼り付けることでスマートが使えるようになっていた。そうではなく、スマートグラスを活用したAR技術でスマートを使えるようにするのだ。これであればかなり早い段階で実現する気がする。

感想②:選択しなければならない未来が迫る

『地球外少年少女』のキャッチコピーは「未来からは逃れられない。」だ。そして『地球外少年少女』に登場する史上最高知能のAI「セブン」は、完全に未来を予測することができる。これがストーリーの鍵を握っていた。

実際、膨大なビッグデータを集めてディープラーニングでAIに学習させれば、ある程度の未来予測ができるだろう。しかし、『地球外少年少女』のストーリーの本質はそこではない。AIによって運命が可視化される世界になったとき、人類、人間は大きな選択をする必要が出てくる。『地球外少年少女』はこれを伝えたかったのではないだろうか。

これは、AIは”人間の選択をサポートするシステム”であることを暗に示している気もする。未来が分かっていても、選択するのは人間の役目なのだ。

感想③:人間と人類の違いとは

『地球外少年少女』では人間と人類の違いについてクローズアップされる。『地球外少年少女』の登場人物たちは、人間と人類は同じだと言っていた。しかし、セブンは人間と人類は違うものだと考えている。

人間は1人の人間であるのに対し、人類はホモ・サピエンスという1つの種。そのため、俯瞰的に考えると、人類を存続させることが最優先されるべきなのは間違いない。だからこそセブンは「人類を存続させるために約3割の人間を消すべき」という予測を立てる。そして登矢も同じように考えていた。

しかし具体的に見るとどうだろうか。いくら人類を存続させるためだとはいえ、僕たちの人間関係の3割を消してしまったら、とてもじゃないけど幸せに生きられない。これを踏まえると『地球外少年少女』は、俯瞰的すぎる思想に警鐘を鳴らす役割があるのかもしれない。そういった意味でも、「選択しなければならない未来からは逃れられない」ということなのだ。

登矢も最初は俯瞰的に物事を見て「人類を存続させるべきには約3割の人間を消すべき」だと頭だけでは考えていた。しかしそれは、登矢が地球の人々と触れ合ってこなかったによる、具体的な思考が欠けていた状態での考察だ。登矢は地球人の来訪ツアーをキッカケに、地球に住む人々の実態を知ったため、最終的には「約3割の人間を消せるわけがない」という結論に至る。これは、人間のデータを全て獲得したがっていたセカンドセブンにも通ずる部分があるだろう。

『地球外少年少女』の評価

作画80点
世界観・設定90点
ストーリー85点
演出85点
キャラ75点
音楽75点

作画

作画は非常に安定していた上、美術背景の作り込みが素晴らしかった。キャラの表情の動きも良く、没入しやすかった。

世界観・設定

近未来要素盛りだくさんの設定。そしてしっかり考えられているのがわかる。ユニクロが宇宙服を開発してそうだな〜とか思う。

ストーリー

ストーリーがとにかく面白い。シリアスな状況でも、ユーモアを忘れない姿勢だった。

演出

ヤバい時の緊迫感はもちろんのこと、ギャグも面白かった。

キャラ

キャラの表情が良いため、自然と感情移入できる。また、キャラの相関図に無駄がない感じもある。

音楽

EDの『Oarana』は個人的にかなり好き。宇宙らしさを感じる

さいごに

『電脳コイル』に引き続き、『地球外少年少女』の未来予測も中々良い線だったのではないだろうか。現代アニメ界では希少種とも言える「宇宙」をテーマに、磯光雄ワールドがしっかり発揮される形となった。こんな感じのSFが増えてくると個人的に非常に嬉しい。

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