【ククルス・ドアンの島 感想】ガンダムはやっぱり、カッコよかった

機動戦士ガンダムククルス・ドアンの島

今回は『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』について語っていく。

『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』は、1979年に放送されたTVアニメの第15話「ククルス・ドアンの島」を翻案した内容となっている。

『ファーストガンダム』の劇場版の最終章は1982年上映だったので、『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』は約40年ぶりの映画ということになる。

アニメ制作はサンライズが担当した。

目次

『ククルス・ドアンの島』の感想

自給自足の生活が描かれる

TVアニメと劇場版の違いはいくつもあるが、僕は「自給自足の生活」に注目した。

TVアニメに比べて劇場版では尺が多く利用できることもあり、『ククルス・ドアンの島』では日常シーンで多くの尺が利用されていたのだ。そして『ククルス・ドアンの島』といえば、ドアンと子供たちによる自給自足の生活だ。島の中で野菜を栽培したり、海で魚を釣ったり、井戸で飲み水を汲んだりして自給自足している。

そういえば、2021年に上映された『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』でも、綾波レイが農業に従事するシーンが描かれていた。最近公開されたSFロボット大作は、食料栽培を設定に組み込む風潮があるようだ。

SF作品というのは、リアリティをキープしながら「もし〇〇だったら…」というコンセプトで設定が構築される。そのため、他のジャンルと比べると、先見性がある作品である確率が高く、参考になる部分も多い。

そして実際、世界では食糧危機の問題の表面化しつつある。気候変動による水不足などの影響で、食糧の生産量が需要に追いつかなくなっているのだ。このような背景は、SF系の脚本家として見逃せない事案なのだろう。

というわけで『ククルス・ドアンの島』でも、自給自足のシーンが描かれる。「食料を自給自足できるように備えておけ」というメッセージをどこか感じさせる。

40年ぶりのリメイク作品が制作できるなら……

『ククルス・ドアンの島』は元々、TVアニメの1つのエピソードに過ぎなかった。しかし、設定やストーリーを拡張させることで、1つの映画作品に昇華することを可能にしてしまった。

それはもちろん、『機動戦士ガンダム』自体の人気が凄まじいこともある。だがそれよりも、設定が濃密であることが大きいように思える。設定が濃密なので、ある程度薄めることが可能なのだ。そして40年ぶりにリメイクされたことで、当然のことながら、クオリティは劇的に向上される。

これは、『機動戦士ガンダム』に限った話ではない。設定が濃密な作品であれば再現可能なプロジェクトだと思うし、「40年ぶりのリメイク」というだけで十分な価値がある。2022年10月には『うる星やつら』が36年ぶりにリメイク放送される。これからはリメイク作品がどんどん登場してくるのではないだろうか。個人的にはあだち充の名作『H2』のリメイクに期待したい。

『ククルス・ドアンの島』の評価

※個人的な評価です

作画83点
世界観・設定80点
ストーリー80点
演出80点
キャラ75点
音楽75点

作画

流石はサンライズということで、特に3DCGのクオリティが高かった。ガンダムやザクによる戦闘シーンは圧巻だ。

世界観・設定

TVアニメと比較すると、ドアンと子供たちの自給自足の生活に多くの尺を利用しているのが印象的だ。「食料やインフラを自給自足するべき」というメッセージを、暗に伝えているように思える。

ストーリー

TVアニメとはストーリーがかなり異なるけれど、良い感じにブラッシュアップされていた。特にガンダムの登場を終盤まで取っておいたのが、やはり良かった。

演出

ガンダムが登場するシーンの演出には感動した。これぞロボット系アニメの醍醐味という感じで、まさに王道。

キャラ

TVアニメと比べて、島で生活する子供たちが急増したのが印象的だった。しかもそれなりに個性的だったので、中盤の日常シーンも全く飽きなかった。

音楽

劇伴は、ガンダムファンにとって馴染み深い楽曲が採用されている。誰もが一度は聞いたことがある楽曲ばかりなので、本当に誰でも視聴できる作品に仕上がっている。

さいごに

ガンダムシリーズとしては、2022年10月から『水星の魔女』が放送開始される。宇宙世紀シリーズではないので、新規ファンでも楽しめる作品だ。こちらもしっかり視聴しておこうと思う。

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