【ダンジョン飯1期感想】TRIGGERの新たな挑戦!

ダンジョン飯
星島てる
アニメ好きの20代。ライターで生活費を稼ぎながら、アニメ聖地の旅に出ている者です。アニメ作品の視聴数は600作品以上。

今回は『ダンジョン飯』について語っていく。

『ダンジョン飯』は九井諒子による漫画が原作で、2024年冬クールから2クールかけてTVアニメが放送される。

アニメ制作はTRIGGERが担当した。

目次

『ダンジョン飯』の評価

※ネタバレ注意!

作画86点
世界観・設定・企画85点
ストーリー84点
演出83点
キャラ83点
音楽83点
※個人的な評価です

作画

全体的に、作品のクオリティは高い。これまでのTRIGGER作品とは異なり、TRIGGERらしさを前面に出してるわけではないが、随所でTRIGGERらしい作画が見られる。3DCGをほとんど使っていないのがTRIGGERらしい。

料理もとても美味しそうに描かれていて、かなりの飯テロなので、僕はいつも何かを食べながら『ダンジョン飯』を視聴するようにしていた。

世界観・設定・企画

ついにTRIGGETが有名IPを取り扱うようになってきた。いつものメインスタッフでは無いけど、原作漫画のポテンシャルを引き出しつつTRIGGERらしさも感じられる作品に仕上がった。TRIGGERは以前より、ここ10年間は原作付きの作品を取り扱うと明言しており、その1発目が『ダンジョン飯』というのはかなり気合いが入っているように思う。

ストーリー

僕は原作漫画を読んでいないけど、どうやらアニメオリジナルの要素をそれなりに取り入れているようだ。「ダンジョンの中で食事をする」というコメディ漫画だと思っていたけど、想像以上にシリアス展開だった。でもそれが逆に、食事の重要性を強調しているようにも思う。

演出

3DCGをほとんど使わず、手書きアニメだからこそできる演出にこだわりを感じた。たまにTRIGGETらしい演出も見受けられて楽しかった。画は全体として温かさがあって、それが料理をより美味しく見せてくれる。

キャラ

圧倒的に可愛いキャラやかっこいいキャラがいるわけではないが、絶妙な個性を持つキャラが揃っている。個人的に、マルシルは結構好き。

音楽

『ダンジョン飯』という有名IPにふさわしい有名アーティストが主題歌で起用されている。ちなみに、どの主題歌でも僕はサビよりAメロやイントロの方が好きだ。

また、魅力的な主題歌に対して、TRIGGERの映像も負けていない。RPG風の効果音と劇伴が印象的だけど、主題歌の使用上挿入歌がないのがちょっと懸念点だ。

『ダンジョン飯』の感想

※ネタバレ注意!

ついにTRIGGERが有名IPに手を出した

個人的に、2020年代後半はTRIGGERが注目を集めるようになるのではないかと予想している。というのも、TRIGGERの経営戦略により、2024年から10年間は原作付きのIPをアニメ化することが決まっているからだ。

TRIGGERは2013年に『キルラキル』を制作してデビュー。そこから10年間は、アニメオリジナル作品を中心に制作するとして、数多くの名作を生み出してきた。そうして自社でオリジナルIPを蓄積したあと、次の10年間は新人育成のために、原作付きのIPを取り扱う予定になっている。そしてその第1号が『ダンジョン飯』というわけだ。

個人的に『ダンジョン飯』は素晴らしいチョイスだと思うと同時に、予想以上に有名なコンテンツを取り扱おうとしていることに驚いた。1発目で期待の漫画IPである『ダンジョン飯』ということになると、有名ラノベ作品や、ジャンプ作品を取り扱う可能性も十分に出てくる。つまり、これまで有名なアニメしか見てこなかったようなファンに対してTRIGGER作品が刺さるようになる。

TRIGGERが追求する手描きアニメならではの映像表現は、セルルック3DCGのカウンターとして機能する。TRIGGGERのエースである今石洋介が人気IRを手がけることになったら、とんでもないことになると思う。

魔物を喰ってでも冒険する

『ダンジョン飯』に登場するダンジョンは、作中でも取り扱われているように、世界そのものであり、生き物でもある。マルシルの言うように、ダンジョンの仕組みは、やはり素晴らしい。ダンジョンの世界の中で、生命サイクルが完成されているからだ。それはまるで、我々が住む星・地球のようで、生命は循環によって成り立っていることを僕たち人間は改めて認識する必要があると思う。人類の大半が都市部に住むようになり、自然から距離が離れている分、アニメ作品からこのようなことを学べることには、大きな意義があると思う。

ただし、ダンジョンという性質をもう少し深掘りしていくと、ダンジョンは人々の「冒険心」をくすぐるものである。そんな中、ライオスたちは、戦士の力を借りて、魔物を喰ってでもダンジョンの奥底へ潜り続けることを選んだ。

なんかこれ、よくわかるのである。

例えば、仕事(もしくは夢)のために、アフリカに旅行するとしよう。アフリカの食文化は、日本の食文化と違う。でもだからといって、日本の食べ物を持ち込んでも、それでは身軽になれないから、アフリカの奥底まで冒険することはできない。冒険するためには、その場その場で食べ物を調達して食べる必要があるのだ。そして、調味料と熱源さえあれば、ある程度の料理は可能だ。『ダンジョン飯』のように、そこら辺の動物や植物をハントして、それを美味しく食べるのが、人間の本来の生活だったはずである。

その中で人類は旅をして、エジプト文明などに代表されるようなユートピアを見つけることに成功し、文明が大きく発展することになる。

人は何かを食べていかなければ生きていけないし、冒険をするのであれば、ときには残酷なものを口にしてでも生きながらえる必要があるのだ。

そう考えると、戦士のようにどこででも美味しく料理できる力は絶対に重宝されるし、そこに何か大きなヒントがあるように僕は思う。

そういう意味で『ダンジョン飯』は深く作られた作品だと思うし、それをピックアップし、しっかりアニメーションにしたTRIGGERは実に素晴らしい仕事をしたと思う。

さいごに

『ダンジョン飯』はTVアニメ2期の制作が決定している。もちろん、TRIGGER制作だ。

そしておそらく原作漫画のラストまで映像化されるっぽい。個人的には、TRIGGERによるアニメオリジナルを期待したい。

めちゃくちゃ楽しみだ!

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