【Engage Kiss感想】『リコリコ』の影に隠れてしまった名作

Engage Kiss

今回は『Engage Kiss(エンゲージキス)』について語っていく。

『Engage Kiss』は2022年夏クールに放送されたアニメオリジナル作品で、アニメ制作はA-1 Picturesが担当している。

目次

『Engage Kiss』の感想

ネタバレ注意!

『リコリコ』で埋もれてしまったけど……

『Engage Kiss』が放送された2022年夏クールといえば、『リコリコ』の話題が尽きなかった。

実は、以前に投稿した2022年夏アニメ期待値ランキングで、僕は『リコリコ』よりも『Engage Kiss』を推していた。実際、多くの人も『リコリコ』にはあまり注目してなかったと思う。だが、まさにダークホースという具合に、『リコリコ』が話題になっていき、それに伴って『Engage Kiss』が埋もれてしまった。

でも『Engage Kiss』は間違いないなく名作だ。アニメオリジナル作品として成功したと言っていいだろう。流石A-1 Picturesということで、全体的にクオリティが高かった。『Engage Kiss』は『リコリコ』で埋もれてしまったけど、十分すぎるぐらい面白い作品だった。

……それにしても、『リコリコ』と『Engage Kiss』のような高レベルの作品を同じクールで放送できるA-1 Picturesの体力が凄まじいな。

ストーリーよりもキャラ重視

『Engage Kiss』は、キャラを一度作り込んでから動かしていくスタイルでストーリーを作っていったのだと思う。例えば「主人公の緒方シュウだったらこんな感じに動く」という感じで物語が作られていく。物語の上にキャラを乗せるのではなく、キャラが動いた結果として物語が出来上がるのだ。だからこそ、ちょっと中途半端な結末になったのだと思う。

実際、シュウ自身も言っていたけど、完全なハッピーエンドではなかった。恋愛面でケリがついたわけじゃないし、妹の緒方カンナも完全に救い出せたわけではないからだ。悪魔や安全保障など、問題は山のように積み上がっている。

しかし、ストーリーとしては綺麗に進んだ。なぜなら、キャラが自分の考えを持って行動していたからだ。終盤でヒロインのキサラがシュウに記憶を全て返すシーンがあったけど、確かにキサラだったらやりかねない。

ラノベ系のコンテンツというのは、やはりキャラが命だ。だから「キャラが動いた結果としてストーリーが出来上がる」という感じでシナリオを制作するべきなのだと思う。

『Engage Kiss』の評価

作画80点
世界観・設定80点
ストーリー75点
演出70点
キャラ80点
音楽80点

作画

作画のクオリティは終始高かった。戦闘シーンも大迫力だし、日常シーンでのキャラの細かい動きも良い感じ。大満足だった。

世界観・設定

教養を感じさせる設定ではなかったけど、エンタメ作品として十分面白い世界観だった。悪魔とかお金周りとか国際情勢とか……、なんだかんだで個性的な世界観だったと思う。

ストーリー

キリのいい終わり方だったかと言われると微妙だけど、シナリオのクオリティは高かった。どんなにシリアスな戦闘シーンでも常にギャグが入っているので、安心して楽しめた。

演出

戦闘シーンの演出のクオリティがかなり高かったと思う。なんだかんだで地形をフル活用してる。それと女性キャラの可愛さが程よく強調されている。ドロドロ系ラブコメとして普通に面白かった。

キャラクター

ダブルヒロインのキサラとアヤノが可愛い。二人ともシュウに依存していて、ちょっと重い感じがあるのも逆に良かった。典型的なラノベって感じ。

音楽

OPの『誰彼スクランブル』とEDの『恋愛脳』がどちらも良曲。『誰彼スクランブル』に関しては作曲の田淵智也が良い仕事をしている。今後もhalca×田淵智也の楽曲が聞きたいな。

さいごに

『Engage Kiss』は『冴えカノ』の作者である丸戸史明がシリーズ構成・脚本を担当している。そして丸戸史明は、『Engage Kiss』制作以降は専業作家として活動するらしい。同人ゲーム、ライトノベル、アニメなど、様々なメディアで執筆経験のある実力派の作家なので、これからもぜひ活躍してほしいし、丸戸史明が担当したアニメは引き続き見ていこうと思う。

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