『五等分の花嫁*』感想:シャフト制作のときの輝きは失われた

五等分の花嫁*
星島てる
アニメ好きの20代。ライターで生活費を稼ぎながら、アニメ聖地の旅に出ている者です。アニメ作品の視聴数は600作品以上。

『五等分の花嫁*』を横浜の映画館で鑑賞した。平日16時ごろだったからか、観客は中学生や高校生ばかりだったのが印象的だった。

前作の『五等分の花嫁∽』は、想像以上に作画や演出がよかったのだが、はたして本作はどうだろうか……。

目次

『五等分の花嫁*』の評価

※ネタバレ注意!

作画60点
世界観・設定・企画50点
ストーリー45点
演出45点
キャラ75点
音楽75点
※個人的な評価です

作画

前作はシャフトが制作していたこともあり、作画のクオリティは高かったが、今回はバイブリーアニメーションスタジオに逆戻り。流石に作画のクオリティは落ちた。もちろん、映画館クオリティではない。TVアニメと同等のクオリティ。

決して悪い作画ではないのだが、『五等分の花嫁』というビッグタイトルにふさわしいクオリティではなかったと思う。でも、これでも売れるんだよなぁ……。

世界観・設定・企画

本作は、結婚式のあとの物語を描いた「後日談」である。二次創作でも多く用いられる形式だが、その割になんというかエモさがない。キャラクターが可愛い(というか恥ずかしい)からなんとかなっているけど、これだったら二次創作を読みたくなる。

ストーリー

先ほども述べた通り、二次創作の方が断然いい。結婚式のあとの新婚「旅行」なのだから、微エロシーンがあっていいはずである。流石に登場人物も23歳。ちょっとは攻めてみてもいいはず!

演出

演出のクオリティやセンスはだいぶ落ちた。前作がめちゃくちゃ良かっただけに、そのギャップが酷い。正直、本作をきっかけに「『五等分の花嫁』はもういいかな……」となってしまった。

キャラ

本作に関しては、キャラもちょっと微妙だった。というのも、原作の「みんなで乗り越える感」というか「五つ子の絆」みたいなものが薄い気がするし、流石に社会人にまで成長したら、それ相応の葛藤を描けるはずである。所詮はスピンオフの後日談なのかもしれないけど、もう少し濃密にできたのではないかなぁと思う。

音楽

TVアニメ1期からスタートして、流石に同じ曲調のOPが5連続と続くと、ちょっと飽きてくる。EDは王道だから悪くないけど、やはりマンネリ化は否めない。何かを変えたい。

『五等分の花嫁*』の感想

※ネタバレ注意!

「中の上」から「下の上」へ

『五等分の花嫁』は、今となってはもっとも人気のあるラブコメ漫画だと言っても過言ではない。あだち充作品や高橋留美子作品を除けば、まず間違いなくNo.1で、実際に累計発行部数も2000万部を突破している。

であれば、もう少し高いクオリティでアニメを作ってもいいのではないかと、僕はずっと思ってきた。これは、おそらくだが『週刊少年マガジン』の影響が大きいのではないだろうか。というのも、この少年漫画誌の作品は、いずれもアニメ作品のクオリティが低いのである。

だが、2023年に事件が起きた。『五等分の花嫁∽』のアニメ制作をシャフトが担当し、クオリティが激上がりしたのである。シャフトと言えば『物語シリーズ』や『まどマギ』を手掛けるアニメスタジオ。『五等分の花嫁∽』では、シャフトのエース監督である新房昭之は参加していないが、それでも素晴らしい仕上がりになった。

僕のブログでも、相当高く評価させていただいた。

だが今回、アニメ制作会社が再びバイブリーアニメーションに変更され、クオリティが激落ちすることになる。

特に今回ひどかったのはストーリーだ。個人的に、キャラクターの背景が全く活用されていないと感じる。

Wikipediaによれば、これまでずっとシリーズ構成を担当していた大知慶一郎が降りて、新しく監督を務めた神保昌登がシリーズ構成を兼任したらしい。もしかしたら、これが要因なのかもしれない。

もっと攻めてもいいのでは?

今回は完全オリジナルストーリーということで、五つ子との新婚旅行が描かれる。

だが、新婚旅行の割には、ただただいつも通りの日常が続いていく。これ、本当にファンが求めているエピソードなのだろうか。

僕は、『五等分の花嫁』にはもっと攻めて欲しいと思う。この程度の刺激弱めのストーリーでは、まだ二次創作を読んでいた方がいいと思ってしまう。

もう少しエッチなシーンがあってもいいし、仮に日常系をやるなら、それこそシャフトとかを使って映像で魅せる必要がある。

映画館やOVAなら、ある程度攻めた表現ができるはずで、流石に四葉と風太郎の間に子どもを作るのは勘弁だが、もっと「社会人」を使った表現があってもいいのではないだろうか。ほのぼのした同居生活を描いたり、宅飲みとかも良さそう。

さいごに

クオリティが「中の上」から「下の上」へ落ちたのは間違いなく、これでは視聴意欲がどんどん失せてしまう。

また『五等分の花嫁』は新作をやるのだろうか。これほどまで長続きさせるとは思ってもみなかったので、今後、どんな感じに展開されるかがわからない。

もしシャフト制作だったら間違いなく見るけど、次もバイブリーアニメーションだったらどうしようかな……。

あ、そういえば映画の予告で知ったけど、どうやら『五等分の花嫁』のカードゲームが出るらしいです。ちなみに僕はヴァイスシュバルツの方で、五月のSPを当てました。

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