『ぐらんぶる』感想:大学生の理想が詰まった最高のギャグアニメ

ぐらんぶる
星島てる
アニメ好きの20代。ライターで生活費を稼ぎながら、アニメ聖地の旅に出ている者です。アニメ作品の視聴数は600作品以上。

今回は『ぐらんぶる』の感想を述べていく。

『ぐらんぶる』は井上堅二原作・吉岡公威作画の漫画が原作で、2018年夏クールにTVアニメ1期が放送された。

そして原作10周年を迎えた2014年に、なんと6年越しのTVアニメ2期の制作が発表されたのである。だから僕もこのタイミングで『ぐらんぶる』を視聴しておくことにした。

なお、TVアニメ1期のアニメ制作はゼロジーが担当している。

目次

『ぐらんぶる』の評価

※ネタバレ注意!

作画70点
世界観・設定・企画90点
ストーリー90点
演出80点
キャラ88点
音楽70点
※個人的な評価です

作画

特別、作画で魅せるわけではないし、そんなことを『ぐらんぶる』で求められはしないが、キャラデザは安定しているし、原作漫画の雰囲気を残すことにも成功していると思う。

世界観・設定・企画

マジで最高な企画。「大学1年生から飲酒」という法違反については、登場人物の年齢をなぜか20歳にすることで対応。あとは気合いで全部やり切っている。最悪、放送局は無視して、クラファンでお金を集めて、ネット配信に対応することもできそう。

一方で、ダイビングの真面目展開やちょっとしたラブコメ展開もあって、バランスがとてもいい。あくまでもギャグ全振りだけど。

ストーリー

冒頭の掴みは最高だと思う。「全裸で飲酒」とか「水」とか「烏龍茶」とか強力なシーンが多すぎて、一気に惹きつけられる。あとは終始、勢いのあるギャグが続いていくので、あっという間に最終話まで駆け抜けてしまった。

演出

基本的には、アニメーション特有の演出を施しているわけではなく、あくまでも自然な流れを重視したカット割りになっている。映像で魅せなくても、ストーリーとギャグで勝手にウケるからだ。

一方で、メリハリあるギャグを生み出すために、色々と神経は使ったことが予想される。

キャラ

結局、キャラクターの個性が強い。イケボで強烈なギャグをぶち込んでくるから、余計笑えてくる。一方でヒロインのキャラデザも良好。ラブコメ展開も匂わせられるのがいい。千紗のツンデレとか相当可愛い。

音楽

OPは湘南乃風(!)の『Grand Blue』で『ぐらんぶる』にピッタリのノリノリの曲だった。EDは主要男性キャラ4人のユニット・伊豆乃風による『紺碧のアル・フィーネ』で、一応、水樹奈々の曲という扱いになっている。

『ぐらんぶる』の感想

※ネタバレ注意!

コンプラギリギリのギャグ

これまで色々とギャグアニメを見てきたけど、『ぐらんぶる』は間違いなくトップレベルにおもしろいギャグアニメだ。ギャグのジャンルは馬鹿系(または下ネタ?)。大学生の酒乱ぶりが堂々と描かれている。

僕も一応体育会系出身だったから、こういう馬鹿騒ぎには何度か出くわすが、流石に全裸飲みはやったことがないし、これが常態化してる『ぐらんぶる』の世界観はヤバい。笑

それに伊豆を舞台にして、ダイビングをテーマにしているのもいい。なんというか、海のパリピ感が漂う。

んで、ただ男共がパリピしてるだけでなく、ちゃんと可愛いキャラも何人かいる。それも、その内2人は相当に変態で、1人は極度のシスコンであり、もう1人は男の前で平気で下着姿になる。

この馬鹿な感じが最高におもしろく、オタクたちにも刺さってるということは、誰が見ても楽しい作品なのではないだろうか。流石に、深夜じゃないと放送できないと思うけど。

大学生の理想が詰まっている

一方で『ぐらんぶる』は、ちゃんと理想(というか欲望)が詰まっている作品に仕上がっている。『ぐらんぶる』には、大学生の理想が詰まっているからだ。「こんな大学生活送ってみたかったなぁ」と感じるオタクたちが大多数である。

たしかに『ぐらんぶる』の世界観は、毎日続くえげつない飲み会を除けば、理想的だと言える。毎日が楽しそうだし、可愛い女の子もいるし、ちゃんとバカやってるし、将来のことなんか何も考えていないだろう。

例えばラブコメは恋愛、魔法少女系アニメは庇護欲、主人公最強系は劣等感など、コンプレックスから生じる欲望が詰まっているわけだが、それと同じことは『ぐらんぶる』にもある。「理想のキャンパスライフ」だ。

多分、一定の大学生は、大学特有の遊びの雰囲気に馴染むことができず「1人で授業を受けて終わり」みたいな人もいたのではないだろうか。このような人にとって『ぐらんぶる』は最高の現実逃避装置になり得る。

実は僕も、仕事がちょっと大変な時期に『ぐらんぶる』を見たことで、現実逃避していた側面があった。だって『ぐらんぶる』の世界には、仕事のストレスなんてものは存在せず、ただ馬鹿騒ぎするだけなのだから。

さいごに

2024年9月、TVアニメ2期の制作が発表されたということで、まずはこれを楽しみにしたい。

一方で、原作者・井上堅二の別作品『バカとテストと召喚獣』も、これを機に見たいと思う。

あと、結構ガチで『ぐらんぶる』にハマりそうだから、原作漫画も読んでみようかなと思う。

この記事をシェア
目次