涼宮ハルヒの消失(劇場版ハルヒ)評価:感想→「最高傑作」は納得

今回は『涼宮ハルヒの消失(以下、劇場版ハルヒ)』について語っていく。『ハルヒ2期』が2009年に放送されたが、その次の年に『劇場版ハルヒ』が上映された。『ハルヒ2期』は賛否両論になっていたのだが、『劇場版ハルヒ』は史上最高傑作とも言われるほどの大絶賛のクオリティに仕上がっている。僕も視聴してみたけど、最高傑作と言われても過言じゃないなとは思った。アニメ好きであればこれは見ないと損だ。

https://terukun.blog/haruhi/
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『劇場版ハルヒ』の感想

感想①:『ハルヒ2期』はこのためにあった

『ハルヒ2期』が批判されていた理由はいくつかあるが、最も大きな理由は「エンドレスエイト」だろう。原作だと短編で書かれていたものだが、『ハルヒ2期』ではほぼ同じ内容を8話連続で放送したのだ。「わざわざ8話にする必要はないだろ」といった批判の書き込みがネット上で流れた。また、映画撮影をする「涼宮ハルヒの溜息」も苦手な人は苦手な内容だったと思う。2006年に放送された『ハルヒ1期』の圧倒的なサブカルの勢いを見てきた人にとっては、『ハルヒ2期』は残念な内容だったのかもしれない。

しかし、『劇場版ハルヒ』を見てからは『ハルヒ2期』の印象も変わる。なぜ「エンドレスエイト」をあんなに長ったらしく放送したのか。なぜ「涼宮ハルヒの溜息」を追加したのか。全ては『劇場版ハルヒ』のためだったのだ。
『劇場版ハルヒ』は、今まで感情を表現することがなかった長門有希が暴走して、自分に有利な世界に書き換えてしまうところから始まる。なぜ長門有希が暴走してしまったのか。それは「エンドレスエイト」や「涼宮ハルヒの溜息」によるストレスが原因だし、主人公・キョンに対する恋心のようなものもあったに違いない。となると、『劇場版ハルヒ』を最高傑作に仕上げるためには「エンドレスエイト」や「涼宮ハルヒの溜息」は必要なエピソードだった。長門有希が感じてしまった「退屈」のような感情を視聴者に疑似体験させたのだ。この疑似体験があると、より長門有希に感情移入できるようになる。だからやっぱり、「エンドレスエイト」はしっかり乗り越えるべきだ。

感想②:長門有希推しになる理由が分かる

ネット上で調べていると、みんな口揃えて「長門推し」と言う。「どう考えてもみくるだろ!」と僕は思っていたのだが、『劇場版ハルヒ』を見てから、なぜ皆が長門推しになるのかが分かった。

今までの長門はとにかく感情表現をしないクールな人間?だった。しかし『劇場版ハルヒ』では、感情が爆発しすぎてコミュ障になってしまうのだ。このギャップ萌えがたまらない。しかもこんな風に暴走してしまうことを事前に予知していたクールな長門のことを考えると、とても切なく感じてしまう。今まで長門の心情にスポットライトがほとんど当てられなかったのに、急に考えさせられる内容になったのだ。

そしてこれを実現できるのはやはり京アニしかなかった。表情を一切崩さない長門だが、ほんの僅かな表情の変化で印象を変えてくるのが京アニクオリティだ。特にラストシーンの長門の表情はとても感動した。

感想③:最高傑作と言われる理由

なぜ『劇場版ハルヒ』が最高傑作と言われるようになったのだろうか。そもそも原作の段階で『涼宮ハルヒの消失』は最高傑作だったらしい。これをさらに冴え渡らせるために、京アニは「エンドレスエイト」と「涼宮ハルヒの溜息」を追加した『ハルヒ2期』を制作。2009年に放送した後、すぐさまに2010年に『劇場版ハルヒ』を2時間42分というめちゃくちゃ長い尺で上映した。2時間42分も長々と上映していたら飽きてきそうだが、むしろ短く感じさせるクオリティに仕上げてきたのだから凄まじい。

アニメのクオリティはもちろんのこと、最高級のクオリティに仕上げるためのスケジュール調整、およびその実行力が最高傑作に繋がったのだ。

『劇場版ハルヒ』の評価

作画90点
世界観・設定95点
ストーリー100点
演出95点
キャラ90点
音楽90点

作画

『ハルヒ2期』と同じぐらいのクオリティ。映画だから特別作画が良いわけでもない。だけれどもキャラの心情描写は流石京アニって感じだった。

世界観・設定

『ハルヒシリーズ』のエピソードの中でもトップクラスで素晴らしい世界観だった。ザ・セカイ系って感じ。

ストーリー

尺をたくさん使えたこともあって、原作に忠実なストーリー展開だったのだと思う。2時間40分もあったのにあっという間だった。

演出

『劇場版ハルヒ』は演出が冴え渡っていた。特にキョンが包丁で刺されるシーンやラストシーンの演出は、地味なのだけれどもセンス溢れるものだった。

キャラ

ひたすら長門のターンだった。とにかく長門の株が上がりまくるエピソードだ。僕もミクルちゃんやハルヒが好きだったけれども、みんな好きになってしまった。朝倉涼子はやっぱり怖い。

音楽

『劇場版ハルヒ』の主題歌『優しい忘却』は考えさせられる歌詞だった。しかも茅原実里がアカペラで歌うので余計に歌詞が強調される。これをリアルタイムで映画館で聞けた人、幸せだな。

さいごに

2010年に『劇場版ハルヒ』が上映されてからは続編が制作されていない。だが、『ハルヒシリーズ』は完結しておらず、原作は今でも執筆されているようだ。『ハルヒ』の世界観に浸りたいのであれば、ぜひ読んでみてほしい。

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