涼宮ハルヒの憂鬱(TVアニメ2期)評価:感想→セカイ系の社会現象アニメ

今回は2009年に放送された『涼宮ハルヒの憂鬱(以下、ハルヒ2期)』について語っていく。
『ハルヒシリーズ』の原作は角川スニーカー文庫で刊行されているライトノベルだ。TVアニメの人気もあり発行部数は2,000万部を超えている。
アニメ制作会社は『京都アニメーション』だ。放送当時は現在ほど注目されてはいなかったが、『ハルヒ』をキッカケに京アニブランドが徐々に確立されていくようになる。

目次

『ハルヒ』の感想

感想①:1期の順番で見るのもアリだったかも

僕は『ハルヒ』をTVアニメ2期の放送順で視聴した。TVアニメ2期は2009年に放送されたものだが、内容はTVアニメ1期の再放送+追加エピソードといった感じだ。

TVアニメ1期では時系列順をめちゃくちゃにして放送されていたことが話題になった。どこかのWeb記事で、制作スタッフの方々が「原作ファンにも楽しんでいただけるように工夫した」と見かけたこともある。原作通りに時系列順ではなく、一味違った雰囲気で楽しめるようにしたのだろう。
一方でTVアニメ2期では原作の順番通りに放送されている。僕はTVアニメ2期の順番で視聴したのだがTVアニメ1期の放送順をググってみると、これがめちゃくちゃ面白そうだったのだ。

TVアニメ1期の放送順
  1. 第1話(11)「朝比奈ミクルの冒険 Episode00」
  2. 第2話(1)「涼宮ハルヒの憂鬱 I 」
  3. 第3話(2)「涼宮ハルヒの憂鬱 II」
  4. 第4話(7)「涼宮ハルヒの退屈」
  5. 第5話(3)「涼宮ハルヒの憂鬱 III」
  6. 第6話(9)「孤島症候群(前編)」
  7. 第7話(8)「ミステリックサイン」
  8. 第8話(10)「孤島症候群(後編)」
  9. 第9話(14)「サムデイ イン ザ レイン」
  10. 第10話(4)「涼宮ハルヒの憂鬱 IV」
  11. 第11話(13)「射手座の日」
  12. 第12話(12)「ライブアライブ」
  13. 第13話(5)「涼宮ハルヒの憂鬱 V」
  14. 第14話(6)「涼宮ハルヒの憂鬱 VI」

注目すべきポイントは『涼宮ハルヒの憂鬱』を分割していたことだろう。僕は『ハルヒ』を比較的早めのペースで視聴することができたのだが、『涼宮ハルヒの憂鬱』はセカイ系全開で内容が難しかったこともありペースが遅めだった。TVアニメ1期では『涼宮ハルヒの憂鬱』を分割することによって退屈さを軽減させているのではないかと僕は考えている。『朝比奈ミクルの冒険 Episode00』を初回に持ってくるのはネタとしか思えないが、視聴者を作品に引き込むのには最適な選択だったともいえる。

そしてなんといっても『涼宮ハルヒの憂鬱』のラストシーンで、キョンがハルヒにキスするシーンはとても印象に残っている。TVアニメ2期では原作通りの順番だけれども、TVアニメ1期では最終回に持ってきているのがめちゃくちゃ良い。なんだかんだで『ハルヒ』も萌え系なんだなぁと思う。

感想②:飽きさせない日常シーンがGOOD

『ハルヒ』を視聴する上で厄介なのは、やはり『エンドレスエイト』だろう。『エンドレスエイト』とは原作中の短編の一つで、夏休みのラスト2週間を15498回ループするというものだ。このループ体験を視聴者に少しでも疑似体験させるために、TVアニメ2期ではほぼ同じ内容を8回放送するという暴挙に出た。これを乗り越えることでやっと『ハルヒ』ファンになることができる。ちなみに僕はちゃんと一気観している。

全8話のうち1話目は初見なので十分楽しく視聴できる。2話目は登場人物たちがループ現象に初めて気づくシーンだったのでこれも十分楽しく視聴できる。8話目はループ現象がやっと解決するシーンなのでこれもまた十分楽しく視聴できる。
だが、3話目から7話目はほとんど同じ内容がループされる。ただこれは『劇場版ハルヒ』の伏線にもなっているので、スキップすることが決して許されないのが辛いところだ。しかしここは流石の京アニで、視聴者を飽きさせないように様々な工夫がされている。ストーリーの内容が同じとはいえ、登場人物の服装や作画の構成に変化があるのだ。それに加えキョン役を担当している杉田智和のアドリブや、同じセリフの中でも口調を変化させる声優の方々の工夫のおかげで飽きずに視聴することが出来る。
『エンドレスエイト』でこれだけ面白いのだから、他のエピソードでも面白くないわけがないのだ。日常シーンは退屈になりがちなのだが、『ハルヒ』は常に刺激強めで楽しむことが出来る。

『ハルヒ2期』の評価

作画85点
世界観・設定95点
ストーリー90点
演出90点
キャラ90点
音楽95点

作画

相対的に2006年でこのクオリティはすごいと思うけど、2009年だとなんとも言えない気がする。もちろん作画のレベルはめちゃくちゃ高いけど、『とらドラ!』・『とあるシリーズ』・『化物語』も負けてないと思う。

世界観・設定

セカイ系の作品は総じて世界観・設定が巧みだ。『ハルヒ』も例外ではない。涼宮ハルヒの思い通りにセカイが動き、その影でキョン達が奮闘するというラノベらしい展開となっている。

ストーリー

全体的にストーリーは良かった。とはいったもののまだまだ完結に向かっていない印象があるので原作の動向が気になるところだ。

演出

おそらく『ハルヒ』が放送されている当時の京アニは、感動的な演出が評価されていたことだろう。だが『ハルヒ』によって日常シーンや青春シーンの演出が光った。これは後の『けいおん!』に繋がるところもあると思う。

キャラ

なんだかんだで登場する女の子キャラ全員が可愛かった。僕はみくるちゃん推しなのだけれども、段々と長門推しにもなってきている。

音楽

『ハルヒ』といえばEDの『ハレ晴レユカイ』と挿入歌の『God knows…』だが、OPの『冒険でしょ?でしょ?』や挿入歌の『Lost my mujic』のクオリティも非常に高い。

さいごに

僕は2020年にアニメ好きになり2021年に『ハルヒ』を初めて見たわけだけれども、めちゃくちゃ楽しむことができた。現代でも『ハルヒ』の個性的な演出は楽しめるし、振り返ってみると現代アニメの多くが『ハルヒ』の影響を受けていることがよく分かる。流石社会現象アニメといった感じだ。

TVアニメ2期の追加エピソードである『エンドレスエイト』と『涼宮ハルヒの溜息』は批判的な意見も目立つのだが、これは間違いなく『劇場版ハルヒ』への布石だ。『劇場版ハルヒ』はアニメ史上最高傑作のクオリティと言われるが、あながち間違っていないかもしれない。『エンドレスエイト』を乗り越えたあなたなら絶対に『劇場版ハルヒ』を見ないといけないし、『劇場版ハルヒ』を最大限楽しむためにも『涼宮ハルヒの溜息』をしっかり堪能しておくべきだろう。

https://terukun.blog/haruhi-movie/ https://terukun.blog/haruhi-seichi/
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