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平家物語(TVアニメ)評価:感想→史実を元にSF要素を散りばめる

平家物語

今回は『平家物語』のTVアニメについて語っていく。『平家物語』は、日本人なら誰でも知っている軍記の『平家物語』が原作となっており、これがサイエンスSARUによってアニメ化された。また、豪華クリエイター陣が集結していることが話題になっており、監督は京アニ作品を手掛けてきた山田尚子が担当する。

『平家物語』の感想

ネタバレしているので、未視聴の人は気をつけてください!

感想①:演出が良すぎてどんどん引き込まれる

日本人の誰もが『平家物語』というワードを聞いたことがあるはずだ。そして『平家物語』に登場する平清盛や源頼朝・義経も、義務教育で必ず暗記させられる。しかし『平家物語』は歴史的な文献なので、ライトに楽しめるコンテンツではない。

だが、山田尚子監督は『平家物語』を見事に現代アニメ化させた。特に演出が最高だ。どこか京アニらしさを感じさせる柔らかい動き。そして様々なジャンルの音楽を巧みに組み合わせる。『平家物語』なのにロックが流れるのだ。しかもロックの使い方が絶妙で、「将軍が何かを企む時の雰囲気」を感じることができる。

そして当然、アニメとして表現されているので、内容が非常に分かりやすい。『平家物語』の大まかな流れや、何を描いているのかがある程度分かる。今後は『平家物語』だけでなく、『古事記』や『枕草子』なんかがアニメになるかもしれない。

感想②:シェイクスピアのような作品

『平家物語』には、びわ(CV.悠木碧)というキャラが登場する。びわは未来を見ることができ、『平家物語』の語り部の役割がある。当然だが、実際の『平家物語』に語り部的なキャラは存在しないし、未来を見ることができる女の子も登場しない。『平家物語』は、実際の史実に則った上でファンタジー要素を組み合わせることで、新たなクリエイティブを生み出しているのだ。

これはシェイクスピアと全く同じだといえる。シェイクスピアの代表作『マクベス』も、実際の史実をベースに魔女を登場させ、センスの良いセリフを組み合わせることで、歴史を上質なエンターテインメントへと昇華させた。そしてシェイクスピアの作品は、世界中の人々にとっての教養として親しまれることになる。

『平家物語』は一見すると、異質な雰囲気を醸し出す作品に見える。しかし、シェイクスピアの作風を知っていれば、『平家物語』のようなアニメの登場は必然だったといえるだろう。

『平家物語』の評価

作画80点
世界観・設定85点
ストーリー80点
演出85点
キャラ80点
音楽80点

作画

『平家物語』の舞台となっている平安時代末期らしさを残しつつ、誰でも見やすい作画となっている。

世界観・設定

『平家物語』にファンタジー要素を取り入れることで、現代アニメにリメイクしている。これがなんとも秀逸だった。シェイクスピアみたいな感じ。

ストーリー

史実に則ったストーリーを元に独自の要素(特殊能力)を入れることで次が気になる展開になった。とても見やすかった。

演出

常に柔らかい動きとなっていて、平家の幸せな生活が演出されていた。また、「登場人物が何かを企むシーン」でロックなBGMが流れる演出もセンスが良い

キャラ

有名な声優を起用することで、愛着のあるキャラとなった。僕は知名度優先で声優を起用するのをあまりよく思わない。だが、『平家物語』のような硬い雰囲気の作品なら全然アリだ。

音楽

OP・EDが良い。どちらも『平家物語』らしくはないのに、なぜかマッチしてるという…。本当の意味で、『平家物語』が現代アニメに仕上がっている。

さいごに

ここ最近、山田尚子が監督でアニメを作ることがなかったので、久しぶりの監督作品となった『平家物語』を楽しみにしていた人も多かっただろう。「京アニから離れたの?」というコメントも見かけるようになった。だが、放火事件によって京アニのリソースが大幅に削られたことで、京アニから一旦離れて活動しているだけのように僕は思う。京アニのリソースが復活したら、山田尚子は京アニに戻るのではないだろうか。

そして『平家物語』を制作したサイエンスSARUが、『平家物語』から200年後を描く『犬王』という映画を5月に上映する予定だ。監督は湯浅政明が担当するということで、期待しかない。こちらもしっかり視聴しようと思う。

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