けいおん!(TVアニメ1期)評価:感想→ 音楽のクオリティが高すぎるアニメ

今回は2009年春クールに放送された『けいおん!(以下、けいおん1期)』について語っていく。
『けいおん』の原作はまんがタイムきららで掲載されている。いわゆるきらら系である。アニメ制作会社は『京都アニメーション』だ。当時の京アニは『ハルヒ』、『らきすた』とヒット作を連発し勢いに乗りまくっていた。期待によるプレッシャーもあっただろうが、それを余裕で上回るクオリティとなった。

目次

『けいおん1期』の感想

感想①:1クールに2年間の詰め込み

『けいおん』はTVアニメ1期で1クール、TVアニメ2期で2クールという構成となっている。これを見て僕は「TVアニメ1期で1年生編をやって、TVアニメ2期で2・3年生編をやってフィニッシュかな」とか「TVアニメ2期からあずにゃんが登場するのかな」とか思っていたがそうではなかった。1クールに2年間を詰め込んできたのだ。だから7話ぐらいであずにゃんも登場するし、あっという間に3年生になってしまっていたのだ。

通常、日常系アニメは作中の1年間を1クールで構成する。そうした方が続編を制作するときにストーリーを構成しやすかったり、四季の変化を織り交ぜやすいからだ。だが『けいおん1期』は1クールに2年間を詰め込み、続編の『けいおん2期』では2クールで1年間を存分に表現している。それも制作ペースを見るに、『けいおん2期』を前提に『けいおん1期』が制作されているように見える。

この構成のやり方は成功だと思う。高校生活では修学旅行編や進路、卒業式を盛り込める3年生をメインにするべきだからだ。僕は本記事の執筆段階でまだ『けいおん2期』を視聴していないのだが、卒業式のシーンで泣ける自信がある。それぐらい続きが気になる構成になっていた。案の定泣きました。

感想②:挿入歌のセンスが良すぎる

『けいおん』は登場人物たちによって誕生した数々の名曲がある。『けいおん1期』の場合、OPの『Cagayake!GIRLS』とEDの『Don’t say “lazy”』が注目されがちだが、僕は挿入歌の『ふわふわ時間』と『わたしの恋はホッチキス』が好きだ。

『ふわふわ時間』はBメロとサビが素晴らしいと思う。『ふわふわ時間』は主人公・平沢唯がメインの曲なのだがBメロに入るとベースの秋山澪との掛け合いになり、サビでクライマックスになる。サビに関しては平沢唯の声がゆるふわボイスでとても可愛らしい。それに歌詞やメロディーも一見すると可愛らしいのだが、どこか切なさもある。これを軽音楽で表現したクリエイター陣は本当に素晴らしいと思う。桜高軽音部初めての曲がこれって…レベル高すぎだろ。

それから個人的には『わたしの恋はホッチキス』も気に入っている。これはイントロのギターがとても良い。作中であずにゃんがこの曲に一目惚れしたのも分かる。こんな風にギターを演奏してたらそりゃ惚れるわ。CD音源だと1番を平沢唯、2番を秋山澪が担当しているのだが、僕は断然平沢唯verの方が好みだ。平沢唯の可愛らしい声質がこの歌詞とメロディーには一番ふさわしいと思う。

感想③:思っていたよりも日常強めだった

僕は日常系アニメがすごく好きだ。『けいおん』も日常系アニメに分類されているから絶対ハマれる自信があった。ただ、軽音楽ブームを起こすぐらいだから「それなりに軽音楽がメインなのかな」と思っていたがガッツリ日常強めでびっくりした。ただただティーブレイクしながらまったり過ごすだけの物語だった。シリアスパートもほとんどない。それでも各メンバーの音楽センスが凄すぎて名曲が誕生しまくっているので、それが軽音楽ブームに繋がったのだろう。

とはいえ、京アニが制作しているのでライブシーンも抜かりはない。このようなライブシーンは3DCGを用いることが多いのだが、『けいおん1期』は手書きで表現されていて、京アニらしさが存分に表現されている。

『けいおん1期』の評価

作画85点
世界観・設定85点
ストーリー90点
演出85点
キャラ95点
音楽100点

作画

相対的にレベルは高い。ここまで柔らかい動きは京アニにしかできないと思う。ちなみに僕はdアニメストアで視聴したのだが4:3サイズになっていたの違和感だった。2009年制作だったらギリギリ16:9サイズじゃないの?

世界観・設定

特定のジャンルに特化した日常系アニメは今となっては定番化しているが、それは間違いなく『けいおん』の影響だ。

ストーリー

日常系アニメだけれども飽きさせないストーリー構成は流石『京アニ』だ。アニメオリジナルエピソードもかなり多めに挿入されているだろう。

演出

今のところ目立った演出はなかった。ただただ音楽のレベルが高すぎて鳥肌が立ったのは間違いないが、これは演出のテクニックによるものなのかと言われると微妙なところだ。

キャラ

基本的に全員可愛い。髪色も奇抜ではないのに、これだけ魅力的なキャラを作れるのはすごい。

音楽

文句なしの満点。流れてくる全ての曲のクオリティが高すぎる。歌詞や声質がアニソンチックとはいえ、メロディーは中々の本格派だ。

さいごに

『けいおん1期』はあくまでもお膳立てで、本番は3年生編の『けいおん2期』なのだろう。(案の定そうでした)。とはいえ音楽のクオリティに関しては『けいおん1期』も負けてはいない。この1クールだけでも十分素晴らしい作品だ。

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