映画興行収入ランキングで歴代1位となった『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』。
今回は客観的評価抜きで『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』について語ります。
まずはあらすじをサラッと紹介します。
あらすじ
蝶屋敷での修行を終えた炭治郎たちは、次なる任務の地、《無限列車》に到着する。そこでは、短期間のうちに四十人以上もの人が行方不明になっているという。禰豆子を連れた炭治郎と善逸、伊之助の一行は、鬼殺隊最強の剣士である《柱》のひとり、炎柱の煉獄杏寿郎と合流し、闇を往く《無限列車》の中で、鬼と立ち向かうのだった。
劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 公式サイトから引用
こんな感じです。
『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』の感想
僕が『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』で感じたことは以下の3点。
- 映画だからこそ作画がより素晴らしく見えた
- 原作を確実に超えている
- 終盤の畳み掛けが凄い分、序盤が…
それでは詳しく紹介していきますががっつりネタバレしちゃうので、まだ見ていない人はご注意を!
感想①:映画だと作画がより映える
『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』はTVアニメ『鬼滅の刃』に引き続き、アニメ制作のクオリティに定評のあるufotableが制作。
アニメと違ってスケジュール管理がしやすくて、上映時間も比較的自由な映画制作は、全体的にクオリティが高くなることがほとんどです。『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』もTVアニメよりクオリティは向上していました。
そして映画館で見る映像は、何もかもがTV画面よりも上。僕はIMAXを利用していたので、映像も音響も大迫力でした。
特に作画が凄かったですね。超高画質で見ているので、エフェクトがとても鮮やか。。。
感想②:原作は確実に超えてます
僕はアニメで泣くことがしょっちゅうあるんですけど、『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』でもホロリと涙がこぼれました。どこで泣いたっけな。
確か一番泣けたのは、猗窩座が太陽から逃げているときに炭治郎が「逃げるな!!」って言ったところらへんですね。「竈門角治郎の歌」が盛り上がってきたところの勢いで泣いてしまいました。僕の友達は、煉獄杏寿郎の最後のシーンや伊之助の悲痛な叫びで一番泣くことが多かったかな。
さて、何が凄かったというと原作を既に読んでいてストーリーもある程度知っていたのにも関わらず、感動してしまったことです。もちろん原作を読んでいた時は泣いてません。
単純に考えて、原作の漫画を超えてますよね。映画の方が泣けるんだもん。
僕が考える良いアニメの基準は原作を超えているかどうか。実のところ、アニメの方が情報量が多いはずなので、原作を超えるはずなんですよね。それでもアニメは、中々原作を超えることができません。
そんな中、原作を超えるクオリティで提供してきた『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』は良いアニメだったと言わざるを得ないのです。
感想③:終盤は良かったけど、序盤・中盤が…
見終わった後は余韻に浸って「完璧だったな〜」と思っていましたが、冷静に考えると中盤寝ちゃってたんですよね。笑
寝ちゃうのは僕が悪いんですけど、一方で中盤がつまらなかったというのも事実。
TVアニメと違って映画は上映時間が数倍ほど違うので、最初から最後までエキサイティングな内容にしていく必要があります。例えば『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』と同時期に公開された『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は、序盤から終盤まで心揺さぶる内容でした。
僕が寝てしまったシーンは炭治郎が夢の中でもがいているところらへん。ストーリーの内容としては演出次第では涙を誘うこともできるパートのはず。しかし、終盤の畳み掛けの展開があるためバランスを取って中盤の演出を控えめにしたのかもしれません。
少し話がズレますが、深夜アニメ界において圧倒的に人気がある京都アニメーションは控えめな演出が上手。京アニだったらバランスを取るために、原作のストーリーをいじる高等テクニックをやりそうです。それか控えめな演出を究極的に磨いて涙を誘うとか。
実は比べられがちなufotableと京アニ。どちらもそれぞれの強みがありますが、僕が寝ていたシーンを京アニが制作したらどんな感じになったかな。そこはちょっと気になります。
『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』の評価
ここでは『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』を6つの観点からそれぞれ100点満点の、個人的目線で評価していきます。
作画 | 90点 |
世界観・設定 | 85点 |
ストーリー | 70点 |
演出 | 85点 |
キャラ | 93点 |
音楽 | 90点 |
作画はめちゃくちゃ良かったです。ただ背景も気合入れて欲しかった。もちろん『無限列車編』の設定的に背景に力を入れる必要はないし、キャラデザが特殊だから難しいのもなんとなくわかります。けれども「映画館」で大スクリーンで映す以上、背景のクオリティが作品の雰囲気向上に大きく繋がります。ということで100点満点から10点減点の90点です。それでも十分すぎるほど高得点ですが。
世界観・設定については完全に個人的な意見ですけど、無限列車編の設定が好きだったのでちょっと点数を増やしています。電車の中が舞台だとなんかワクワクしますよね。観客をうまく利用したバチバチの頭脳戦とかやってくれてたら最高でした。
ストーリーはやっぱり序盤・中盤の展開はどうにかできたのではないかなぁ。超ビッグコンテンツになってしまったので、チャレンジできなかったのでしょう。僕は中盤で本気に泣かせにいっても良かったと思います。
演出も上記の通り。中盤からターボかけても良かったと思います。それにしても終盤の勢いは凄かったです。目が離せませんでした。
キャラは素晴らしいです。主人公が煉獄さんに代っちゃってますからね。それに猗窩座の心理描写もよくできています。炭治郎、善逸、伊之助の悔しさもめちゃくちゃ伝わってきました。個人的には魘夢(えんむ)のキャラが大好きです。ということでキャラは完璧。禰豆子がめちゃくちゃ活躍してくれたら100点付けてましたけど、流石にそれは無理ですね。
音楽はLiSAの『炎』が大ブレーク。でも「めちゃくちゃ良い曲だ!」とまでは思えなかったです。難しいですね。『一番の宝物』や『シルシ』ぐらいムードを沈めてくれたら良かったかも。んー、やっぱ難しいか。
さいごに
『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』は素晴らしい映画だったと思います。一方でこのクオリティで興行収入を塗り替えることができるのか、とも感じました。コロナ禍の自粛期間などの様々な要因によって大ヒットに繋がったのだとは思いますが、他の深夜アニメもチャンスが十分ありそうです。
しかも、まだまだ『鬼滅の刃』は終わりません!これからもっと熱い展開が待っています。最終章の無限城編とかどうなっちゃうんだろ。楽しみに待ちましょう。