鬼滅の刃 遊郭編 評価:感想→社会システムが化け物を誕生させる

遊郭編

今回は『鬼滅の刃 遊郭編』について語っていく。『竈門炭治郎 立志編』が2019年4月から9月まで放送。その後、『無限列車編』が2020年に劇場化される。そして『無限列車編』を再編集したTVアニメ版が2021年10月から放送。それに続く形で『遊郭編』が放送された。アニメ制作会社はufotableが担当している。

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目次

『鬼滅の刃 遊郭編』の感想

ネタバレしているので、未視聴の人は気をつけてください!

感想①:3DCGと背景が異次元

『鬼滅の刃 遊郭編』は、今までの『鬼滅の刃』作品と比べても3DCGと背景に力が入っているように感じる。
特に終盤で遊郭が崩壊した後のシーン、爆発の影響であちらこちら炎が燃えたぎる様子が映し出される。その炎がめちゃくちゃリアルに表現されていたのだ。これは3DCGでゼロから制作されたのか、それともリアルな炎をアニメに落とし込んだのか、どちらか分からないぐらいリアルだった。

こういったことをされると、嫌でも作品の中に没入させられてしまう。正直、『鬼滅の刃 遊郭編』のストーリーはエモーショナルとはいえない。だが、アニメの表現によって自然と作品に没入してしまうので、半強制的にエモーショナルにさせられてしまう。これがufotableの最大の強みだといえる。

感想②:幼少期って本当に大事

人間の心というのは幼少期の環境で大体決まってくる。そして『鬼滅の刃 遊郭編』で登場する堕姫(CV.沢城みゆき)と妓夫太郎(CV.逢坂良太)は、幼少期の劣悪な環境によって生み出された化け物だといえる。堕姫と妓夫太郎が犯した罪は、死んでも拭い切れるものではない。だが、だからといって堕姫と妓夫太郎が100%悪いとは断言できないのも事実だ。

結局、子供には社会を変える力などないし、とても非力な存在だ。だから大人や社会の言う通りにしか行動できない。そう考えると、堕姫と妓夫太郎のような化け物を生んでしまった原因は、遊郭の劣悪な社会システムにあったといえる。そんな堕姫と妓夫太郎が遊郭をめちゃくちゃにしたのは、もはや皮肉にしか見えない。

ここから学ぶべきことは非常に多い。僕達の社会の問題の一つにもなっている”イジメ”も、閉鎖的なコミュニティを強制させる教育システムに問題があるはずだ。『鬼滅の刃』という作品は、子供だけでなく大人たち、特に40代の方々も見る作品なのだそう。そういった大人の方々が『鬼滅の刃』を見て何を感じたのか、個人的にとても興味がある次第だ。

『鬼滅の刃 遊郭編』の評価

作画97点
世界観・設定90点
ストーリー90点
演出90点
キャラ87点
音楽70点

作画

3DCG・背景と作画のクオリティが高い上に、そのコンビネーションも良かった。自然と作品の中に没入させられる、現代アニメのお手本のような作画だ。

世界観・設定

遊郭の煌びやかな雰囲気を強く演出した方が良かった気がする。妙にリアルだったので、インパクトに欠けていた。まあそれはそれで、設定が作り込まれていたということだろう。

ストーリー

原作漫画だと平坦なストーリーだったのに、アニメで途端にメリハリがついた。特にラストの妓夫太郎(CV.逢坂良太)の回想シーンは考えさせられる内容だった。

演出

演出が素晴らしいので、ストーリーにメリハリがついた。全11話だとは思えないぐらい、サクサクストーリーが続いたように感じた。

キャラ

今回の敵役である堕姫と妓夫太郎は良いキャラをしていた。敵のバッググラウンドもしっかり深掘りされているのが『鬼滅の刃』の特徴でもある。『鬼滅の刃 遊郭編』では「幼少期の劣悪な環境が鬼を生み出す」という意味で、教育環境の重要性を考えさせられた。

音楽

OPの『残響散歌』の華やかなイントロが印象的だった。だが逆にいうとそれ以外は特に印象に残っていない。

さいごに

『鬼滅の刃 遊郭編』のラストで『刀鍛冶の里編』の制作が発表された。まあこれは誰もが予想していたことだと思う。『刀鍛冶の里編』も高クオリティで制作されるのは間違いないので、それを見るためだけに視聴しておく価値は十分にある。絶対見よう。

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