【こよみヴァンプ感想】2024年最初のアニメ映画が刺激的すぎた

こよみヴァンプ

今回は『傷物語 -こよみヴァンプ-(以下、こよみヴァンプ))』について語っていく。

『物語シリーズ』は西尾維新による小説が原作で『傷物語』は2016年から2017年にかけて3部作で劇場アニメ化している。そしてこの3部作を総集編としてまとめたのが今回の『こよみヴァンプ』だ。

アニメ制作はシャフトが担当している。

目次

『こよみヴァンプ』の評価

※ネタバレ注意!

作画93点
世界観・設定90点
ストーリー90点
演出90点
キャラ89点
音楽85点
※個人的な評価です

作画

初めて『傷物語』を視聴したとき「映画館で見たい!」と思っていて、それが遂に叶った。やはり映画館で見る『傷物語』は最高だった。アーティスティックな表現だけ見れば、シャフトの最高傑作に挙げられるだろう。

世界観・設定

あらためて『傷物語』を見ると、もう序盤の段階で、ありえないところに日本の国旗が掲げられているのがわかる。首都高とか国立競技場とか、いずれも高度経済成長期を象徴する背景が用いられている。中々強烈だ。

ストーリー

総集編と言っても尺は2時間を余裕に超えているので『傷物語』を見たことがない人でも、普通に楽しめる内容になっている。というかそもそも『傷物語』は時系列の一番最初ということもあって、『物語シリーズ』を見ていない人でも楽しめる。メッセージ性が強烈なので、アニメファンだけでなく映画ファンでも楽しめるかもしれない。

唯一、僕の心残りは羽川翼のどエロいシーンが丸々カットされていたことで「あれを映画館で見たかったんだけどなぁ」という感じである。笑

演出

新規カットが加えられていたわけではないので、特別、演出がどうこうということはない。でもやっぱり『傷物』の演出は見ていておもしろい。印象的なカットも多いし、視聴者が飽きない大胆な演出が連続で出てくる。

キャラ

主な登場人物はキスショット、阿良々木暦、羽川翼、忍野メメぐらいで、そう考えるとかなり少ない。でもキスショット、阿良々木暦、羽川翼の3人は『傷物語』のテーマ性に抜群な人選だと、あらためて感じる。

音楽

個人的に、映画館の音響はもっとガンガン音圧を強くしてよかったんじゃないかなと思うけど、一方で、バランスが良かったとも言える。

『こよみヴァンプ』の感想

※ネタバレ注意!

『こよみヴァンプ』の画作り

こうして改めて『傷物語』を見ると、阿良々木暦や羽川翼の心情描写に没頭できるし、ストーリーへの理解度も深まったような気がする。

それで今回は総集編の『こよみヴァンプ』を映画館で鑑賞したわけだけれど、やっぱり映画館に最適化された画作りをしているように思う。まず大前提として画角がシネマスコープなので、スクリーンいっぱいに映像が広がる。それに加えて背景では、かなり実写的な3DCGを活用しているため、やはり実写的なカメラワークが可能になっているように思う。”アニメーションではないけど実写映画でもない何か”を見ているような、新感覚な気分になるのだ。もちろんTVアニメ版のテイストも好きなんだけど、スクリーンで見るならやっぱり『こよみヴァンプ』になってくる。

『傷物語』の”日本人に対する強烈な皮肉”というメッセージを踏まえた上で、あらためて『こよみヴァンプ』を視聴すると、たしかに”昭和の日本”を感じさせられる場所が舞台になっているように思える。それでいて中々派手な演出や音楽が用いられるものだから、なおから頭がグルグルしてくる。これもある意味で新感覚だった。

あらためて映画館で視聴して良かったと思う。

さいごに

そろそろ『物語シリーズ』の続編アニメが決定してもいいんじゃないかと、勝手に考えているのだけれど、実際、そろそろ来て欲しいところではある。それと同時に、原作小説も読みたいなぁとも思っていて、アニメ化が決まる前に、全作品を読んでおくのも悪くなさそうだ。

2024年一発目の映画が「こよみヴァンプ」だから、今年は西尾維新作品に多く触れる年にしようと思う。

この記事をシェア
目次