今回は『らき☆すた』について語っていく。
『らき☆すた』は2004年から連載されている4コマ漫画が原作だ。これが2007年春クールから2クールにかけて放送された。
アニメ制作は京都アニメーションが担当している。
『らき☆すた』の感想
ネタバレ注意!
パンドラの箱を開けてしまった作品
『らき☆すた』は、パンドラの箱を開けてしまった作品だといえる。日常系という新たなジャンルを確立させてしまったからだ。
これまでのアニメというのは、ほとんどの場合ファンタジー要素があり、ファンタジー要素のない作品でも、ラブコメだったりスポーツものだったりしていた。
しかし『らき☆すた』は、オタクなJKたちの日常を描くだけのストーリーだ。それなのになぜか面白い。
僕が思うに、何も起こらない平和な日常というのは、捉え方次第では非日常なのではないかと思う。なぜなら、人は誰でも悩む生き物だからだ。学生だったら将来を心配するだろうし、社会人だったら仕事のことで悩んだりすると思う。何よりも、恋の悩みは尽きないものだろう。人は常に悩む。そういう生き物だ。
しかし『らき☆すた』に登場する人々は、ほぼ悩まない。学生だから仕事やお金の心配をすることはないし、将来も「どうでもいいや〜」って感じである。そして、恋愛する気がほぼないのがいい。
これは僕たちの世界では考えられないことだ。なぜなら僕たちはいつも悩むから。けれども『らき☆すた』の世界には悩みという概念が存在しない。それは平凡な日常だけれども、僕たちにとっては紛れもない非日常なのだ。
だからこそ、強烈な非日常に、多くの人々は現実逃避してしまう。『らき☆すた』が開けてしまったパンドラの箱は、凄まじい魔力があるのだ。
家族愛が裏ストーリー
『らき☆すた』は、表面上は日常系ギャグアニメ的だが、その裏側では家族愛が描かれている。それが表面化したのが第17話『お天道様のもと』と第22話『ここにある彼方』だ。第17話では柊家、第22話では泉家でのエピソードが描かれる。
特に第22話に関しては、神回と評価されているほどだ。実際、めちゃくちゃ泣ける。
第22話では、主人公の泉こなたの母親である泉かなたが幽霊になって初登場。そして父親の泉そうじろうとの思い出が、感動的な楽曲と演出で描かれる。まあ、これは感動ポルノ的な感動ではあるけど、多くのアニオタに響く内容だったのは間違いない。僕も泣いた。
やはり家族愛を描くのはずるいなぁと思ってしまう。こういうので冷める人がいるのは分かるけど、冷めない人にとっては、高確率で涙してしまう。
『らき☆すた』の評価
※個人的な評価です
作画 | 85点 |
世界観・設定 | 78点 |
ストーリー | 85点 |
演出 | 80点 |
キャラ | 80点 |
音楽 | 85点 |
作画
作画は「ぬるぬる」している印象があった。キャラの動きも萌え萌えしていて、印象的だ。
世界観・設定
ザ・日常系の設定となっている。強いていうならオタクがテーマになっているのが特徴だろうか。ということもあり、アニメオタクの人々に刺さる設定だった。
また、家族との関係についても触れられているのが印象的だった。
ストーリー
グダグダと日常が続くけど、ギャグのテンポ感もよく、連携も取れている印象。スムーズに視聴できる。また、家族関係が裏ストーリーになっていて、こちらも終盤になると盛り上がりを見せて感動する。
演出
ギャグシーンの演出のこだわりがすごく、ストーリーの本筋とは関係ない部分をバカ真面目にこだわるから面白い。
キャラ
主人公のキャラ設定や口調が強烈だけど、サブキャラも良いキャラを感じる。なんというか、2000年代でウケそうなキャラだなぁという感じ。かがみとか。
音楽
OPの『もってけ!セーラーふく』の破壊力が凄まじい。ダンスとか真似したくなるし、カラオケでも歌ってみたくなる。
さいごに
『らき☆すた』のアニメは終了しているものの、実は原作漫画には続きが描かれている。なんと、こなたの大学生編まで描かれているそうだ。現在は休載しているようなので、一応、完結はしていない。続きが気になる方はぜひ原作漫画を。