今回は『メイドインアビス(以下、メイドインアビス1期)』について語っていく。
『メイドインアビス』は竹書房で連載されている漫画が原作だ。これが2017年夏クールにアニメ化される。
アニメ制作会社はキネマシトラスだ。
『メイドインアビス1期』の感想
ネタバレ注意!
アビスの設定の作り込みが凄まじい
『メイドインアビス』の最大の肝は、”アビス”と呼ばれる大穴にある。アビスは、人類最後の秘境と呼ばれており、謎だらけの場所だ。
たしかに僕達が住む世界でも、地中がどのようになっているかを完全に目視することはできていない。昔は地底人説も囁かれていたけど、完全に否定することはできていない状況なのだ。
それを考慮すると、アビスは本当に人類最後の秘境かもしれない。多分、僕達に残されているフロンティアは、宇宙・地底・異世界ぐらいなのではないだろうか。
また、アビスには“上昇負荷”という設定がある。アビスを冒険する際は、必然的に下に降りていくことになるだろう。だが、戻ろうとすると上昇負荷によって”呪い”を受けてしまうのだ。アビスの浅い層であれば、吐き気や幻覚程度で済む。だが深層になると、全感覚の喪失や人間性の喪失が呪いとして襲い掛かる。つまり、アビスに潜れば潜るほど、前に進むしかなくなるのだ。
特に第七層以降の上昇負荷は”確実な死”なので、第七層以降を冒険することは「絶界行(ラストダイブ)」と呼ばれている。めちゃくちゃカッコいい設定だよね。
人類はいつだって冒険する生き物だ
人類が生み出した文明は、冒険と共に発展してきた。例えば食べ物だって、まずは毒見することからスタートする。一見すると有害そうに見えるウニも、実はめちゃくちゃ美味しい食べ物だった。これも、誰かが実際に挑戦したからこそ、得られた成果だろう。
それ以外にも、火を使いこなしたり、蒸気機関を使いこなしたり、誰かを轢き殺す可能性がある自動車を生み出し、地球が崩壊する可能性がある原子力も、人類は利用している。その過程では凄まじい危険があっただろう。だが最終的には、人類の中でもごく一部の冒険者によって、偉業が達成される。
この歴史を考慮するのであれば、人類が宇宙に進出するのだって全く不思議ではない。そしてそこには間違いなくロマンがある。
『メイドインアビス』も、それに近いものを描いている気がする。特に主人公のリコ(CV.富田美憂)は典型例で、生まれながらにしてアビスに自然と足を向けるほど、冒険心に溢れているキャラだ。
一見、アビスは危険なように見えるし、実際に危険だ。だが、前に進み続けることができれば、上昇負荷の影響は受けない。危険生物と一緒にサバイバルすることができれば、そこには冒険した人にしか見れない別世界が待っている。そして上昇負荷の影響があるので、その別世界は冒険した人にしか見れないのだ……。
冒険しない人生はもちろんいいけれど、一度きりの人生、何かしらの冒険をするべきなんじゃないかなぁと思わされる。
『メイドインアビス1期』の評価
※個人的な評価です
作画 | 84点 |
世界観・設定 | 85点 |
ストーリー | 83点 |
演出 | 80点 |
キャラ | 80点 |
音楽 | 75点 |
作画
キャラの動きも良いけど、それ以上に美術背景が素晴らしい。『メイドインアビス』の圧倒的な世界観を綺麗に描写できている。だからすぐにのめり込める。
世界観・設定
アビスの設定がとても面白い。人々はアビスを恐れているけれども、だからこそアビスは信仰の対象となっている。そしてアビスには”上昇負荷”があり、引き返そうとすると”呪い”を受けてしまうのだ。「冒険(挑戦)するときは引き返してはいけない」というメッセージ性を感じる。
ストーリー
やはり上昇負荷の脅威があるため、その分、緊迫感が感じられる。そしてなんといってもグロい。普通にゲロするし、終盤はかなりグロテスクだった。刺激的なストーリーなので、若者にウケる。
演出
グロテスクシーンの絶望感がヤバい。目を背けたくなるほどグロく演出されている。可愛らしいキャラデザだからなんとか見れるし、逆に可愛らしいからこそ、見てられないのかもしれない。
キャラ
キャラの個性がめちゃくちゃ強い。特に、最高クラスの冒険者である”白笛”は強烈だ。オーゼンやボンドルドがイカれてるから、ライザもかなりイカれてるのではないだろうか。
音楽
OPの『Deep in Abyss』とEDの『旅の左手、最果ての右手』は、リコとレグが歌唱している。特にEDの『旅の左手、最果ての右手』は、『メイドインアビス』らしくない明るいメロディーとなっていて、個人的にかなり好き。
さいごに
『メイドインアビス』は、TVアニメを総集編的にまとめた劇場版が2019年に公開されている。また、TVアニメの続きを描いた『劇場版 メイドインアビス 深き魂の黎明』が2020年に公開された。こちらも視聴してから、ブログにして語ってみようと思う。