のんのんびより(アニメ第1期)評価:感想【日常系アニメNo.1かも】

星島てる
アニメ好きの20代。ライターで生活費を稼ぎながら、アニメ聖地の旅に出ている者です。アニメ作品の視聴数は600作品以上。

今回は『のんのんびより』のTVアニメ1期について語っていく。

『のんのんびより』は俗に言う日常系アニメ。3期まで放送されている人気のあるアニメだ。僕もめちゃくちゃ好き。

目次

あらすじ

全校生徒たった5人の「旭丘分校」。 雪解けとともに芽吹き春の足音が聞こえる山里で相変わらずまったり過ごす少女たち。 山菜を採ったり、お花見したり、お魚も釣ってみちゃったり・・・。 彼女たちの新しい季節の楽しみ方に触れ、子供の頃の懐かしさを再発見できるかもしれません…。

『のんのんびより』公式サイトより引用

『のんのんびより1期』の感想

ここからは『のんのんびより』の感想を語っていくが、ネタバレを含むので未視聴の人は気をつけて読んでほしい。

感想①:日常系アニメは序盤がキツイ

これは僕だけかもしれないが、日常系アニメは序盤を見るのがしんどい。

バトルアニメは序盤で惹きつける内容で制作されていることがほとんどだ。例えば、『ソードアート・オンライン』はゲームの世界に閉じ込められ、ゲームオーバーすると死んでしまうことを告げられる。作品に一気に引き込まれる素晴らしいスタートだ。

一方で日常系アニメは「日常」というぐらいだから、視聴者を作品に引き込むようなスタートを仕掛けることが難しい。僕は日常系アニメを多く見てるから、作品に引き込むようなスタートではなくても「これは面白そうなアニメだ」とある程度判断できる。

とはいえ作品に入り込めない以上、ひたすら日常を繰り返す『のんのんびより』の序盤を見るのはキツかった。

感想②:第4話で『のんのんびより』の良さに気づける

第4話「夏休みが始まった」で、多くの視聴者が『のんのんびより』の良さに気づくことができるだろう。そしてこの段階から作品に入り込めるようになるはずだ。僕は『のんのんびより』を3期まで視聴しているが、この回の演出がNo.1だと断言できる。

第4話「夏休みが始まった」のあらすじ

通知表を渡される一大イベントも終わり、夏休みが始まろうとしていたその日、東京の学校に通っている宮内家の次女・ひかげが実家に帰ってきた。都会の話を自慢げに語るひかげだったが、そこにたまたま一条蛍が遊びに来て… れんげが小川のほとりを歩いていると、カメラを持った同い年くらいの女の子と出会う。その子は石川ほのかと名乗り・・・

『のんのんびより』公式サイトより引用

このあらすじの後半の部分。小学1年生の宮内れんげ(CV.小岩井ことり)が小学1年生の石川ほのか(CV.高垣彩陽)と出会う。一緒に遊ぶ約束をするのだが、ほのかが父親の仕事の都合で突然帰ってしまい、れんげが泣いてしまう。
れんげが泣くこのシーンの演出が視聴者の心を揺さぶる。
普段はポーカーフェイスのれんげ。そのれんげの顔の静止画になり音楽だけ流れる。これが30秒も続く。そして少しずつ涙が目に溜まっていき、涙をこぼしてしまう。トータルで50秒も使っている。

現代アニメはとにかく時間に追われている。基本的に尺が足りていない。そのためストーリーが説明不足になって訳わからなくなったり、展開がとても早かったりする。
しかし、『のんのんびより』は時間がたっぷり使える状況にある。これは日常系アニメの特権ともいえるのだが、特に『のんのんびより』はとにかく展開がスローだ。それを第4話のこのシーンで気付かされるのだが、そこから『のんのんびより』を見るのが楽しくなってくるはずだ。

『のんのんびより』の評価

ここでは『のんのんびより』第1期の、アニメとしてのクオリティについて個人的な目線で評価していく。

作画75点
世界観・設定80点
ストーリー75点
演出85点
キャラ80点
音楽85点

作画

作画はとても安定している。さすがは安定したクオリティに定評があるアニメ制作会社、『SILVER RINK.』ともいえる。この制作会社は最近では『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦』や『魔王学院の不適合者』を制作していた。

世界観・設定

世界観・設定は良いと思う。大自然に囲まれた田舎で4人の少女が中心にゆったりとした日常を過ごすこの設定。田舎に帰りたくなった視聴者も多いはず。僕は都会っ子だけれども、一人暮らしで何年か田舎で生活したいなと思った。

ストーリー

ストーリーはまあ日常アニメって感じ。一話完結がずっと続き、1クールで春夏秋冬を全部やる流れ。一話の中の構成は起承転結がしっかりしている王道の展開だが、ギャグセンスがあったり尺を活かしたシュールな笑いがあるので、そこは他の日常系アニメと差別化できていると思う。

演出

演出は先ほど説明した第4話も含めて、尺を活かした演出が多い。それが感動を誘ったり、大自然の魅力を表現したり、シュールな笑いにつながっている。他のアニメには中々ない作り方だ。それでいて作画枚数もかなりカットできているのでコスパもいいはず。素晴らしい。

キャラ

第1期の段階ではキャラの魅力を十分感じきれていないところがある。だが、どのキャラクターも普通に見えて印象に残る個性があるのが良い。主人公はれんげだと思うが、それ以外の3人が主人公になるときもある。

ちなみに僕は越谷小鞠(CV.阿澄佳奈)が推しです。

音楽

音楽はOP・EDともに良き。人とのつながりの暖かさを感じる。特にEDの入り方がズルい。あの作り方をしてしまうと『のんのんびより』難民が多発してしまうではないか。当時は『のんのんびより』が放送終了するたびに、現実に引き戻される視聴者が続出したことだろう。

さいごに

今回は『のんのんびより』の第1期について語ったが、2期→劇場版→3期へと続いていく。日常系アニメは見る時間に比例して作品に入り込めるようになり、より面白く感じるようになってくる。

ぜひ引き続き視聴してほしいと思う。

©2021 あっと・KADOKAWA刊/旭丘分校管理組合三期

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