冴えない彼女の育て方 Fine(劇場版冴えカノ)評価:感想→加藤恵が…

星島てる
アニメ好きの20代。ライターで生活費を稼ぎながら、アニメ聖地の旅に出ている者です。アニメ作品の視聴数は600作品以上。

今回は『冴えない彼女の育て方 Fine(以下、劇場版冴えカノ)』について語っていく。TVアニメでは2クールに渡って制作された『冴えカノ』だが、2019年10月に『劇場版冴えカノ』が上映された。アニメ制作会社がA-1 PicturesからCloverWorksに変更されているが、どちらもアニプレックスの子会社なので大きな変更点とはならないだろう。興行収入は7億円を突破していて、大ヒットとなった。

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目次

『劇場版冴えカノ』の感想

感想①:めんどくさい系の女になった加藤恵が可愛い

『冴えカノ2期』の頃からその傾向が見られていたのだけれども、『劇場版冴えカノ』では加藤恵がどんどんめんどくさくなっていく。通常、男性からしたらめんどくさい女は本当にめんどくさいので、マイナスポイントとして評価することがほとんどだ。
だが、加藤恵はこの定石をぶっ壊した。めんどくさい系の女に成り下がっているはずなのにそれがめちゃくちゃ可愛らしく見えてしまうのだ。今までフラットな表情を貫いていたからこその、ギャップ萌えみたいなのが発生したのだと思う。

作中でも語られていたけど、「加藤恵はどんだけ安芸倫也が好きなんだよ」って感じ。『冴えカノ2期』でめんどくさくなり始めた辺りから、恵は既に倫也に惚れてしまったのだろう。加藤恵の心情描写に関しては、他のラブコメと比べてみても一つ抜けている印象がある。

感想②:負けヒロインの落とし所もよかった

『劇場版冴えカノ』が他のラブコメと一味違うのは、負けヒロインの落とし所だ。本作の負けヒロインはなんだかんだでめちゃくちゃ魅力的。英梨々は幼馴染の金髪ツインテール、詩羽は年上先輩の黒髪ロングというオーソドックスな設定である。それでいてツンデレ属性を兼ね備え、キャラデザが可愛く、弱みを主人公に見せてくるのだから魅力的じゃないわけがないのだ。

僕は『冴えカノ』を見ていて、「この2人にどのような結末を与えるのか」注目して見ていた。結果として「英梨々と詩羽先輩は倫也にはレベルが高すぎた」という結末となった。これは恋愛とクリエイターのどちらの要素でもあるだろう。『冴えカノ2期』で2人がblessing softwareを抜けた段階で、もうこのシナリオは確定していたのだ。
他のラブコメだと負けヒロインの扱いが酷くて炎上することがあるけれども、『劇場版冴えカノ』はほぼ完璧に負けヒロインを負けさせたと思う。僕も英梨々推しなのだけれども、十分納得する展開だった。詩羽推しの人にとっても、瀬戸際になればなるほど強さを見せる詩羽を見ることができ、納得できる内容だったと思う。

感想③:映画館で見たかったクオリティ

『劇場版冴えカノ』ではアニメ制作会社がA-1 PicturesからCloverWorksに変更となった。CloverWorksは元々A-1 Picturesのスタジオだったので、クオリティが大きく変わるわけではない。だが、劇場版ということもあってクオリティが明らかに大きく向上していた。

作画はほとんど変化なし(良い意味で)なのだが、演出がすごく良かった。これは大画面で見るとめちゃくちゃ良いやつだ。映画館で見ればよかったと割とガチで後悔している。

『劇場版冴えカノ』の評価

作画91点
世界観・設定90点
ストーリー95点
演出85点
キャラ95点
音楽85点

作画

『冴えカノ』はラブコメなので、作画の評価が低くなりがち。安定感でいったら100点満点にしてもいいけど、それだけ魅力的だったわけでもないしな。

世界観・設定

安芸倫也をあの状況に立たせた、作品内の設定が非常に良かった。

ストーリー

ストーリーはほぼ完璧だったと思う。強いて言うなら、キャラの心情描写をもう少し取り入れてほしかった。

演出

アニメ制作がCloverWorksに変更されたが、最大の違いが演出だった。センスが良くなっていた印象がある。これに加えて尺の使い方のセンスも良くなっていたら本当に完璧だったと思う。

キャラ

『劇場版冴えカノ』になってから本当の意味で、加藤恵、英梨々、詩羽先輩のキャラが立ってきた印象がある。加藤恵はめんどくさいし、英梨々は誰かに頼りがちな甘えん坊で、詩羽先輩は終始強かった。

音楽

TVアニメよりも挿入歌のセンスが良かったと思う。それでもあともう少しインパクトがほしいところだけど。

さいごに

『冴えカノ』は本作を持って完全完結となった。最後までやりきるラブコメアニメは、現代では数少ないので、やはり一定の人気はあったのだろう。

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