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【千と千尋の神隠し感想】欲望に負けず理性的であれ

千と千尋の神隠し

今回は『千と千尋の神隠し』について語っていく。

『千と千尋の神隠し』はスタジオジブリ制作の長編アニメーション映画で、2001年に上映された。監督は宮崎駿が担当している。

『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』が上映されるまで、歴代国内興収No.1をキープし続けたのも記憶に新しい。

『千と千尋の神隠し』の感想

ネタバレしていません。

東洋と西洋が融合した世界観

『千と千尋の神隠し』といえば、やはり幻想的な世界観が印象に残る。ジブリ作品といえば自然豊かな舞台設定であることが多いが、本作は湯屋が舞台となっている。

湯屋というと、多くの人が日本的な温泉街をイメージするだろう。実際、『千と千尋の神隠し』の世界観は東洋的な要素が色濃く反映されている。八百万の神が訪れる湯屋ということなので、神道も取り入れているはずだ。

しかしそれだけではない。『千と千尋の神隠し』には魔女が登場する。東洋的な世界観の中で、魔女は明らかに異質な存在だろう。特に印象的なのが、魔女が湯屋を支配しているという事実だ。

どちらにせよ、『千と千尋の神隠し』の世界観は秀逸で、とても作り込まれている。それを見てるだけでも十分楽しめる作品に仕上がっている。

千尋は終始、欲望に負けなかった

千尋はとても臆病な性格だし、要領も悪い。しかし、他の登場人物と比べて圧倒的に優れているのは理性、つまり制御力だ。

冒頭では、千尋の両親が料理に目がくらみ、そのまま豚になっていくシーンが描かれる。また、カオナシが砂金をばら撒いていた時も、千尋は冷静に対応。それどころか砂金に一切の興味を抱くことがなかった。

臆病で要領な性格というのはある意味、裏返してみると理性的な性格なのではないだろうか。欲望に負けることなく、自分ができることとやるべきことを理解している。だからこそ理性が働くし、勢いのままに行動しない。けれども迷いがない時はスッと行動できる。これはこれでジブリらしい主人公だなぁと思う。

『千と千尋の神隠し』の評価

※個人的な評価です

作画97点
世界観・設定95点
ストーリー90点
演出90点
キャラ88点
音楽80点

作画

2001年制作とは思えないほどのクオリティ。従業員や八百万の神を含めて数多くの登場人物が登場するのだけれど、それが全部動く。美術背景も作り込みが凄い。

世界観・設定

ジブリ作品の中でも作り込みが凄まじい舞台設定だと思う。先ほども述べた通り、東洋と西洋をミックスさせた世界観が、個人的に好みだ。

ストーリー

Wikipedia先生によると、当初は湯婆婆を倒すシナリオだったらしい。けれどもそれだと上映時間が3時間になるということで、そのシナリオは破棄。その代わりに当初はモブキャラだたカオナシを深掘りするエピソードになったという。間違いなく、これは大正解だろう。カオナシの異質さが『千と千尋の神隠し』の世界観を際立たせている。

演出

ジブリ作品といえば、動物の動きがとにかくリアルだ。『千と千尋の神隠し』でいえば、豚がやけにリアルである。これがどこか醜さ(欲に負けた両親)を表現しているようにも思える。

キャラ

とにかくキャラが多かったと思うけど、全て個性溢れるキャラだった。湯婆婆も坊も釜爺も癖が強い。けれどもどこか温かみがあるから不思議だ。特に銭婆の温かみは異常。湯婆婆と同じキャラデザなのに……。

音楽

個人的に、音楽は印象的ではなかった。これはもちろん良い意味で、それだけ画との親和性が高かったということだ。まあ、画の情報量が多すぎて音楽に注視できなかったっていうのもあるけど。

さいごに

『千と千尋の神隠し』はジブリ作品の中で最も売れたアニメ映画だ。だからといって必ずしも、作品のクオリティが最も高いというわけではない。しかし『千と千尋の神隠し』の幻想的な世界観は、ジブリ作品の中でも最もよく作り込まれた設定なのではないだろうか。

どちらにせよ、日本人であるならば一度は見てほしいアニメ映画だ。

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