STEINS;GATE(シュタインズゲート)【シュタゲ】評価と感想

星島てる
アニメ好きの20代。ライターで生活費を稼ぎながら、アニメ聖地の旅に出ている者です。アニメ作品の視聴数は600作品以上。

今回は『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)』、略して『シュタゲ』のTVアニメ1期について語っていこうと思う。

『シュタゲ』は2009年に発売されたゲームが原作。2011年にTVアニメが放送された。アニメーション制作は『リゼロ』や『ごちうさ』などの実績があるWHITE FOXが担当している。

目次

あらすじ

舞台は2010年夏の秋葉原。

厨二病から抜け出せない大学生である岡部倫太郎は、
「未来ガジェット研究所」を立ち上げ、用途不明の発明品を日々生み出していた。
だが、ある日、偶然にも過去へとメールが送れる「タイムマシン」を作り出す。

世紀の発明と興奮を抑えきれずに、興味本位で過去への干渉を繰り返す。
その結果、世界を巻き込む大きな悲劇が、岡部たちに訪れることになるのだが…
悲劇を回避するために、岡部の孤独な戦いが始まる。

果たして彼は、運命を乗り越えることができるのか!?

公式サイト『STEINS;GATE』より引用

『シュタゲ』の感想

ここから『シュタゲ』の感想について語っていく。ネタバレもしていくので気をつけてほしい。

感想①:オタッキーなやり取りが面白い

『シュタゲ』の舞台は2010年の秋葉原の夏休み。2010年の秋葉原はまさにオタクの全盛期だ。アニメ界では京都アニメーションが手掛けた『涼宮ハルヒの憂鬱』や『けいおん!』が全盛期だったし、アイドル界ではAKB48の全盛期だった。
ということもあって『シュタゲ』もオタク要素全開のトークとなっている。

特に主人公の岡部倫太郎(CV.宮野真守)と橋田至(CV.関智一)のやり取りが最高にキマってる。ネット単語を連発するから、2ちゃんねるとか見てない人には厳しいかもしれない。僕は多少知識があったのでついてこれたし、面白かった。

実際にこの2人のトークは異常なテンポなのだが、それを牧瀬紅莉栖(CV.今井麻美)と椎名まゆり(CV.花澤香菜)が和らげてくれている。といっても全員ギャグセンスに富んているので、結局会話は面白い。

感想②:ストーリーは素晴らしいのだが…

『シュタゲ』で最も評価されているのはなんといってもストーリー。伏線回収は見事で、綺麗サッパリ回収している。しかし、僕は個人的にめちゃくちゃ入り込むことができなかった。

まず、第一に僕は伏線回収そのものが決して良いとは思っていない。どちらかと言うと、京アニの名作『AIR』や『エヴァンゲリオン』みたいによくわからないほうが好きだったりする。だから伏線回収が有名で大人気の『鋼の錬金術士』も他の人より好きにはなれなかった。

伏線回収にも種類があると考えている。『シュタゲ』や『ハガレン』のように綺麗に回収するものもあれば、『コードギアス』の「生きろ!」のように後々重要な要素になるものもあるし、『CLANNAD』のように涙を誘う伏線回収もあるのだ。
伏線回収は綺麗に回収すればするほど良いとは一切思っていなくて、張り巡らせた伏線を使ってどうやって視聴者の心を揺さぶるか、これが大事だと思っている。だから後々の展開が予想できても、感動できたり鳥肌が立てばOKなのだ。

もちろん『シュタゲ』は心揺さぶる内容のストーリーだった。阿万音鈴羽(CV.田村ゆかり)のシーンや、岡部倫太郎が絶望に苦しむところも良かった。
ただ、ラストで岡部倫太郎が刺される展開。これは凄い伏線回収だったけど、結局岡部倫太郎は余裕で無事だったのだ。せっかく岡部倫太郎が命がけで行動を起こす心揺さぶるものだったのに、それをフル活用できていなかったと思う。

例えば、『BANANA FISH』のラストシーンみたいにあの演出で死んでみても良かったのではないだろうか。仮に生き残る展開にするならば、刺されるシーンを具体的にし洗練させることで、視聴者の悲しみをより刺激してみてもよかったのではないだろうか。ラストに関してはもっと追求するべきだったと思う。

感想③:神アニメってわけではない気もする

ということもあって僕は『シュタゲ』が神アニメってわけではないな、と考えている。ネット上では必ずといってもいいほどTOP10に入ると言われてるのだが、僕の中ではTOP20に入るかすらも怪しいかもしれない。

しかも大衆向けしづらい内容がネックだ。これは確実にオタク気味の人向けに作られているだろうから、ネット用語とかに触れてこなかった人間はキツイと思う。仮に僕の中で『シュタゲ』の評価がめちゃくちゃ高かったとしても、むやみにオススメはしなかっただろう。

『シュタゲ』の評価

ここでは『シュタゲ』のアニメとしてのクオリティについて、個人的な目線たっぷりで評価していく。

作画80点
世界観・設定90点
ストーリー85点
演出90点
キャラ80点
音楽60点

作画

作画に関してはゲームのとおりに再現したのだろう。なんとなく解像度が低いように見えたのだけど、それも『シュタゲ』の雰囲気を作り出すことに成功している。見る人を選びそうだけど。

世界観・設定

作画と音楽で雰囲気を醸し出せているので、世界観は独特のものになっている。都会の夏休みっていう雰囲気がよくできている。

ストーリー

ストーリーも素晴らしい出来だったけど、予想ができてしまった。僕は後の展開がわかっていてもそこまで気にしないのだけれども、僕は予想とは全く違うところからの伏線回収を期待していた。『シュタゲ』の伏線回収は綺麗すぎたので、僕の好みにドハマリしたわけではなかった。

演出

演出はとてもよくできていると思う。さすがWHITE FOX。岡部倫太郎のやるせない絶望感を表現している。『リゼロ』と違ってファンタジーな世界じゃない分、余計に絶望を感じる。

キャラ

キャラは僕の好みにドハマリするキャラがいないし、そもそもキャラデザが微妙に感じた。それが良いっていう意見も分からなくはないが、僕はちょっとだめだった。でも牧瀬紅莉栖の人気が凄すぎるから80点に。

音楽

音楽も僕の好みと真逆だった。『シュタゲ』の雰囲気とは真逆な、超爽やかな曲をぶっ込んでくれれば、面白かったと思う。

さいごに

感想では『シュタゲ』をディスっていたけれども、評価としてはかなり高めにした。最後の伏線回収はもう少し改善するべきだと思っていただけで、それ以外は満足できるものだった。音楽以外は。

さて、『シュタゲ』には劇場版があったり、『STEINS;GATE 0』という続編もある。ネット上では本編ほど評価されていない印象だが、『シュタゲ』が好きなら見る価値は十分あると思う。ぜひ見てほしい。

© 2011 5pb./Nitroplus 未来ガジェット研究所

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