今回は『TARI TARI』について語っていく。『TARI TARI』はP.A.WORKSによるアニメオリジナル作品だ。2012年夏クールに放送された。
『TARI TARI』の感想
ネタバレしているので未視聴の方は気をつけてください。
感想①:感情をぶつけ合いながら成長する青春劇
『TARI TARI』はとにかくエモーショナルだ。合唱コンクールでのトラウマと戦いながら歌に向き合う宮本来夏(CV.瀬戸麻沙美)、母親の死をきっかけに音楽から遠ざかった坂井和奏(CV.高垣彩陽)、競馬の騎手になりたいけどナイスバディが障壁となっている沖田紗羽(CV.早見沙織)、バドミントン一筋の田中大智(CV.島崎信長)、日本文化を勘違いしている帰国子女のウィーン(CV.花江夏樹)。5人は「合唱時々バドミントン部」での活動を通して、感情をぶつけ合いながら成長していく。
そして、高校生同士でぶつかるだけでなく、教師や親といった大人ともぶつかる。”夢”を追求する高校生たちと”現実(リアリティ)”に囚われた大人たちの衝突。この”夢VS現実”が『TARI TARI』のストーリーの根底にある。
感想②:高校生は”今”を生きている
『TARI TARI』は神奈川県・江ノ島を舞台に、高校3年生の青春を描く。この「高校3年生」という部分が注目するべき設定だ。高校3年生は将来の進路を真剣に考えなければならない。しかしその一方で「高校生活最後の1年に何かを成し遂げたい」という想いを抱える高校生もいっぱいいる。そう、多くの高校生は将来ではなく”今”を見ているのだ。そして結局大人たちの”現実”に妨害されて、半強制的に将来について考えさせられる。
それに対し「合唱時々バドミントン部」は奮闘し、夢を成し遂げることに成功した。『TARI TARI』を視聴していた僕は22歳。”現実”と”夢”の狭間のような年齢を生きている。『TARI TARI』に登場する高校生たちのように、”現実”に囚われずに夢を追いかける『Dreamer』になりたいと思う。
『TARI TARI』の評価
作画 | 70点 |
世界観・設定 | 75点 |
ストーリー | 77点 |
演出 | 75点 |
キャラ | 75点 |
音楽 | 83点 |
作画
作画のクオリティが高くない頃のP.A.WORKSなので、『TARI TARI』の作画のレベルも普通。dアニメストアではSD画質でしか見れなかったのが残念。
世界観・設定
合唱を通して高校生の青春を表現するという設定が良かった。「合唱時々バトミントン部」という響きも良い!
ストーリー
PA作品の特徴ではあるけど、ラストの盛り上がりがちょっと欠ける。それ以外の部分は最高。特に中盤の和奏と紗羽のエピソードは泣いた。親子愛系のエピソードはほぼ確実に泣いてしまう…。
演出
感動面での演出のクオリティが高い。だがそれだけでなく、日常シーンの演出も良かった。萌えにこびているわけではないけど、高校生特有の可愛さをしっかり表現できている。
キャラ
キャラの使い方が非常に上手いのが印象的だった。それとなんだかんだで、ちょっとした喧嘩が多かったように思える。これもちょっぴり情緒が不安定な高校生らしいと思う。
音楽
OPの『Dreamer』もEDの『潮風のハーモニー』も名曲だった。そして個人的には挿入歌の『心の旋律』が最高に好き。
さいごに
P.A.WORKSのアニメオリジナル作品の中でも、『TARI TARI』は特にエモいストーリーだった。P.A.WORKSは他にも数々の名作を制作しているので、そちらもしっかり視聴しておきたいと思う。
https://terukun.blog/taritari-seichi/