とある魔術の禁書目録の原作ラノベの正直な感想「面白い?つまらない?」

禁書(ラノベ)
星島てる
アニメ好きの20代。ライターで生活費を稼ぎながら、アニメ聖地の旅に出ている者です。アニメ作品の視聴数は600作品以上。

本記事は『とある魔術の禁書目録』シリーズの各巻の感想をまとめたものだ。

ガッツリネタバレするわけではないが、感想なので多少のネタバレは入っている。お気をつけて。

ちなみに僕が『とある魔術の禁書目録』を読み始めた、当時の状態はこんな感じ。

読み始めた当初の僕の状態
  • 大学3年生の学生フリーライター
  • アニメシリーズは全部視聴
  • BOOK WALKERなので電子書籍
  • 個人的に『とあるシリーズ』はめちゃくちゃ好き

参考程度でよろしくお願いします。

目次

『とある魔術の禁書目録』の感想

まずは「無印」の『禁書』からだ。アニメシリーズの『禁書』を3期まで視聴しているので、一通りの内容は理解している状態。

アニメシリーズを既に視聴している人は、登場人物の心情に注目して読むといいと思う。

『とある魔術の禁書目録』感想

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自分の部屋に、純白のシスターがいきなり空から降ってきた。「ありえねえ…」上条当麻はつぶやくが、そのシスター姿の少女はこう言った。自分は魔術の世界から逃げてきた―と。ここは“超能力”が“一般科学”として認知された、アンチ・オカルトの学園都市。上条は『インデックス』と名乗る謎の少女の言動をいぶかしむが、二人の前に本当に“魔術師”が現れて―!期待の新人が贈る学園アクションストーリー登場!

『とある魔術の禁書目録』より引用

めちゃくちゃ面白い…!TVアニメと全然違う!

主人公の上条当麻ってインデックスのことをこんなに大事に想っていたのか。原作だと心情も表現されているから理解度が高まる。

TVアニメでも『禁書目録編』は人気だったけど、それも納得。改めて見てみると、上条当麻の魅力がビンビン伝わってくる。

インデックスの記憶を守るために自分の記憶を無くして、インデックスが悲しまないようにその事実を隠そうとしている。記憶を無くした直後の人間にこんなことができるのだろうか。

上条当麻の主人公ポイントがさらに高まってしまった。

『とある魔術の禁書目録 (2)』感想

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「そこ、女の子が捕まってるから」“超能力”が一般科学として認知された学園都市、その「三沢塾」で一人の巫女が囚われの身となった。そして、どうやら首謀者は、魔術側の人間らしい。上条当麻は魔術師ステイルからそう説明され、すなおにうん、と返事をした。「簡単に頷かないで欲しいね。君だって一緒に来るんだから」「…はあぁ!?」真夏の日差しの中、不気味にそびえ立つビルに二人は向かっていく。魔術師、吸血殺し、禁書目録、そして上条当麻。全ての線が交差するとき、物語は始まる―。

『とある魔術の禁書目録(2)』より引用

2巻は途中まではぶっちゃけ普通だった。
ただ、ラスト周辺はとても面白かった。

上条当麻の心情描写の中に、「もしも自分がインデックスを失う立場だったらどうなっていたのか」というものがあったからだ。TVアニメでこの心情が表現されていたのかあまり覚えていないのだが、原作だととても印象に残る。

この心情描写があることによって、ステイルやアウレオスルの辛さがよく分かる。そしてそれだけ「インデックスという女の子は魔性の女なのだろう」ということがよく分かる。この部分はTVアニメだと、伝わりづらい内容だと思う。

『とある魔術の禁書目録 (3)』感想

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「不幸だ…」真夏の夕暮れ。補習帰りにジュースの自動販売機に金を呑まれた上条当麻はそう呟いた。「ちょろっとー。なにやってんの、アンタ?」カツッと革靴を鳴らしながら、御坂美琴は上条に声をかけた。「お姉様?」その後、美琴に顔形そっくりの御坂妹がやってきた。三人の出会い。それが、事件の幕開けだった。一方通行と呼ばれる超能力者が起こす殺戮劇の、幕開けだった―。

『とある魔術の禁書目録(3)』より引用

『とあるシリーズ』における超大人気エピソード、妹達編。

TVアニメでも大人気なんだから原作がつまらないわけがない。ということで普通に面白かった。一方で、原作だから特別これが良かったということもなかった。

それだけTVアニメにおいて妹達編は力が入っていたということになるだろう。『とある科学の超電磁砲』のTVアニメで相当深堀りされていたしね。

そして3巻によって一方通行も登場して、いきなり学園都市最強の男が登場したわけだけだ。よく考えてみると展開早いよね。
これが新約の急激なインフレにつながってくるらしいけど、今は考えないでおこう。

『とある魔術の禁書目録 (4)』感想

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学園都市から外出許可を得、家族と一緒に海へバカンスに来た上条当麻。そこで彼が見たものは、母親がインデックスで、インデックスが青髪ピアスで、神裂火織がステイルで、ステイルが海のオヤジで、御坂妹がその息子で、御坂美琴が当麻の妹で!?それは、“とある魔術”が原因だった。謎の魔術『御使堕し』が上条当麻を中心に展開したらしい―!?大人気学園アクション第四弾登場。

『とある魔術の禁書目録(4)』より引用

実は御使堕し編はTVアニメでも見ていたとはいえ、内容をあまり覚えてなかった。ということで新鮮な気持ちで読むことができた。

4巻は見どころが多かったのが良かった。
1つ目の見どころは「御使堕し」による登場人物の転換。これによって上条当麻目線の日常シーンが普通に面白かった。インデックスが青髪ピアスだったりするのはTVアニメで見ても面白かったけど、原作も変わらず面白かった。
2つ目の見どころは神裂火織とサーシャのハイレベルな戦い。4巻で聖人の本当の強さを知ることになるが、天使となったサーシャの壮大なスケールも迫力があった。
3つ目の見どころは上条当麻と上条刀夜のやり取りだ。上条当麻の『幻想殺し』をクラスメイトは笑って済ませてくれているが、親からしたら相当に凹むことだろう。それを解決するために、父親として必死に考えていることが分かるあのシーンは、上条刀夜の父親としての魅力を発揮しまくっている。
最後の4つ目の見どころは土御門元春の魅力だ。4巻になって魔術師としての土御門元春が本格的に活躍するようになるが、非常に魅力的なキャラでもある。4巻では自分を犠牲にしてでも魔術師としての威厳を見せてくれる。このシーンが一番熱かった。

『とある魔術の禁書目録 (5)』感想

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8月31日。一方通行はその日、路地裏で不思議な少女と出会った。そいつは、どこかで見た顔で―。御坂美琴はその日、学生寮の前で男子生徒からデートに誘われた。そいつは超さわやかなヤツで―。上条当麻はその日、自宅で不幸な一日の始まりを感じた。なぜなら、夏休みの宿題を全くやっていないことに気づいて―。8月31日。学園都市の夏休み最終日。それぞれの物語が幕を開けた―!鎌池×灰村コンビが放つ大人気学園アクション第五弾登場。

『とある魔術の禁書目録(5)』より引用

5巻は上条サイドと一方通行サイドが同時進行している。

そして今まで読んできたラノベ(といっても20冊ぐらいしか読んだことない)の中で、5巻は一番面白かった。

上条サイドはまあぶっちゃけ普通だった。強いて言うなら海原と上条の約束は印象的なのだが、それが明らかにわかるようになるのは少し先の話なのでここではあまり語らない。

そう、5巻の主役は間違いなく一方通行だ。ここで初めて打ち止めが登場する。TVアニメだと「ミサカはミサカは〜」の口癖が鬱陶しかったのだが、文章だとすらすら読める。

まず第一に、TVアニメではほとんど描かれなかった、一方通行の心情がしっかり表現されている。加えて、一方通行の能力が「人を守ること」に向いていないことがわかった。言われてみれば確かに、一方通行の能力は自分を守ったり、人を傷つけるのには向いているが、「大事な人を守る」には使いづらい能力だ。だからこそ一方通行は孤独を選んでいたが、それの真逆を貫く「とある男」の登場によって改めて考えさせられることになる。そして打ち止めと運命的な出会いをしてしまう。このストーリー考えたやつ天才かよ。

そして一方通行が初めて「人を守る」決断をしたシーンも印象的だったが、それよりもマッドサイエンティストの桔梗と天井のやり取りも印象に残っていた。特に最後、天井が桔梗に言うあのセリフはめちゃくちゃ心に響いた。そのまま引用すると著作権に引っかかるのでここでは説明しないが、このセリフは多分一生心に残り続けると思う。警備員の黄泉川や小萌先生もそうだが、学園都市の大人たちにも注目してみるのもいいだろう。

『とある魔術の禁書目録 (6)』感想

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学園都市の新学期初日。それは、上条当麻が通う学校に“謎の転校生”が現れた日で、インデックスにはじめて「ともだち」ができた日で、御坂美琴がインデックスと初対面した日で、二人に板挟みになった上条があいかわらず不幸だった日で、その一部始終を傍観していた白井黒子が上条に嫉妬した日で…そして、学園都市にとある魔術師が襲来した日だった!“謎の転校生”、「ともだち」、とある魔術師。特別警戒宣言下の学園都市で科学と魔術が交差するとき、上条当麻の物語は始まる―。

『とある魔術の禁書目録(6)』より引用

TVアニメの1期の最終章でもある6巻。
今までは魔術サイドよりだったり科学サイドよりだったりしてたが、ついに魔術と科学が交わり始めることになる。

だが、そこまで面白くなかった。

理由はおそらくキャラの魅力が足りなかったからだと思う。敵として登場するシェリーに共感できなかったし、風斬はかなり個性が強いキャラのはずなのだが、なぜかわからないけど個人的に共感できない。こればかりはしょうがない。シェリーや風斬に共感できる人は6巻も面白かったと思えるはずだ。
ちなみに、AIM拡散力場や超能力の原理の説明は、読んでいて「設定の作り込みがすごいな」とは思った。

それ以外にも魔術サイドのヒロイン・インデックスと科学サイドのヒロイン・御坂美琴が初めて対面することになる。これは個人的にかなり熱かった。どちらも好きなキャラなので。

『とある魔術の禁書目録 (7)』感想

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伝説の魔術師が記した、天使を召喚することができるという驚異の魔道書『法の書』が、解読法を知るシスターと共にさらわれた。学園都市でぼけーっと日常を過ごしていた上条当麻には、それはまったく関係ない出来事―のはずだったのだが、“不幸”にも何故かその救出作戦に加わることに…。しかもさらった犯人は『天草式十字凄教』、つまり神裂火織が女教皇を勤めていた宗派だというのだ…!インデックスが所属する『イギリス清教』、今回の依頼主の『ローマ正教』、そして神裂火織がかつてトップにいた『天草式』。三つの魔術組織が上条当麻と交差するとき、物語は始まる―!

『とある魔術の禁書目録(7)』より引用

6巻同様、7巻もあまり面白くなかった。TVアニメでは2期のスタートにもなっているのだが、TVアニメを見たときもつまらなそうに見ていた気がする。

5巻や6巻に比べてスケールが小さくなったことが原因だとは思う。それと今回は魔術の設定の説明が多かった。それはそれで読んでいて面白いのだが、ストーリー自体がつまらなかった。設定の説明がダラダラ続くのが苦手な人にとっては、読んでいて辛い内容だっただろう。

ちなみにアニェーゼやオルソラなど、多くのシスターが登場するが個人的にはかなり好きなキャラだ。これからも登場するのだが、そういうときに限ってストーリーがあまり面白くない。なんでなんだろう。

『とある魔術の禁書目録 (8)』感想

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ここは、学園都市の全女子生徒が羨望の眼差しを注ぐ名門女子校・常盤台中学。もちろん通う生徒は全員“お嬢様”である。その“お嬢様”のひとり、御坂美琴が体育の授業後に、汗をかいた身体を洗おうとシャワーを浴びていると、隣から一人の少女が声をかけてきた。白井黒子。学園都市の治安を守る『風紀委員』であり、空間移動能力を持つ大能力の少女。彼女は、美琴を放課後のショッピングに誘う。―それが、黒子の長い長い一日の始まりになった。お姉様・御坂美琴の本当の姿を知る、長い長い一日の…。お姉様と“あの殿方”が交差するとき、白井黒子の物語は始まるのですの。

『とある魔術の禁書目録(8)』より引用

8巻ではなんと、白井黒子が主人公になる。『とある科学の超電磁砲』が大好きな人にとってはたまらない内容だった。実際僕も白井黒子は大好きなので、8巻も楽しく読めた。

ただ一つ思ったのは、『とある科学の超電磁砲』を知らないと白井黒子に共感できないのではないだろうか。8巻は美琴が黒子に内緒で一人で頑張っているところを、黒子が気づきこっそりと行動するというもの。結果的にそれすらも美琴に見抜かれていたわけだけど。

美琴が黒子に頼らず一人で戦おうとしているという描写は、『禁書』ではあまり説明されていないように思う。そのへんの美琴と黒子の葛藤は『とある科学の超電磁砲』でめちゃくちゃ深堀りされている。

僕はそれを知っているから黒子にとても共感できたのだが、『超電磁砲』を知らない当時の人にとってはどんな風に見えていたのかは純粋に気になる。

それとTVアニメの中でも屈指のシーンである一方通行と結標淡希の戦いも必見だ。やっぱ一方通行カッコよかった。

『とある魔術の禁書目録 (9)』感想

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学園都市最大級行事「大覇星祭」。それは、超能力開発機関である学園都市に存在する全ての学校が合同で体育祭を行う、という超大規模イベントだ。その行事には、もちろん上条当麻も参加する。しかし彼の“不幸”は健在で、空腹のインデックスには噛みつかれ、大覇星祭運営委員の吹寄制理には糾弾され、御坂美琴には競技中にビリビリを喰らわされ…!?そんな中、謎の霊装『刺突杭剣』を巡り、とある魔術師が学園都市に侵入した。オリアナ=トムソン。魔術業界屈指の「運び屋」で、『追跡封じ』と称される彼女の目的とは…!科学と魔術が交差するとき、上条当麻の物語は始まる―。

『とある魔術の禁書目録(9)』から引用

『とある科学の超電磁砲』の3期でも深堀りされた、学園都市の体育祭・大覇星祭編。これの前編が9巻の内容だ。

僕はTVアニメで9巻の内容を見ているし、『超電磁砲3期』で科学サイドの大覇星祭も見ている。だからこそ科学サイドに悟られないようにしながら、繰り広げられた魔術サイドの戦いは厨二心をくすぐる内容だった。

ここで初めて上条当麻、ステイル・マグヌス、土御門元春のトリオが組むことになるが、この3人のやり取りがめちゃくちゃクセになる。それに加えて今回は事件が悟られないように、科学サイドのキャラと関わってくる必要があった。もちろん美琴やインデックスとのやり取りも挟んであるので読んでいて飽きなかった。

そして『禁書』では初めて、次巻に回す展開となったわけだが、特段不満は感じなかった。純粋に次が楽しみになる展開だった。

TVアニメだと普通に見ていたけれども、原作を読んでみると中々面白い内容だった。

『とある魔術の禁書目録 (10)』感想

7日間にわたって開催される「大覇星祭」。運営委員の吹寄制理やチアリーディング姿の月詠小萌、名門お嬢様学校の御坂美琴など、学園都市のすべての教師と生徒が一丸となって取り組む超大規模イベントだ。そこに、ひとつの波紋が広がった。『使徒十字』。そう呼ばれる存在が、上条当麻の大切な人たちの夢をあっけなく破壊していく…!上条当麻は走る。誰もが期待し、楽しんでいた「大覇星祭」を取り戻すために。科学と魔術が交差するとき、物語は始まる―。

『とある魔術の禁書目録(10)』より引用

10巻は9巻の続きとなっていて、いよいよ魔術サイドの戦いに決着がつく。

見どころはやはり土御門の自己犠牲。それと姫神が重症を負うシーンだろう。姫神が重症を負うシーンは禁書を読んでいて一番ショッキングな展開だった。TVアニメでも見ていたとはいえ、見ていて辛かった。何が辛いかって結果的に当麻が花火の約束を守ることができなかったことだ。負けヒロインまっしぐらだよなぁ。

個人的には上条家と御坂家が一緒にランチを取るシーンと、ステイルと小萌先生のやり取りが印象に残っている。

『とある魔術の禁書目録 (11)』感想

「えー、”来場者数ナンバーズ”の結果、あなたの指定数字は一等賞、見事ドンピシャです!商品は『北イタリア五泊七日のペア旅行』、おめでとうございます!!」大覇星祭最終日。”不幸”であることしか自慢できない男・上条当麻が、なんど海外旅行のペアチケットを引き当てた。思いがけずやってきた幸運に、上条とインデックスのテンションは最高潮。そして舞台はアドリア海に浮かぶ『水の都』、ヴェネツィア本島へ!憧れのイタリアンバカンスには、ドキドキ★ラブイベントもあったりして!?上条当麻と幸運の女神が交差するとき、物語は始まるーーー!

『とある魔術の禁書目録(11)』より引用

11巻では学園都市から飛び出し、水の都が舞台だ。7巻でも登場したアニェーゼやオルソラなどのシスターが活躍する。だが、個人的にストーリーがつまらなく感じてしまう。

なぜなのだろう。シスターたちや天草式十字凄教が登場すると途端に魔術の説明描写が多くなる。そうなってくるとストーリーに共感しづらくなるんだよね。いいキャラなのに、もったいないなぁという感じ。まあラノベの場合、設定の説明にページを多く割く必要があることも否めないから仕方ない。

一方で11巻から五和のおしぼり作戦が目立ち始める。五和は読者のほとんどが応援したくなる謎の魅力がある。これだけが11巻を読んでいる僕の唯一の楽しみだった。

『とある魔術の禁書目録 (12)』感想

九月三〇日―衣替えの季節がやってきた学園都市。周囲の慌ただしさを余所に、エリートお嬢様学校・常盤台中学の超能力者、御坂美琴はコンサートホール前の広場にいた。待ち合わせである。けれど、「…、来ない」罰ゲームを受けるはずの“あの少年”は一向に姿を見せない。美琴はため息混じりに、薄っぺらい学生鞄とバイオリンのケースを抱えてアイツをずっと待っていたのだが―。上条当麻と御坂美琴が交差するとき、罰ゲームを巡る学園コメディは始まる。

『とある魔術の禁書目録(12)』より引用

12巻は今までの禁書シリーズの中でも、コメディ色が強い内容となっている。というのも13巻に続くような内容になっているからだ。

前半は上条当麻と御坂美琴のお話。大覇星祭の罰ゲームを美琴が要求するのだが、単純にアプローチしているようにしか見えない。美琴好きの僕からしたら、微笑ましい限りである。

後半は当麻と打ち止め、一方通行とインデックスの2つの軸で物語が進んでいく。特に一方通行とインデックスのやり取りはシュール過ぎて面白い。

『とある魔術の禁書目録』はキャラの個性がしっかりしていて魅力がある分、12巻のようなコメディ展開に強いシリーズだと改めて感じた。

『とある魔術の禁書目録 (13)』感想

学園都市に、ローマ正教『神の右席』の一人、『前方のヴェント』が侵入した。彼女が操る謎の魔術により都市機能は完全麻痺、大部分の人間は意識を奪われ倒れていった。彼女の狙いは、上条当麻。ローマ正教が公式に認めた敵。同時刻。最強の超能力者・一方通行が、彼を支える少女『打ち止め』を護るため、科学者・木原数多率いる武装集団『猟犬部隊』と激突した。魔術と科学、二つの惨事が同時に学園都市を襲う。上条当麻、インデックス、一方通行、打ち止め。四者四様の想いが交差するとき、物語は始まる―。

『とある魔術の禁書目録(13)』より引用

12巻の続きから始まる13巻だが、今までにないほどの群像劇となる。いよいよ『神の右席』編が本格始動したという感じだ。

読んでいても、どのような状況になっているか掴みづらかった。これはもちろんいい意味でだ。上条当麻、前方のヴェント、風斬氷華、一方通行、インデックス、木原数多、土御門元春、御坂美琴などなど、様々なキャラが活躍する本編。今までの中でも集大成に近い内容だった。

その中でも一方通行と木原数多の戦いは最高すぎた。TVアニメで見ていても最高だったのだが、原作でもやはり最高だ。どちらもまさに「悪党」。特に打ち止めという希望を手に入れかけていた一方通行が、どんどん悪に堕ちていくのは読んでいて辛かった。またもや「あの男」が一方通行を変えることになるのだが、それはまだまだ先の物語だ。

『とある魔術の禁書目録 SS』感想

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上条当麻と吹寄制理の世間話を発端に、クラス全員で鍋パーティ!小萌先生は大困惑!?―『鍋と肉と食欲の大戦術』。舞台はロンドン。魔術師の少女たちが織りなす乱れた(?)一日とは?―『イギリス清教の女子寮』。学園都市の暗部へと堕ちていった一方通行。そこで彼を待っていたものは?―『灰色の無味乾燥な路地』。ビリビリ中学生に瓜二つなその容姿。彼女が学園都市にやって来た理由は?―『酔っ払った母親の事情』。『禁書目録』本編を補完するSSシリーズ登場。

『とある魔術の禁書目録ss』より引用

SSシリーズはちょっとしたスピンオフということになっているものの、ストーリーに直結する内容なので、読んでおく必要がある。実際に本巻の内容はTVアニメでも収録されていたわけだし。

メインは御坂美鈴に関するお話。美鈴を巡ってスキルアウトと上条当麻、一方通行が争う。注目ポイントはこれから第3の主人公となる浜面仕上の登場だ。これもやはり上条当麻が改心させる内容。浜面仕上の今後の活躍は評価が高いので、そのスタートとなるこのシーンは注目なのだ。

また、今までに登場したサブキャラが登場するのがSSらしかったと思う。イギリス女子寮では神裂火織を始めとした、多くの女性魔術師が登場。なんだかとても楽しそうだ。さらに暗部の「グループ」で海原光貴、結標淡希が久しぶりの登場。またもや土御門元春が色々とやってるみたい。

『とある魔術の禁書目録 (14)』感想

一〇月。突然、世界中でローマ正教徒たちによる反科学デモが起き始めた。そのアンチ行動は、学園都市を筆頭とする『科学サイド』への糾弾に他ならない。世界が混乱する中、『C文書』と呼ばれる霊装がこの事件の元凶だと知った上条は、土御門と共に『C文書』があるとされるフランスの観光都市アビニョンへと飛びたつ。アビニョン現地で、上条は天草式十字凄教徒の五和と再会、彼女を携え『C文書』捜索に乗り出すが…そんな彼らの前に『神の右席』左方のテッラが立ちふさがる。科学と魔術が交差するとき、上条当麻の物語は始まる―。

『とある魔術の禁書目録(14)』より引用

ここからはついに批評の嵐となったTVアニメ3期の物語になる。ちなみに僕はイッキ見で3期を見ていたからか分からないが、3期が一番楽しめたのだ。「ということはストーリーがしっかりしている原作はもっと面白いに決まってる!」と思っていたので、ここからは非常に楽しみだった。

そしてC文書編なのだが、面白さに関してはTVアニメとさほど変わらない。ただ、「なぜ学園都市が登場したか」が明確に理解できるようになったぐらいだ。

ここでは五和が大活躍。やっぱり五和可愛いです。

『とある魔術の禁書目録 (15)』感想

アビニョン侵攻作戦で治安部隊が不在の学園都市。無法地帯となったそこでは、闇の組織らが暗躍していた。―己のために動く者。―闇を好み、殺しを楽しむ者。―他者の希望を打ち砕こうとする者。―大切な人のために立ち向かう者。―上層部へ戦いを挑む者。―反乱分子を仕留める者。―暴走を暴力によって食い止める者。科学が全てを支配するこの街で、生き残るのは…。『グループ』の超能力者・一方通行が謎の組織『スクール』と邂逅したとき、物語は始まる―。

『とある魔術の禁書目録(15)』

TVアニメ3期の批評の中で多かったのが、「暗部編が省略されすぎ!」というもの。確かにそれは僕も感じていた。一方で原作では人気のある内容ということで結構楽しみにしていた。

そしてやっぱり面白かった。今まででも特に面白かった5巻や13巻と同じぐらい面白かった。一方通行が登場すると大体当たりだね。

TVアニメで見たときは「一方通行と垣根帝督がやりあってるなぁ」「浜面仕上と麦野沈利がやりあってるなぁ」ぐらいにしか感想がなかったが、他にも多くの思惑があったことを知ることができた。

原作だと暗部の構成図が度々載っていて、脱落するたびに分かるようになっていたので、状況を把握しやすく読みやすかった。

『とある魔術の禁書目録 (16)』感想

ローマ正教の暗部『神の右席』後方のアックアがついに動いた。『聖人』の力と『神の右席』の「特性」を併せ持つその最強・最悪の敵は、上条当麻の「右手」を狙い学園都市に侵入する。アックアの宣告を受けたイギリス清教は、上条のもとに天草式十字凄教の五和をボディガードとして派遣していた。上条宅に泊まり込んで護衛する彼女は、圧倒的な料理スキルとかいがいしさをもってして、居候シスター・インデックスの立場すら危うくさせる。そして、それを見た上条の目からは一筋の涙が…。しかしそんな安息の時も束の間、ついに最強・最大の敵が現れる…。

『とある魔術の禁書目録(16)』より引用

ぶっちゃけると16巻はあまり面白くなかった。というのもTVアニメで見ていた時も、面白く感じなかったので個人的なものだと思う。五和や温泉シーンのような日常シーンは面白かったけど、戦闘シーンが無駄に長かった気がする。

TVアニメとの違いは五和の悔しさがより詳しく表現されていたのと、神裂火織の部下に対する思いの変化が鮮明になったぐらい。天草式十字凄教が再び一つになれたのは、本当に良かったと思います。笑

改めて読んでみると後方のアックア強すぎ。そしてそれを超えるフィアンマは改めてヤバいわ。ちなみに原作を読んでいてもアックアの能力が分かりづらかったな。といってもアックアの本命シーンはもう少し先なので我慢して読み進めていこうと思う。

『とある魔術の禁書目録 SS(2)』感想

ジーンズ切り裂き魔を追う神裂、ヘンテコ魔草売り少女と出会う上条刀夜、微妙な強さの超能力者・ナンバーセブン、殺人を決意した少女の前に立ちはだかる『御坂』と名乗る男性、サボり美容師にキレる白井、『魔神』になれなかった優しい男、半蔵に恋する少女・郭ちゃん、初春に挑戦するハッカー少年、長身美女から慕われる砂皿緻密、血液型占いに夢中なミサカシスターズ、何かに目覚めたシェリー、絹旗と映画デート(!?)の浜面…もう一度見たかったあのキャラたち&新キャラが大活躍。本編を補完するSSシリーズ第二弾。

『とある魔術の禁書目録SS(2)』より引用

はい、一番面白かったです。
TVアニメだと丸々カットされてたSS2ですが、こんなに面白かったんですね。

スピンオフの集まりかと思っていたのに、「原石」というキーワードを散りばめながら最後に回収するベタな構成をしてくるなんて。しっかりのめり込んでしまった。笑

様々なキャラが登場すると言うか、重要な新キャラも登場したりしてるからSS2って超重要な内容じゃん。TVアニメにするのは難しい構成だなとは思うけど。

ちょっとこれは面白すぎたなぁ。結構衝撃受けてます。とあるの設定やキャラが好きな人からしたら相当面白いな。TVアニメしか見てない人にぜひ読んでほしい。

『とある魔術の禁書目録 (17)』感想

イギリス清教『必要悪の教会』最大主教・ローラ=スチュアートによって『禁書目録召集令状』が布告された。フランスとイギリスを結ぶユーロトンネルで起きた爆破事件を、英国『王室』と共に調査せよ、という任務だった。その命を受けたインデックスと彼女の保護者・上条当麻は、イギリス行きの飛行機に搭乗する。和気藹々と空の旅を楽しもうとする二人だったが、機内では謎の人物がハイジャック計画を進めており…!銀髪シスターさんの空腹を全力でなだめつつ、事態解決を図る上条の運命は如何に!?今度の“不幸”は、英国にて開幕。

『とある魔術の禁書目録(17)』より引用

イギリス編突入です。

僕はアニメを見ていたときは全然理解できなかった。もちろんキャラが好きなわけだからそこそこ面白いんだけど、他のお話と比べると微妙な印象だった。

17巻ではまず当麻とインデックスがハイジャックに遭うところから始まる。このハイジャック自体はTVアニメでも大体は理解できた。だが、後半になって第二王女のキャリーサがクーデターを起こすわけだけど、アニメではその理由がイマイチ分かりづらかった。それが原作を読むことで理解できたので、その途端イギリス編が面白く感じるようになった。

そしてやっぱり最後のアックアさん登場は惚れる。鳥肌立った。
次回が気になる終わり方で良かった。

『とある魔術の禁書目録 (18)』感想

インデックスが所属する『イギリス清教』の総本山・ロンドン。その魔術の都が、騎士団長を頭首とする『騎士派』のクーデターにより堕ちた。その影響はイギリス国内全土に及び、市街では一般市民が軍に拘束されるという異常事態に陥る。『騎士派』の“変革”が進行する渦中、魔術師擁する『清教派』は各所で抵抗戦をつづけるのだった。インデックスを救うためフォークストーンに向かった上条当麻は、ついにクーデターの主謀者の元にたどり着く。そこにいたのは、『神の右席』後方のアックアだった。そして、彼が刃を向けている先には、英国王室第二王女・キャーリサの姿が…!科学と魔術が交差するとき、物語は始まる…。

『とある魔術の禁書目録(18)』より引用

18巻になってイギリス編がついに完結する。アニメだと戦闘シーンが大幅にカットされていたけど、原作ということでちゃんと書かれている。そしてやぱり面白かった。アニメよりも女王の強さが際立ってたね。フィアンマも「女王は厄介だ」っぽいことを言ってたし。なんで女王が終始余裕そうにしていたのか理解できた。

それとなぜキャーリサがクーデターを起こしたのか、その理由が原作を読むことで鮮明になった。そのおかげでイギリス国民が一斉にキャーリサに立ち向かう意味がよく理解できた。めちゃくちゃいい話じゃないか。

しかし、フィアンマの登場で後味悪い終わり方になった。ここから一気にラストへと加速していくことになるわけだから読むのが楽しみだ。

ちなみにローラ=スチュアート、個人的に好き。イギリス清教の最大主教なのに8割ボケなのがいいんだよね。キャラデザ可愛いし、口癖も可愛いし。

それとなんだかんだイギリス編ということもあって土御門と出番がほとんどなかったステイル以外のイギリス清教が勢揃いだったのも個人的に良かった。でもやっぱり土御門・ステイル・上条のトリオが見たいなぁ。

『とある魔術の禁書目録 (19)』感想

学園都市の暗部で起きる事件を処理する『グループ』。最強の超能力者(レベル5)・一方通行(アクセラレータ)、魔術師でもあり能力者でもある土御門元春らで構成されたそのチームは、謎のキーワード『ドラゴン』について探っていた。それが、いまの“クソったれ”な現状を打破する唯一の手がかりであると信じて。一方、上層部に無断で行っていたその活動を煩わしく思う者がいた。その人物は、学園都市で最高の権力を持つ統括理事会メンバーの一人。彼の強大な勢力が、『グループ』に牙をむく。同じ時。元『アイテム』構成員の浜面と絹旗は、滝壺の見舞いにやってきていた。そこで突然巻き起こる、浜面の「バニーガール超好き疑惑」。どん引きする絹旗と滝壺を他所に、浜面は決死の釈明をするが。15巻、SSシリーズに続き描かれる、『学園都市の暗部』編登場。

『とある魔術の禁書目録(19)』より引用

15巻に引き続いての暗部編。ここがTVアニメで一番省略されてたところだと思う。エイワスのところとか意味分からなかったし。それも原作を読むと理解できた。

そうか。打ち止めが苦しんでたのはエイワスの発生に利用されてたからなのか。TVアニメだとあんまり説明されてなかったから、よく理解できてなかった。それと浜面と滝壺がロシアに行ったのも、アレイスターが浜面を抹殺しようとしていて、それから逃げていたからなのか。ここらへんが原作を読むとスッキリする。

個人的には海原光貴がカッコよかった。原作を読んでいると、彼がどんどん原典に蝕まれていくのが分かる。これは新約の内容を知らない僕の予想だけど、上条さんが打ち消してくれるような気がする。その展開だと結構アツいよね。

『とある魔術の禁書目録 (20)』感想

10月18日。ロシアより、第三次世界大戦の宣戦が布告された。学園都市とロシアの激突は全世界を巻き込む大規模なものとなる。この背景には『神の右席』最後の一人、フィアンマの政治的暗躍があった。そんな世界大戦戦火の渦中で、奔走する者達がいた。学園都市の高校生・上条当麻は、フィアンマによる霊装奪取の影響で昏睡状態になったインデックスを解き放つため。最強の超能力者・一方通行(アクセラレータ)は、謎の存在『エイワス』出現による高負荷が掛かった打ち止め(ラストオーダー)を救うため。元・暗部組織『アイテム』小間使い・浜面仕上は、能力促進剤『体晶』の乱用によって衰弱した滝壼理后を治療するため。彼らは三者三様の想いを抱き、緊迫のロシアへと向かう!そこで待ち受けていたものとは…。科学と魔術が交差するとき、物語は始まる―。

『とある魔術の禁書目録(20)』より引用

ついに始まったロシア編。科学と魔術がめちゃくちゃ交差していく。

上条当麻・一方通行・浜面仕上の3人がそれぞれ活躍していくんだけど、今回はやっぱり一方通行が激アツだった。
TVアニメでも熱かったわけだけど、原作だと心情も分かるから世界に入り込める。今回の一方通行はなんといっても番外個体(ミサカワースト)との戦いが熱かった。TVアニメと違って一方通行の苦しみがよく伝わってくる。
確かに、妹達を絶対に守るって決めていた一方通行にとって、番外個体との戦いは辛かったはずだ。よく自分を壊さずにいられたなと思います、ほんと。

とはいったものの怒り狂った一方通行の前に登場する上条当麻は、やっぱりヒーローとしか言いようがない。こんな激アツなシーンがロシア編の序章だなんて信じられん。内容濃すぎだろ。

『とある魔術の禁書目録 (21)』感想

一〇月三〇日。第三次世界大戦が開戦して、一一日が経った。三人の少年たちは、それぞれの想いを秘め、炎上するロシアを駆けていた。元『アイテム』小間使い・浜面仕上は、滝壷理后の治療に奔走するも、糸口は見つからない。キーとなるのは、元『神の右席』の聖人アックアとの出会い。最強の超能力者(レベル5)・一方通行(アクセラレータ)は、最弱の好敵手との交戦を経て、エリザリーナ独立国同盟に移送された。未だ打ち止め(ラストオーダー)を救う手だては見えない。キーとなるのは、魔術が記述された謎の羊皮紙。そして上条当麻は、ついにフィアンマと邂逅するも、手加減された上に逃亡を許してしまう。インデックスを元に戻すことは、未だ叶わない。キーとなるのは、“天使”と呼ばれる別次元の住人。三者三様の想いを秘め、科学と魔術が交差するとき、物語は始まる―。

『とある魔術の禁書目録(21)』より引用

ロシア編第二弾。

内容もめちゃくちゃ濃いんだけどその中で印象に残ってるのは後方のアックアかな。TVアニメで見ていたときよりも緊迫感がすごかった。浜面が叫んでアックアが立ち上がるところは痺れた。『禁書』を読んでいて一番痺れたと思う。

そして冒頭のイラストのガブリエルの神々しさが凄まじかった。圧倒的迫力。

『とある魔術の禁書目録 (22)』感想

ローマ正教の暗部『神の右席』最後の一人、右方のフィアンマ。彼の企てる『計画』 が、ついに発動する。第三次世界大戦下のロシア上空に浮遊した巨大要塞『ベツレヘムの星』。十字教信者だけでなく、全世界の人間を「救う」と言われるそれは、しかし人類史上でも未曾有の大災害が発生することを意味していた。フィアンマが『浄化』と呼ぶその謀略が蠢く中、三人の少年は自らの想いを胸に戦い続ける。浜面仕上は、滝壷理后の治療を終え、クレムリン・レポートを未然に防ごうと動いた直後、宿敵・麦野沈利と相まみえた。一方通行(アクセラレータ)は、大天使ミーシャをかろうじて退け、ついに打ち止め(ラストオーダー)を救う『とある解法』に行き当たる。しかしそれはまさに禁断の一手だった。そして上条当麻は、『ベツレヘムの星』計画を食い止めるため、インデックスを解き放つため、単身フィアンマに挑む…。

『とある魔術の禁書目録(22)』より引用

はい、最高でした。
上条当麻・一方通行・浜面仕上、みんな大活躍。

浜面仕上は麦野沈利を守る決断をした。これはTVアニメで最も高評価のエピソードの一つだけど、原作でも最高だった。

一方通行は打ち止めを守るために体を張る。ここはTVアニメでも力がすごい入ってたんだけど、説明不足でよく分からなかった部分も多かった。そうか、あの歌って魔術だから一方通行に深いダメージがあったのか。TVアニメでも説明されてたかもだけど印象に残ってなかった。
前巻のアックアのシーンが『禁書』で一番痺れたって言ったけど、ここで更新されました。打ち止めを守るために1人で天使を止めにいった一方通行にめちゃ痺れた。

そしてなんといっても上条当麻。TVアニメだとフィアンマのシーンが印象的だった。もちろん原作でも久しぶりの『その幻想をぶち殺す』を見れたわけだけど、それよりもその後の方が原作だと印象に残る。
TVアニメだと、上条当麻がフィアンマを地上に戻したあと、ちょっとインデックスと話して、ベツレヘムの星を走り回って、自分を道連れにガブリエルをぶん殴るんだけど、めちゃくちゃカットされてたんだね。
原作だと重みが違った。インデックスと話すシーンはTVアニメとあんまり変わらなかった印象だった。だが、ベツレヘムの星を走り回るシーンでは、なんだかんだ最後はステイルと協力するのが印象的だった。やっぱこの2人の組み合わせは良いよね。
そしてなんといってもガブリエルを殴るシーン。例えるとドラゴンボールのフリーザ編で心中覚悟で破滅寸前のナメック星に残ったのと近い。当麻も心中覚悟で世界を救うためにガブリエルをぶん殴る決断をした。このときの今までの回想も良かったし、ステイルが悔しそうにしてたのも胸が痛んだ。『上条当麻な二度目の死を迎えた』みたいな演出も良かったな。
そしてここでも一番痺れたシーンが更新です。右手で大天使をぶん殴るとか最高の展開すぎる。

『新約 とある魔術の禁書目録』の感想

さて、ここからは『新約 とある魔術の禁書目録』について語っていく。

旧約ではTVアニメとの違いについて主に語っていたわけだが、ここからはTVアニメ化されていないので、何にも展開を知らない。知ってることといえば美琴が闇落ちらしいのと、食蜂操祈が昔当麻といろいろあったことぐらい。あとは何も知らない。

ということで感想を述べていく。

『新約 とある魔術の禁書目録 (1)』感想

ローマ正教の暗部『神の右席』最後の一人、フィアンマがロシアから起こした第三次世界大戦は、上条当麻の活躍により終結した。彼の、消失と共に。ここは上条当麻が存在しない世界。魔術サイドは再編・改善がすすみ、信徒たちには安息の日々が訪れていた。科学サイド総本山の学園都市では、最強の超能力者・一方通行が、『闇』と手を切り、打ち止やめ番外個体と共に騒がしくも穏やかな日常を過ごしていた。そこには『グループ』の影も無い。元スキルアウトの無能力者・浜面仕上は、ロシアで手に入れた『闇』との交渉材料を懐に、絹旗、滝壼、そして帰ってきた麦野と共に新生『アイテム』を結成、活動を再開する。闇からの『卒業生』たちは、平穏を手に入れたのだ。―凶悪な『新入生』が、彼らの前に現れるまでは。新約編、スタート。

『新約 とある魔術の禁書目録』より引用

ついに新約スタート。

まず一方通行と浜面仕上の平和な日常シーンからスタート。特に番外個体がいい! こいつボケ全振りキャラになるのか。ミサカネットワークの影響で一方通行に嫉妬し始めて変な行動をしちゃう設定、考えた鎌池和馬先生天才だ。

基本的なテーマはサイボーグとかそのへんですね。なんというか『とある科学の超電磁砲』を見てる感じ。駆動鎧(パワードスーツ)との戦いっていう構図はそっくりだよね。

それとここで半蔵と郭(くるわ)が活躍。SS2の伏線回収みたいなものか。ということは御坂パパもいずれ活躍してくるのかな。てかアレイスターと話せるレベルだから絶対活躍してくれるのだろう。だとしたら個人的にアツい。

そして不意打ちの上条当麻登場にはビックリ! こんなあっさり出てくるのか! せめて2巻からかなーとか思ってたけど、意外性もあってよかったね。

もちろんあの激アツのロシア編のあとだから、どうしても「普通」に感じちゃうのはあるかも。実際、新約の序盤で読むのを諦めた人もネット上で見かけるし。まあ僕はもう全巻購入してしまってるので必然的に読むしかないんですけどね。引き続き読み続けます。

『新約 とある魔術の禁書目録 (2)』感想

11月5日の学園都市。上条当麻と一方通行(アクセラレータ)、そして浜面仕上の三人が、ついに交わった。しかしそれは、三者三様の『アンタ等何やってた訳』的、彼らを心配していたオンナノコたちへの落とし前イベント勃発を意味していた…。上条は、形見のゲコ太ストラップを握りしめ意気消沈中の美琴に妙なテンションで声をかけ、超電磁砲(レールガン)地獄を見る。さらに、同じノリでインデックスにも話しかけ…。浜面は、『負けたら屈辱のバニーだ!ゲーム』を続けていた麦野たちにようやく発見される。しかしその傍らには今は亡き『アイテム』元メンバー・フレンダにうり二つの少女がいて…。一方通行(アクセラレータ)は、押しかけてきた打ち止め(ラストオーダー)と番外個体(ミサカワースト)に辟易するが、いつもちょっかいをかけてくる番外個体が上条の前では大人しくなり、何故かそれに苛立ちを覚え……。科学と魔術が交差するとき、日常の物語(コメディパート)は始まる。

『新約 とある魔術の禁書目録(2)』より引用

今回はコメディ重視の内容でほとんどが今までの振り返りみたいな感じ。
改めて振り返ってみると、上条当麻、短期間で色々やりすぎ。そりゃ一方通行もビックリするよ。

コメディはやっぱ面白いね。キャラの個性が強いから。学園都市のヒロインが集合するのも良かった。

そしてここで初めて『グレムリン』という組織名が登場した。当分はグレムリンを中心に展開していくのだろう。一見すると『神の右席』より劣ってる気がするけど、まあ読み進めていきます。

『新約 とある魔術の禁書目録 (3)』感想

グレムリン。魔術と科学が融合した、世界規模の敵対勢力。第三次世界大戦後に突然現れた謎の組織が、アメリカ五〇番目の州・ハワイで暗躍しているらしい。イギリスの黄金系魔術結社『明け色の陽射し』のボスであるレイヴィニアの先導で、ハワイに向かう上条たち。そのメンバーは、上条当麻、御坂美琴、一方通行(アクセラレータ)、浜面仕上、番外個体(ミサカワースト)、黒夜海鳥である。そして、新ホノルル国際空港に到着した直後から、グレムリンの魔術師による襲撃は始まった。水面下で進行するグレムリンの陰謀。米国側で唯一それに気づいた男は、単独で抗戦を模索する。男はやたらハイテンションで、調子ぶっこいた野郎で―。ロベルト=カッツェ。誰もが知るアメリカ合衆国の大統領だった。

『新約 とある魔術の禁書目録(3)』より引用

今回はぶっちゃけ微妙。というか一番読みづらかった。御坂美琴と一方通行が肩を並べて共闘するところとか設定は良かったけど、新しい登場人物が多かったり、視点が頻繁に切り替わるから読みづらい。

ストーリー自体は結構良くて、起承転結がしっかりしていた。特にラストのバードウェイのシーンは心躍らされた。これはぜひアニメで見てみたいと思う。どういう風に映像化されるのか気になる。

それと常に防犯カメラ目線だったのも新しい試みだと感じた。これがそのとおりにアニメ化されたら、実験として面白いと思う。成功するかどうかは全然保証できないけど。

僕としてはとりあえず美琴が活躍してくれたのでOKです。

『新約 とある魔術の禁書目録 (4)』感想

『11月13日より、我々反学園都市サイエンスガーディアン二七社は東欧のバゲージシティにおいて、格闘大会「ナチュラルセレクター」を開催します』そのアナウンスが始まりだった。第三次世界大戦を契機とし、反学園都市勢力は各地で様々な抵抗運動を模索していた。この『ナチュラルセレクター』では、トーナメント制の異種格闘大会を通じ、『超能力を凌駕する「異能」を証明する』ことを目的とした。それは、学園都市のアイデンティティを根本から破壊することに他ならない。魔術と科学の融合組織『グレムリン』の手を借り、その策謀は進む。そして。学園都市はそれを許さない。これは、たった三人の『木原』と。たった三人の『グレムリン』。それだけでは済まない、最悪の騒乱。

『新約 とある魔術の禁書目録(4)』より引用

今回は個人的にかなり面白かった。今までと違うのは上条当麻が頻繁に登場しないことだった。作者のあとがきにもあったが、上条当麻の名前は多くの登場人物の口から出ていた。だが、上条当麻は序盤と終盤しか登場しなかった。

科学サイドの木原一族と魔術サイドのグレムリンが戦うわけだが、ほとんど新キャラだ。だが、旧約15巻の暗部編のように、各章の間に登場人物の顔や生死が分かるようになっていたので、分かりやすかった。前回も新キャラが多かったわけだから、こんな感じにやってくれれば分かりやすかったと思う。

今回は全体論や量子論を扱っていて、難しい設定だったと感じた。僕は最近物理の本を読んでいたから理解できたものの、科学知識に乏しい人には厳しい内容だっただろう。それでもだいぶわかりやすく説明されていたと思う。
それと終盤にフィアンマやオッレルス、オティヌスといった異次元キャラが登場したのも熱かった。フィアンマが登場してくれたのは嬉しかったな。次巻がめちゃくちゃ楽しみになる終わり方だった。

『新約 とある魔術の禁書目録 (5)』感想

11月。超巨大文化祭『一端覧祭』の季節がやってきた。そんなさなかに、ようやく学園都市に戻ってきた上条当麻。ロシアより勃発した第三次世界大戦を起因とする『対グレムリン遠征』を経て、ついにインデックスや御坂美琴とのほのぼのした平穏な日常が戻ってきた―。そう楽観していた上条当麻だが、意外な人物の登場で、その願いは虚しく霧散することに!?彼の前に現れた最強の『敵』とは?セルフ迷子メーカーなフレメアの保護者となって学園都市内を走り回る浜面仕上や、打ち止め(ラストオーダー)の子守りでキレる平常運転な一方通行(アクセラレータ)、リハビリついでに手料理を作る麦野沈利などなど…学園都市を舞台として、『新約』シリーズは新展開に突入。

『新約 とある魔術の禁書目録(5)』より引用

学園都市の文化祭、一端覧祭編がついにスタート。まあ予想できていたけど、長編になりそうな予感。グレムリン、オッレルス、学園都市が対立するのだから面白くないわけがない。5巻は一端覧祭の準備段階となっている。魔術サイドの大物たちが学園都市に入り込んでいることが分かるのだが、フィアンマやオティヌスはまだ登場していない。どこで登場するのだろうか。

科学サイドも面白い展開になっている。垣根帝督がついに復活しそうだし、ラストには殺されたはずのフレンダが登場した。今まで以上の群像劇になる予感がしてたまらない。

また準備段階ということで、日常シーンが多めだった。主に科学サイドの日常シーンで、暗部で活躍していた麦野や一方通行の微笑ましいシーンが多い。御坂美琴はどんどん出番が減っているような気がするのが残念だが、まあこれから活躍するだろうからそれまで気長に待ちます。

『新約 とある魔術の禁書目録 (6)』感想

『一端覧祭』の準備期間は終わり、本番の時を迎えた。学園都市に、楽しげな人々の喧騒と賑やかな雑踏の音が響く。そして、同じ頃。街の裏側で起きている『事件』も、始まった。アレイスターの本拠『窓の無いビル』から彷徨い出た『不死の少女』フロイラインを巡り、怪物達が集結する。魔術と科学の組織『グレムリン』からは、霊装製造者マリアンと雷神トール。魔術サイドからは、『聖人』ブリュンヒルドとシルビア。学園都市からは、『超能力者(レベル5)』一方通行(アクセラレータ)、麦野沈利、そして御坂美琴。さらに、もはや『ヒト』の枠を超えた垣根提督。あらゆる“最強”が同時多発決戦を起こし、怪物達が巻き起こす嵐は『一端覧祭』開催中の学園都市を包み込む。その中で。重傷を負った“最弱”上条当麻が、フロイラインを追って走る―。

『新約 とある魔術の禁書目録(6)』より引用

今回は一つの集大成となった。もし新約がアニメ化するのであれば、6巻までを2クールで放送するのが丁度いいと思うので、マジでアニメ化に期待。

今回は様々なキャラが活躍したけど、やっぱり垣根帝督が一番活躍していた気がする。圧倒的悪のように扱われていたけど、旧約の頃から良心は垣間見えていた。その良心が発揮されたのが今回のストーリーだったと思う。スピンオフが制作されるほどの魅力は十分にあると思う。これもアニメ化を期待したい。

そして想像以上にオッレルスとフィアンマの出番がなかった。フィアンマに関しては一回も登場していない。オッレルスがフィアンマが誰にも気づかれずに自由に行動できることが収穫とか言ってたけど、僕としては早く出番が見たい。オティヌス、オッレルス、フィアンマのようなチート級のキャラが活躍するのはもう少し先か。

個人的には一端覧祭の日常エピソードをもう少し見たかったところだけど、これは次巻でやるのかな? それともスピンオフ作品で深堀りされるのかな。

『新約 とある魔術の禁書目録 (7)』感想

上条当麻が目覚めた場所は『暗闇の密室』だった。彼をそこに送り込んだのは、多角スパイ・土御門元春。この学園都市に、再び敵性魔術師が潜入し、持ち込んだ霊装で学園の壊滅を狙っているらしい。霊装による大規模術式発動阻止の『使命』を受けた上条は、残り数時間という緊急事態の中、急いで『暗闇の密室』から抜け出した!!―のだが、目の前に広がったのは、名門お嬢様女子校の更衣室で…。今回も爽快に不幸が炸裂する上条。ド変態の烙印を押され、凶暴な女学生たちから追われる中、途中で御坂美琴にも発見され、ついにチェックメイトかと思われたその瞬間…“幸運”にも、救いの手がさしのべられた。食蜂操祈。常盤台中学、第五位の超能力者『心理掌握(メンタルアウト』である少女から。この出会いは、偶然の産物か、それとも『何者か』による必然の産物か―。科学と魔術が交差するとき、物語は始まる!

『新約 とある魔術の禁書目録(7)』より引用

今回は科学サイド全振りの内容だった。初めに土御門元春から始まり、統括理事会や雲川芹亜のような学園都市の闇がメインとなっている。その中で超能力者が集結したり、自称ヒーローが数千人規模で動いていたりと、アニメ化されたらとてもインパクトがある内容だと思う。

最初土御門舞夏が亡くなったと知ったときはショッキングだったが、結局生きてたのかと思うとそれはそれで良かったと思う。やっぱり土御門元春好きです、僕。
そして、ついに食蜂操祈が登場。超電磁砲のアニメで登場していたが、禁書でお目にかかるのは初めて。まだ、大活躍しているわけではないし、この段階では過去のエピソードも謎のままなのでこれからの活躍に期待できる。

それと学園都市の技術がインフレし始めた気がした。超能力者の能力を自由に利用できるサイボーグとか、ヤバすぎでしょ。誰でもレベル5の能力を利用できるのはインフレが過ぎる。まあ、それぐらいやらないと魔術サイドとのバランスが取れないし、アレイスターはもっとヤバいのかと思うとワクワクもする。

新約になってからインデックスが全く活躍していないのも懸念点。美琴派の僕だけど、インデックスも好きなのでもっと活躍してほしいなぁと思う。

『新約 とある魔術の禁書目録 (8)』感想

全世界を、陰から操る『グレムリン』。その科学と魔術の融合組織が起こした様々な『脅威』―ハワイでのテロ行為、バゲージシティでの『実験』、学園都市に眠る『不死の存在』の奪取―には、全て理由があった。『グングニル』。魔神オティヌスの最終目的であるその神槍製造を止めるため、『魔神になり損ねた男』オッレルスは、姿形を雷神トールと偽り、『グレムリン』の本拠地・サルガッソーへ侵入、調査を開始する。世界崩壊のカウントダウンは、間近に迫っていた。ところで学園都市の落ちこぼれ生徒・上条当麻といえば、彼が朝自宅で目覚めたら、レイヴィニア(幼い少女)にレッサー(エロい少女)が同じ布団に入っていた。最新刊登場!

『新約 とある魔術の禁書目録(8)』より引用

ついにオティヌスが暴れ始めたこの回。ネット上でオティヌスを当麻がかばうことが分かっているけど、どうやってそんな展開になるのかわからないぐらい、オティヌスのバックグラウンドが描かれていない。これから描かれていくのだろう。

今回の最大の注目点はインデックスさんが活躍したこと。新約に入ってから初めての活躍だ。グレムリン相手でも強制詠唱(スペルインターセプト)は効果バツグン。魔神相手でも通用するスキルだな、これは。ただ、インデックスの強みは強制詠唱と自動書記(ヨハネのペン)しかないから、また新しいスキルみたいなのがあるといいよね。

それと他の巻に比べると日常シーンが盛りだくさんだった。前半はレッサー、バードウェイから始まって、インデックスと御坂美琴も参入して楽しい日常シーンだった。僕は美琴派だけど、下手したらそれと同じぐらいバードウェイとレッサーが推しです。本巻に限って言えば、レッサーは日常シーンのためにいるようなものだった。

さて衝撃のラストになった『禁書』だけど、ここからどのようにストーリーが広がっていくのか楽しみ。

『新約 とある魔術の禁書目録 (9)』感想

世界は滅んだ。オティヌスの支配は、成就した。闘いの舞台であるグレムリンの本拠地、東京湾上に浮かぶ『船の墓場』は消失した。それどころか、世界そのものも消えて無くなった。共に来たインデックスも、御坂美琴も、レッサーやバードウェイ達も当然消えた。統一された闇の空間。黒一色のそこに、上条当麻だけが残されていた。その理由は、ただ一つ。世界の基準点であり修復点でもある『右手』を持つからだった。神と成ったオティヌスにとって、上条当麻はすでに微塵も興味の無い存在となっていた。いつものように、ここから彼の逆転劇が始まる可能性は、全くない。ここうそういう『世界』だった。そして。そして。そして。これは、上条当麻の心を挫く物語。

『新約 とある魔術の禁書目録(9)』より引用

マジか、めちゃくちゃおもしろかった。これが上条いじめってやつか。
とあるシリーズでは妹達が1万回以上の死の体験をしてきたけど、それを超える回数上条当麻は何回も死んだことになる。いよいよ上条当麻も人間じゃなくなってきたな、と思ったけど、最後の最後までブレないのは本当にカッコいいです。こりゃ人気が出て当然だね。

そしてこのエピソードはアニメで見たいっていう気持ちとアニメで見たくないっていう2つの気持ちが芽生えた。
まず、上条当麻はいわゆるパラレルワールド(正確にいうと違うが)を何回も渡り歩いているけど、それをアニメで見てみたい。そもそも本巻はイラストがめちゃくちゃ良かった。上条さんが顔と腕だけになっているのをどう表現するのかも知りたいし、この壮大な世界観をどうアニメにするのかを見てみたい。
一方でそもそも原作の雰囲気を壊すことなく、アニメにすることが可能なのか、という疑問もある。ufotableだったら期待できる、A-1 Picturesでギリギリどうにかなるかぐらいだと思う。これをJ.C.STAFFが制作できるのか?、ということが頭に浮かぶ。
これだけ素晴らしい世界観を作り出しているのだから、安っぽいアニメにはしたくないという気持ちがある。オティヌスのエピソードだけ劇場版でやるとかすればなんとかなるかな。

そして次巻は上条当麻が世界を敵に回す展開だ。こんなの絶対面白いに決まっている。表紙のイラストがもうカッコいいもん。

『新約 とある魔術の禁書目録 (10)』感想

魔神オティヌスを救うため、全世界を敵にまわした上条当麻。今まで頼もしい味方だった、指折りの権力者、超能力者、魔術師、それらすべてが“強敵”として上条に襲いかかってくる。この闘いは、上条の人生の中でも生存確率がもっとも低く、もっとも絶望的だと思われた。…つまり、上条が帰った世界は、まるで『あの地獄』と同じ光景だったのだ。だが彼は屈しない。今度は一人ではなかったから。オティヌスを全世界から救う方法。それは『魔神オティヌスの無力化』だった。魔神から人に戻るためには、デンマークの古城にある『ミミルの泉』から魔神の片目を取り出す必要がある。さあ、目的は決まった。上条は戦う。たった一人の少女の命と笑顔を守るために

『新約 とある魔術の禁書目録(10)』より引用

上条当麻が世界中を敵に回してオティヌスを守り抜く巻。その際に今までの強キャラが登場しまくるボスラッシュ。これも面白かったな。

間に御坂美琴やインデックスさんがラッシュに加わってきたけど、これはほのぼのしててよかったな。御坂美琴と上条当麻の殴り合いはTVアニメで見てみたいかも。もしかしたら劇場版かもね。
個人的にはトールがめちゃくちゃ熱かった。やっぱりトールはカッコいいわ。

ラストはハッピーエンドで良かったけど、魔神クラスがドンドン登場することが分かって、それはえげつない。新約はインフレしすぎ、みたいな悪評価があるけど、確かにインフレはしてると思う。でもそれは割と段階的にインフレした結果だと思うんですよね。元々旧約の序盤から一方通行ぶち込んできたわけだし。

まあ次からの新章に期待です。

『新約 とある魔術の禁書目録 (11)』感想

「そういえば初めて『あの人』と出会ったのも、あの交差点だったかしら」食蜂操祈が初めて上条当麻と遭遇したのは、数多の魔道書を司る白いシスターが魔術の世界から逃げ出し空から降ってくる、ずっと前のことだった。今でも、食蜂操祈は覚えている。ツンツン頭の少年との想い出を。はじめは、新手のナンパかと思った。ある時は、水着を見られた。ある時は、バッグで頭をぶん殴った。ある時は、間接キスを経験させられた。そして、最後に―。命を救われた。それは、彼女の人生の中でも、一、二を争う『幸せな時代』。精神系最強の能力者『心理掌握(メンタルアウト)』の、大切な『記憶』だった。食蜂操祈の過去を紐解く物語が、今始まる。

『新約 とある魔術の禁書目録(11)』より引用

新約を読んていて、一番アニメ化してほしいエピソードだった。11巻は食蜂操祈がついに活躍する。中学1年生の頃の食蜂操祈が貧乳だったのはビックリ。それに思っていたよりも、キャラ崩壊してた。

一応TVアニメの超電磁砲の3期で食蜂操祈は活躍するわけだけど、基本的にはキャラを崩してなかったからね。上条さんの前だとあんな感じになるのか〜。これはぜひアニメでみたい。絶対見てやる。

肝心の内容だけど、日常シーンたっぷりだったのが良かった。だけど別に現在の時間軸でトラブルを起こさなくても良かったかな。過去のエピソードを重点化したほうが、食蜂操祈の魅力を伝えることができたとは思う。まあ、それはそれで緊迫感なくなっちゃうんだけど。

ひとまず、本巻で僕の中の推しランキングで食蜂操祈は急上昇してきました。これからの活躍に期待です。

『新約 とある魔術の禁書目録 (12)』感想

上条当麻は、全世界からオティヌスを守った。『魔神』の力を失った彼女は、小さな妖精さんとなり上条家の居候となる。そう、上条は『日常』を取り戻したのだ。しかし。新たな脅威は、すぐに来た。―『魔神』が動くぞ。―サンジェルマン。それが全てを手に入れる者の名だ。学園都市の巨大複合商業ビルにて、上条とサンジェルマンは、相まみえる。そんな最悪の状況に巻き込まれたのは、買い物中の『アイテム』の面々、浜面仕上、そして学園都市第六位の超能力者・藍花悦―の紛い物。激突が、始まる。

『新約 とある魔術の禁書目録(12)』より引用

12巻は比較的大人しめの内容。鎌池和馬のあとがきいわく、「嘘」がテーマになっていたのが印象深かった。

さて、ここでやっと学園都市第六位の藍花悦が登場する。と思っていたけど、偽物だったね。結局どんな人物なのか分からずじまいだったけど、これから登場してくるのが楽しみだ。

今回の敵であるサンジェルマンはまさに魔術の象徴というか。魔術師は世界中の人々が信仰している宗教や神話に則って、魔術を構築する。でもそれって、ただの幻想なわけだよね。だったら嘘でも魔術って形成できるよね、って感じだった。この設定はちょっと面白かったな。

それから完全にオティヌスはギャグ要因になってしまった。アニメ化したら、禁書目録たんみたいなキャラデザになるのかな?

『新約 とある魔術の禁書目録 (13)』感想

上条当麻は、疾走していた。ハイテク自転車『アクロバイク』で学園都市を逃げ回る。背中には、彼の腰にしっかりと手を回し、振り落とされないようにしがみつく御坂美琴の姿があった。―二人の背後から、『巨大な闇』が迫る。その『真の魔神』は、次元すら超越するほどの圧倒的な破壊の力で、上条を追う。もはや上条や美琴では太刀打ちできない。しかしそこに意外な人物が救いの手を差し伸べ…!同じ時。背中を預けながら戦う美琴の胸中にはどこか穏やかでない『上条への想い』がくすぶり始めていた…。『グレムリン:魔神襲来』編!科学と魔術が交差するとき、物語は始まる!

『新約 とある魔術の禁書目録(13)』より引用

ついに、やっと、美琴メイン回!待ち望んでいました!
いつもはポジティブシンキングの美琴だけど、スケールの違う上条当麻と魔神の攻防に何も出来なくて、かなり苦しい状況になってきた。なるほど、ここから闇落ちしていくのか。確かに美琴みたいなタイプからしたら、好きな人の役に立てないっていうのはめちゃくちゃ辛いことだな。

さて、今回のメインの敵だった僧正も中々面白い設定。即仏身は初めて知ったな。仏教もっと勉強しておこう。
仏教は何度も何度も転生して、その中でも修行を続けることで仏になれるのだそう。それを人生一周目でやっちゃうのが即身仏。良いことを学んだ。禁書は気軽に教養を学べたりするのがいいところ。

『新約 とある魔術の禁書目録 (14)』感想

世界を何万回でも塵にすることができる真性の『魔神』達。そんな無敵の存在らを、一瞬で消し去る少年がいた。少年は『どこにでもいる平凡な高校生』にして、しかし同時に最大最悪の『理想送り』を右手に宿す存在。もう一人の『どこにでもいる平凡な男子高校生』上条当麻の『幻想殺し』と、表裏一体でもあった。少年二人は、学園都市の暗闇で対峙した。この勝負の鍵を握るのは、レイヴィニアとパトリシア、二人のバードウェイ姉妹で…!?極大のイレギュラー同士が、ついに激突する…!

『新約 とある魔術の禁書目録(14)』より引用

ついに上里翔流が登場。『理想送り』、強すぎだね。でも設定としてはかなり面白いかも。

そしてここにきて初めてレイヴィニア・バードウェイがメインの回になってきた。今までレイヴィニアは謎の多い存在で近寄りがたい雰囲気があったけれども、ちょっと事情を知っているだけでも親近感増すね。

そしてネフティスが中々感動した! 自分の神としての役割を最大限活かして、パトリシアを復活させたところはよかった。なによりもあのイラストがよかった。

一方でラストの上条当麻と上里翔流のイラストもカッコよかったな。現段階では『幻想殺し』についてはほとんど分かってきた感じだけど、なぜ上条当麻に『幻想殺し』が取り憑いたのか。そして『幻想殺し』の奥にある不可解な力が何なのか。改めて問題提起させられるシーンでした。ここまでハッキリしない主人公って中々ないんじゃ。

鎌池和馬先生のあとがきにもあったけど、学園都市の学生寮っていうある意味『聖域』を、容赦無く洗浄にしてた。物語のストーリー的に学園都市が舞台になってきているけど、いつか崩壊しちゃうんじゃないだろうか。

『新約 とある魔術の禁書目録 (15)』感想

「ぼくの『理想送り』ときみの『幻想殺し』。ぶつかったらどっちが勝つのかな?」神をも凌駕する右手を持つ少年二人の激突から一夜明け。上条当麻と上里翔流は、譲れない想いを胸に、学校の食堂で献立片手に睨み合う!?世界を賭けた戦いよりも留年の脅威を感じ、それどころではない上条。一方の上里も、なぜかフレンドリーに接してくる。これは意外にも熱き友情路線にルート変更か?と感じた刹那。街に半裸レインコートの少女が現れた。その半裸少女の正体は、謎の第三勢力…ではなく、あの上里さえも畏怖する妹・去鳴で―!?

『新約 とある魔術の禁書目録(15)』より引用

15巻では上里翔流率いる上里勢力が深堀り。上里翔流は上条当麻と同様に、チート級能力を持っていてハーレム属性も兼ね備えているTHE主人公って感じのキャラ。だけど、どこか道のりを間違えてしまったがために、ズレた考え方をしてしまった人間でもある。一見、上里の義理の妹の去鳴がやばく見えたけど、こいつが一番マトモなんじゃないかって思えるぐらいだった。

そしてついに御坂美琴が闇落ち。これ、TVアニメ化されるの想像つかないな。特にラストで美琴がおかしくなるところとか全然想像できない。この闇落ち御坂を誰がどうやって救うのだろうか。やっぱり上条さんかな。

ここ最近、一方通行の出番がめちゃくちゃ少ないのが気になるところ。上里翔流とキャラが被っている気もするしね。まあ一方通行はアレイスター戦で活躍しそうな予感。期待しておきます。

『新約 とある魔術の禁書目録 (16)』感想

上里翔流が消えてから三日。次なる戦いに身をうつした上条だったが、その先に待ち受けていたのは、水着姿の食蜂操祈や御坂美琴をはじめとする、お嬢様だらけの常盤台中学だった…?季節は冬。12月の学園都市―にもかかわらず、気温は摂氏50度を超えていた。原因不明の大熱波により、学園都市のインフラ全てが機能停止する中、その『予測不能な脅威』はやってきた。エレメント。灼熱地獄を這う異形の化け物。ヤツらに唯一対抗できる『右手』でもって、上条は激戦地へ向かうも多勢に無勢。そんな窮地に現れたのは、異形の機械『対魔術式駆動鎧』に包まれたあの少女で…?

『新約 とある魔術の禁書目録(16)』より引用

これも今までの禁書の中でトップクラスに面白い内容だった。まず、常盤台中学のお嬢様が一挙に登場したのが良かった。禁書が好きな人は大体スピンオフの超電磁砲も好きだから、白井黒子とか登場してくれたのは熱かった。なんだかんだ新約で初めて登場したのでは?
そして、食蜂操祈も本格的に上条さんにアタックしてきた感じ。めちゃくちゃ可愛いっす。一方で美琴の様子はA.A.Aの影響でおかしくなったかと思っていたけど、思っていたよりも普通っぽい。ただ精神的にダメージは入ってるっぽいな。表紙を見て、この巻でA.A.A問題が解決するって思ってたけど、まだまだ道のりは長そう。

そして上里勢力にも大問題発生。まさかの上里翔流が消滅する展開になってしまうとは。多分、向こうの世界で生きているんだろうけれども、この展開は意外だな。まあなんだかんだ上条当麻も何回か死んでいる?わけだから、やっぱり上条さんと上里さんはリンクしている感じですね。

なにはともあれ、次の巻が楽しみです。

『新約 とある魔術の禁書目録 (17)』感想

大熱波が去り、復旧モードの学園都市。上里翔流帰還を信じる『上里勢力』の少女たちが、自由気ままに暴れ回る!追跡のエキスパート『辿り屋』絵恋、直接戦闘を得意とする変幻自在の海賊少女の流華、ネットを駆使して大衆を操る幽霊小女の冥亞…。木原唯一に『右手』を盾にされ、上条当麻抹殺を命じられた彼女達だが、その芯は変わらない。想い人を取り戻す。その信念ゆえに突き進む。全てを賭して襲い来る少女達から逃走する上条。味方は、『上里勢力』からたった一人ついてきたUFO少女・府蘭だけだった。この劣勢状況下こそ、彼の真髄が発揮される時。さあ、上里翔流を救え。彼女達の哀しい暴走を止め、この争いに終止符を打つために。

『新約 とある魔術の禁書目録(17)』より引用

新約17巻は読み終わるまでにマジで1ヶ月かかった。17巻がつまらなかったわけではなくて、純粋に時間がなかった。前巻の展開の続きのストーリーだったけれども、予想外の展開が多かった。特に御坂美琴がダメージを受けていたのが印象的。なんだかんだ美琴がまともにダメージを受けたのは初めてなのでは? まだまだA.A.A.を使う雰囲気だったから、この問題の解決はお預けか。
それと本巻で学園都市がぐちゃぐちゃになったわけだけど、一方通行や浜面仕上がどのように動いていたのか一切語られなかった。これはスピンオフ作品に盛り込んでいくのかな。

そして最後の最後で土御門元春が登場。この問題を作り出したのは土御門元春ってことでいいんだよね?
しかも上条当麻を容赦無く使い回すって…、舞夏のためだったら容赦ないっすね。しかもしかも、本巻も中々のボリュームだったのに次巻もスタートから大変なことになりそう。続きが楽しみ。

『新約 とある魔術の禁書目録 (18)』感想

学園都市の支配者に狙われた土御門元春と府蘭。上条当麻の部屋に転がり込んだ二人は、最終手段として学園都市からの脱出を試みる。しかし、緑色の手術衣を着た男は彼らを決して逃さない。その毒牙、魔術の『業』による攻撃で土御門の妹・舞夏が蝕まれてゆく。事態を打破するため、上条と土御門は、学園都市統括理事長の本拠『窓のないビル』突入を決意した。待ち受けていたのは、支配者の精神を象徴するかの如き巨大な虚無の空間。ついに、幕は開く。これより始まるのは、アレイスター=クロウリーの物語である。

『新約 とある魔術の禁書目録(18)』より引用

ついに科学サイドの大ボス、アレイスターと対峙することに。鎌池和馬先生もあとがきで言っていたけど、終始アレイスターが暴れている感じだった。今まで謎に包まれていたアレイスターの歴史を学ぶことができたし、上条当麻の幻想殺しの秘密も少しだけ分かったので、新約シリーズの中でも中々面白い一冊となった。

ストーリー展開としては思っていたよりもあっさりしていた。あれだけラスボス感があった割には、窓のないビルの攻略もなんか簡単だったし。チート級だと思っていたアレイスターも、いつもどおり右腕のワンパンKOだったし。そこに久しぶりのローラ=スチュアートが登場するのも驚いたし、アレイスターが余裕な顔で復活するのも驚いた。
それと御坂美琴と食蜂操祈のペアがここ最近活躍している。だけど一方通行や浜面仕上が全く登場しないのが気になる。次巻でそろそろ活躍してくれないかな。

ラスボス級の存在感を見せるアレイスター編が1巻で終わるはずがないので、次巻は続きのような感じになるんだと思う。とても楽しみだ。

『新約 とある魔術の禁書目録 (19)』感想

打倒したはずの学園都市統括理事長が美少女に姿を変え復活し――!?

目を覚ますと頭の先から足の裏までびっちり特殊なスーツに覆われて脱げない浜面。何かしらの犯罪に巻き込まれ街中どころか一方通行まで敵に回した彼は途中、新たな厄介ごとを背負う。それは道端に捨てられた小さな赤ん坊。その手首のタグにはLから始まる六文字が刻まれていて? 果たして馬鹿なヤンキー浜面はミニスカサンタで巨乳な恋人・滝壺理后に気づいてもらえるのか。
一方その頃上条は窮地。何だか知らんが究極美少女と化した滅法大人気ないアレイスターから逆セクハラをお見舞いされていた。相手は宿敵だが究で極な美少女、どうするツンツン頭!

『新約 とある魔術の禁書目録(19)』より引用

アレイスターが美少女化してしまった。これはアニメで見てみたいと思う。

さて、今回はサスペンス形式になっていたのが面白かった。今回の事件に実行犯は誰なのか。コロンゾンが主犯なのは間違いないけど、学園都市を混乱に陥れたのは一体何だったのか。普通の考え方でいくと赤ちゃんのリリスなのだけれども、それはミスリードでまさかの府蘭。確かにコロンゾンに最も深く関わっていたのは府蘭だったから、冷静に考察しながら読めば推測できだね。それにしてもストーリーは普通に面白かった。

そして超久しぶりに浜面仕上と一方通行がメインで活躍。浜面くんが登場してくれたのでそれと同時にアイテムの連中も久しぶりに登場してくれた。個人的に絹旗が好きだったけれども、滝壺が『冴えカノ』の加藤恵と被ってきてしまって滝壺に浮気しそうになってる。やっぱりキャラが魅力的だな、『禁書』は。

次回はついにイギリスとの全面戦争になるとのことなので、シスター達やイギリス清教の連中に久しぶりに会えそう。オティヌス編以来の登場かな。楽しみです。

『新約 とある魔術の禁書目録 (20)』感想

学園都市とイギリス清教の全面戦争、勃発――

自らの根城・学園都市を躊躇なく捨てたアレイスターは魔術大国イギリスへの総攻撃を開始する。一見非道な作戦には、しかし何故か上条やインデックス、一方通行、浜面や滝壺の姿も見え――。
大天使エイワスの力をも凌駕する大悪魔コロンゾンの封印は遠からず解かれる。その前にロンドンでヤツの弱点を掴まなければならないのだが、大悪魔が憑依していたローラが率いていたイギリス清教にとっては、それは科学サイドからの侵攻としか見えない。
誰も望まない決戦に、上条は挑んでいた。そんな熾烈な状況下で、彼の窮地を救ったのは、まさかの管理人系ほんわか天然お姉さん、オルソラで???

『新約 とある魔術の禁書目録(20)』より引用

今までの『禁書』の中でテーマとしては一番面白く感じることができた。本巻のテーマは「イギリス人目線のエジプト神話」。ロンドンではイギリス人目線のエジプト神話が具現化されている状態になってしまっていて、これは非常に興味深かったなぁと。
例えば日本人って真面目で勤勉な印象があるらしいけど、僕ら日本人としては当たり前過ぎて実感持てないよね。逆にラテン系の人はちゃらんぽらんなイメージがあるけれども、そんなの実際に行ってみないと分からないわけで。こんな感じの幻想が宗教や神話にも当てはまるよねってことですよ。
ギリシア神話に出てくるゼウスとか、僕たち若者からしたらパズドラのゼウスみたいなイメージになってるもん。

そしてオルソラがラスボス展開になってしまったのはかなり辛かった。作者があとがきでも言っていたけど、イギリス清教の中で誰を敵にするのが一番怖いかって考えてみると、確かにオルソラ一択なんだよな。善と悪ってそれぞれ自分の正義があるから本当に紙一重なのだと思う。

いやぁ、本巻は特に勉強になりました。宗教学についてもシナリオ制作についても。

『新約 とある魔術の禁書目録 (21)』感想

科学対魔術。100年越しの決着が今ここに……!

アレイスターはついに大悪魔コロンゾン打破のキーポイント、ウェストミンスター寺院の墓地にたどり着く。そこで目撃したのは――
世界最大の魔術結社『黄金』の長、メイザース。100年前、因縁の地・ブライスロードで両断したはずの男だった。
メイザースだけではない。彼が率いていた強大な『黄金』の魔術師たちも一斉に科学の長に牙を向ける。魔術の腕ではメイザースに勝てない。なす術もないアレイスターだが、科学の地を作り、そこで積み重ねた一〇〇年は無駄ではなかった。
上条当麻と一方通行。科学の総本山・学園都市で積み重ねた努力の『成果』である二人が、ついに最大最強のメイザースに立ち向かう――!

『新約 とある魔術の禁書目録(21)』より引用

本巻も面白かった。やっぱり『禁書』は終盤になるにつれて面白くなってくる。
今回の敵は魔術結社「黄金」を率いるメイザース。とにかくメイザースがシンプルに強かった。鎌池先生もあとがきで言っていたけど、メイザースはシンプルな強さを意識してたね。単純な魔術の精度の高さとかパワーとか。ということなので今回のトラブルを解決するにはメイザースそのものを倒すというよりも、システムを破壊することに重きが置かれていた。こういうシナリオが多いのもインフレしすぎてしまった『禁書』あるあるだと思う。

そして上条当麻だけではなく、浜面仕上やアクセラレータも活躍するようになってきた。この終わり方を見ても、次巻は浜面仕上が全部持っていく流れになってきそうだな。

それと美琴と食蜂が大活躍。食蜂、キャラ崩壊してる気がするけどこっちが本性ってことがいいのかな。というか『禁書』の中で美琴・食蜂の百合カップルが生まれつつある。これは『超電磁砲』のいい材料になりそう。引き続き注目です。

『新約 とある魔術の禁書目録 (22)』感想

大悪魔コロンゾンがその本性を現した。アレイスターは凶刃に倒れ、もはや世界の行方は誰にも分からない。上条当麻と一方通行は対抗するため立ち向かうが…。スコットランドを中心とした世界崩壊が迫るとき、美琴や食蜂が見た激突の結末は意外なもので―!!一方、全てを掌握するコロンゾンにも読みきれない誤算があった。浜面仕上。目の前で消えた滝壺を救うため、正真正銘の『無能力者』にして予測不能のトリックスターが動き出す。世界の運命は、三人の主人公に委ねられた。『新約』の全てが交差する時、最大の決戦が始まる!!

『新約 とある魔術の禁書目録(22)』より引用

ついにコロンゾンとの決戦になった。僕個人としては右方のフィアンマ戦の方が好き。コロンゾン戦は一方通行が無双しすぎてた感がある。あれはあれで良かったけど。
今までは傍観を決めていた浜面仕上が主人公プレイしていたのは良かったけれども、こちらもフィアンマ戦と比べると…って感じ。そして上条さんはまだまだ本領発揮していなさそう。幻想殺しの奥に潜む「神浄の討魔」の本性が現れるところで物語は終了したので、次が気になる展開にはなった。

終盤ではアレイスターがついに死亡するかと思いきや、またまた蘇った。しかもコロンゾンの体を借りる形で。相変わらず不死身だなぁと思いつつ、なんだかんだで誰も死なない禁書の物語、結構好きです。
それといつもより禁書目録が活躍していたのが良かった。フィアンマ戦の時はマジで何もしてなかったけど、コロンゾン戦はそこそこ頑張っていた。

そして今回はいつも以上にも、世界観・設定が分かりづらかった。キリスト教やエジプト神話を深堀りしてきた感があるので、聖書とかそろそろ読まないと対応できないかな。笑

『新約 とある魔術の禁書目録 (22)リバース』感想

世界破滅を狙った大悪魔コロンゾンの脅威は去った。『学園都市統括理事長アレイスターの犠牲』という多大なる損失と引き換えに、上条当麻はついに、ついに科学と魔術の世界を救ったのだ。ここはイギリス清教の聖地・ウィンザー城。祝勝会にて熱烈な歓迎を受ける上条が目を向けると、そこにはインデックス、御坂美琴、食蜂祈操らの姿も確認できる。本当に、『平和』が訪れたのだ。―しかし。なにかを忘れてはいないだろうか。…そう、コロンゾン戦直後。上条の右手は破裂してしまっているはずで!?そして。ウィンザー城へ怪物が襲来する。翼を持つトカゲが示すものとは。これは、魔術と科学が交差する、その集結の物語。『新約』編の結末を見届けよ!

『新約 とある魔術の禁書目録(22)リバース』より引用

ついに『新約編』が終了…。2021年1月から読みはじめて、2021年6月13日に新約を読了。まあ中々の時間がかかりましたわ。

前巻ではコロンゾンっていうラスボスを撃破したのだけれども、本巻では上条当麻がラスボスだった。考え方としては「上条当麻VS幻想殺し」といったところ。作中にもあったけど、学園都市第二位の未元物質(ダークマター)と垣根帝督の分裂みたいに考えると分かりやすい。
これによって旧約1巻で起こった上条当麻の記憶喪失との因縁が払拭されている。そう、上条当麻から分離した幻想殺しは記憶喪失前の記憶を保有しているのだ。だから食蜂は幻想殺し側についてしまうし、インデックスや御坂美琴も悲惨な戦いをする羽目になってしまった。
ネット上では「上条当麻の記憶喪失って結局なんなの?」みたいな評価がされるのだけれども、本巻を読めば理解できるようになるのではないだろうか。

これで新約も終わりなのだが、正直ここで終わってしまってもいいぐらいの展開だったと思う。ただ、次回シリーズの『創約』という名前の通り、統括理事長となったアクセラレータが中心となって学園都市を作り変えるストーリーになっていくのだろう。続きがとても楽しみだ。

『創約 とある魔術の禁書目録』の感想

いよいよ『創約』に到達した。ここからは本当に情報がなにもないので新鮮な気持ちで読み進めることができると思う。中高生の登場人物がどのように大人になっていくのか。リアルタイムで見届けていきたいと思う。

『創約 とある魔術の禁書目録 (1)』感想

科学と魔術が混在する世界。ここは、超能力をカリキュラムとする科学サイド最高峰の学園都市。人口の8割が学生というこの街で、ついに、あらゆる住人がウキウキソワソワする季節がやってきた!クリスマス・イヴである。街並みからして楽しげな喧噪を見せる中、平凡な落ちこぼれ少年・上条当麻もこのイベントに乗り遅れまいと!補習に勤しんでいた…。デフォルトの不幸体質野郎を尻目に、彼の寮に居候する銀髪シスター・インデックスはいつもと違う心躍る光景に、新たな食いしん坊スキルを発動!?それを必死で止めようとする上条の前には、イヴの空気にやられた御坂美琴まで現れて、『創約』編は賑やかに開幕する!!

『創約 とある魔術の禁書目録』より引用

ついに始まった創約編。アレイスターとかコロンゾンとかが倒されて、魔術サイド科学サイドの両トップ消えた世界で新しい法則が生まれようとしているのが分かる。特に魔術とインターネットの組み合わせはヤバいね。魔法名を背負わないから、魔術の威力自体は大したことないけど、みんなが魔術を使えるようになっちゃったら相当厄介だと思う。

それとクリスマスということで、美琴とインデックスの日常パートがあったのは良かった。非常に仲睦まじい…。癒やされました。

ちなみにこの段階でも学園都市第6位の藍花悦の正体はよくわからないし、聖人達も全員登場しているわけではないのでまだまだネタはたくさんありそう。なんせ現実世界の最先端技術を作品内に取り入れるほどなので、いずれはVRとかARとかのネタも本格的に登場しそう。科学サイドの進化が楽しみだ。

『創約 とある魔術の禁書目録 (2)』感想

気づけば上条当麻は病院にいた。魔術結社『薔薇十字』アンナ=シュプレンゲルと口づけを交わしたところまでは記憶があるのだが…。しかし待って欲しい。思春期まっただ中の健康な男子高校生、上条当麻が謎の美女とファーストキス―。時は流れて現在。彼が担ぎ込まれた病院には御坂美琴やインデックス、そして別行動の蜂蜜色の少女までやってきていた!科学と魔術が交差する恐怖の糾弾大会が始まる―と思いきや、なぜか美少女たちによる看護ラッシュに移行して!?アンナの思惑を察知した美琴と食蜂。犬猿の二人は同じ目的のために手を組んだ。ここに最強の超能力者コンビが誕生する!!

『創約 とある魔術の禁書目録(2)』より引用

ちょっと退屈な内容だった。構図としては新約の僧正戦にちょっと似ている気がする。どう考えても敵の方が圧倒的に強いんだけど、なんだかんだ切り抜けるみたいな。学園都市が舞台になっている点でもよく似ている。

本巻では御坂美琴と食蜂操祈がタッグを組んでいたことがストロングポイントだが、ここからどのように成長していくのか全く予測できない。というかここからさらに強くすることができるのだろうか。もうレベル6への到達しかない気がする。

そもそもアンナはどうやって倒すことが出来るのだろう。というか創約の序盤の序盤でアンナが活躍しているわけだが、ここからどのようにインフレしていくのだろう。魔術サイドは掘り下げ尽くした感があるので、やはり科学サイドの成長がキーになってくるのか。

唯一ハラハラしたのが学園都市第6位の藍花悦の登場。こいつが鍵になるのかも知れない。いずれにしてもそろそろレベル6が登場してくるのかも知れないし、旧約から放置され続けている「原石」の伏線も回収していくのだろう。

『創約 とある魔術の禁書目録 (3)』感想

『暗部』と『警備員』の殺し合い。黒子は学園都市の闇に足を踏み入れる!

愛しのお姉様・御坂美琴と二人っきりで過ごす魅惑のクリスマスが、ついにこの手に……! と期待していた白井黒子だったが、気づけばなぜか彼女の隣には頭髪バーコードでメガネ装備の『警備員』のおじさんが……!?
聖なる夜、『風紀委員』の黒子に課されたのはオペレーションネーム・ハンドカフス、学園都市の『暗部』を全て潰す計画だった。そのリストの中には、浜面仕上や滝壺理后の名も含まれており……。追う者と追われる者、双方が生き残るために否応なく激突する中、ふとどちらもが感じた。……この計画は、何かが妙だと。
事態打破の鍵となるのは『学園都市最大の禁忌』という謎のフレーズで――!

『創約 とある魔術の禁書目録(3)』より引用

今回の『禁書』は浜面仕上と白井黒子の2人の視点からストーリーが進んだ。一方通行のハンドカフス計画が実行され、暗部を一掃することに。しかしそこにアンナが乱入し、事態は大混乱の群像劇に。終始スリリングな展開で、読んでいてヒヤヒヤする内容だった。

『暗部』対『アンチスキル』・『ジャッジメント』がテーマとなっているわけだが、そこに『ニコラウスの金貨』というアクセントがついたストーリーとなっている。『ニコラウスの金貨』はどんな願いも叶えることができる奇跡のアイテムなのだが、1時間のチャージ時間が必要なため、使い所が重要になってくるのが肝だ。このアイテムによって、通常ではありえないシナリオ展開がされていくのが興味深い。

そしてネタバレにはなるが、今まであまりフォーカスされなかった『学園都市の脱出方法』が『学園都市最大の禁忌』だった。最終的に浜面は学園都市を脱出する権利を得ることができたのだが、それを自ら放棄し、学園都市に戻ることに。しかしそこで銃撃されてしまうところで、本巻は終了。非常に続きの気になる内容となってきた。兎にも角にも、当分は学園都市の深堀りがされていくだろう。

『創約 とある魔術の禁書目録 (4)』感想

母と娘の絆を取り戻すため、上条は極寒のロスをただ、走る!!

あががが……寒すぎて死んじゃうぞ、ちくしょう!
病院のベッドからどうにか抜け出した上条当麻が降り立ったのは、温暖なはずが極寒となったロサンゼルス!? ……しかも全人口消失という異様な状況で……!?
アンナ率いるR&Cオカルティクスが引き起こしたこの異常事態下で、上条とインデックスは共に事件解決に挑んでいく。
強襲する敵の魔術師を躱した先に出会ったのは、たった唯一の生存者である銀髪褐色の幼い少女、そしてその母親の『痕跡』だった――。
母と娘の想いを上条が受け継ぐとき、その『暗闇』は打ち破られる!!

『創約 とある魔術の禁書目録(4)』より引用

舞台がロサンゼルスに移動した。そして舞台がロサンゼルスだからか、現実世界のGAFAのような雰囲気を感じた。R&Cオカルティクスとは、現実世界でいうGoogleのような立ち位置にある組織であることは間違いない。

そして本巻のメインキャラであるメルザベス=グローリーはスペースエンゲージと呼ばれるスタートアップを立ち上げているが、こちらは現実世界で言うところのSpaceXのような立ち位置だろう。まあ、SpaceXは割と独立した企業ではあるが。

この点を踏まえながら読み進めていくと結構面白くなる。本巻は現実世界に対する鎌池先生の考えが反映されているような気がするからだ。

一方で、アクセラレータの裁判の結果も気になるところだ。そして、次巻は上条当麻がついに暗部と関わっていくようになる。続きがとても楽しみだ。

『創約 とある魔術の禁書目録 (5)』感想

「どなたでしょう……?」「少女はアリスですっ。せんせいが好きなのです」

冬休み、年末の学園都市。
ある朝、上条当麻が目を覚ますと何故か同じ毛布にアリスという謎の金髪少女が!? しかし、この状況に振り回されていはいられない! 『ハンドカフス』で壊滅した『暗部』、その生き残りを乗せた装甲列車が衝突事故を起こし、凶悪な囚人達が外に逃げ出したのだ。
激化する戦闘、露わになる『暗部』の恐怖。しかし何も知らない上条達がとっさに手を差し伸べたのは、よりにもよって滅法凶悪な花露妖宴で?
上条と共闘することになった『暗部』は、少しだけ何かが違う。お人好しバカ上条当麻(謎の少女アリス付き)と極限の闇が交差する時、物語は始まる――!

『創約 とある魔術の禁書目録 (5)』より引用

上条当麻がついに暗部の世界に参戦。しかも、御坂美琴ではなく白井黒子と共闘するのがいい感じ。元々、黒子の能力は使い勝手が良いからね。

それと花露妖宴がめちゃくちゃヒロインしてたのが良かった。鬼滅の刃の胡蝶しのぶをめちゃくちゃダークにした雰囲気で、意外にツボかもしれない。

一方通行、浜面仕上も実質的に参戦している。ただ、一方通行に関しては高みの見物感が強い。当分、戦闘面では活躍しないかな?

そして創約のメインヒロイン的存在になりそうなアリスが登場。結局ロリなんだなぁと思いつつ、今までにない存在だった。

アリスは「ストーリーを書き換える能力」を保有しており、上条当麻のストーリーを都合の良いように書き換えていた。そのため、5巻の前半は『アリスが都合を良くした世界』、後半は『本来の現実が厳しい世界』という分け方をしていた。いわゆるギャルゲーに近い形で進行していたのが斬新かつ興味深い。

『創約 とある魔術の禁書目録 (6)』の感想

学園都市外の渋谷で、規格外の力を持ったお姉さん方が上条争奪戦を開始!?

一二月三一日。
金欠不幸少年・上条当麻が、頼れるセンパイ雲川芹亜に誘われてバイトにやってきたのはなんと渋谷!? 
しかも、アウェイの中のアウェイであるこの街で、『あの』アリスのお仲間と思しき超絶の魔女アラディアが襲いかかってきた。彼女の狙いは、上条の命そのもので――!!
渋谷の喧噪、刹那の隙に、アラディアの右手が少年の体を破壊し、上条当麻の殺害は完了した……かに思えた瞬間、彼に手を差し伸べ窮地を救ったのは、ボロニイサキュバスと名乗る、すげえー格好のセクシーお姉さん!? そんなお姉さんに手を引かれ、地獄の逃避行が始まる!

『創約 とある魔術の禁書目録 (6)』より引用

ついに『禁書目録』の中で1年が終わる…。上条当麻とインデックスが出会ったのが7月20日なので、12月31日までは約5ヶ月。それを描くのに18年もの年月をかけてきたわけだ。感慨深いものがある。逆に言うと、上条当麻の5ヶ月間が濃密すぎ。

そして今回は、渋谷が舞台となっている。今までは学園都市か海外が舞台であることがほどんどだったので、現実味のある舞台設定は久しぶりだ。しかも、ちゃんと渋谷をやっている。まあ、年越しイベント中の渋谷なので、それはそれで非現実的かもしれないけど…。

それと本巻では、なんだかよくわからない女神たちが新キャラとして登場する。それに原点回帰というか「魔術ってそういうものだったよね」みたいなラストで締め括られるのが高ポイントだ。

『創約 とある魔術の禁書目録 (7)』の感想

年が明ければ、ルールが変わる。一月一日に待っていたのは不思議の国!?

ハッピー・ニュー・イヤー! 大晦日も『不幸』だった上条当麻は心機一転、初詣に! ただし、上条『殺害派』のアラディアさん(撃破&手足拘束済み)も一緒です!
神話や宗教を一纏めにした第一二学区で屋台を堪能中、振袖姿の御坂美琴に食蜂操祈ら常盤台のお騒がせ女子達とも合流、みんなで神社で手を合わせることに。
そこで上条は決意する。学園都市をじわりと追い詰める『橋架結社』の本拠地を突き止めると。雲川芹亜がボロニイサキュバスに仕掛けた発信機があれば実際にできるのだ。
そして上条は発信機をONしようとするが……しかし、アリスはすでに、彼女の方から、ここ学園都市にやってきていた!

『創約 とある魔術の禁書目録 (7)』より引用

ついについに一月一日に! 

そしてこの創約シリーズもいよいよ面白くなってきた感じがある。超絶者が学園都市に潜り込むことに成功し、科学と魔術がより交差する状況になった。終盤になってからは上条当麻とアリスが対立し、そして最終的には上条当麻がアンナを連れ出して逃げる展開に……。まさか正ヒロインがアンナになるとは……。まあ、アリスもいずれ救われるのだろう。どちらがオティヌス的な扱いになるのかな。

それとなんだかんだで、御坂美琴とか食蜂操祈とか一方通行とかの学園都市お馴染みのキャラも多く登場している。また、アレイスターやヒューズ=カザキリなどの超強力なキャラも引き続き登場しており、ここからは群像劇的な展開になりそう。

『とある科学の超電磁砲』の感想

『超電磁砲』15周年を記念し、美琴たちの日常を原作者・鎌池和馬が描く!

『白井黒子は躊躇わない』――夢の金曜日。黒子は御坂美琴との熱烈な週末に備えていた。だが、最強メガネ巨乳、固法先輩との格技の稽古の知らせが届き……。
『佐天涙子のドロドロ血祭りパラダイス☆』――風紀委員一七七支部に遊びに来た佐天。血糊をペタペタ死んだふりで初春を驚かそうとするが……。
『初春飾利もマジメに仕事する』――イグジットApp。恐怖を感じることなく本当に死ねる自殺ツールが学園都市で流行する。風紀委員として調査をする初春は捜査の中で開発者を名乗る少女と出会う――。
『御坂美琴とお嬢の終わり』――『学舎の園』でありえない事件が起こる。お嬢様空間の日常が終わりを告げる。消えたクラスメイトを追う美琴だったが……。

コミック連載15周年を記念し、平和で平凡で、ちょっぴり変わった能力者の少女たちの日常を原作者・鎌池和馬が描く!

『とある科学の超電磁砲』より引用

『超電磁砲』のコミックスが15周年ということで、鎌池先生が美琴たちの日常を描いたスピンオフとなっている。あとがきにもあったけど、連載期間が、御坂美琴の実年齢である14歳を超えてしまっている。そして2024年になれば『禁書』が20周年になるのか…。えげつない…。

本巻では、『超電磁砲』のメインキャラである美琴、黒子、初春、佐天さんの4人のエピソードが深掘りされている。黒子と佐天さんはボケ回、美琴と初春はシリアス回で、どちらも学園都市らしいエピソードだった。美琴の決まり文句にもなっている「退屈しないわねぇ、この街は」って感じだ。

個人的に黒子が好きなので、やっぱり黒子回が1番好きだった。いつか美琴お姉様との過激なシチュエーションを読んでみたいなぁとは思うけど、二次小説ではなく本編で描かれることはあるのだろうか……。

『創約 とある魔術の禁書目録 (8)』の感想

学園都市、『橋架結社』、アレイスター。ケタ外れの敵を前に、上条は!?

敵対者である『悪意の化身』アンナをうっかり庇ってしまった上条。当然の如くかつてないピンチに見舞われていた。彼の前に立ちはだかるのは強大過ぎる、3つの『脅威』。 
『橋架結社』の超絶者専用暗殺者ムト=テーベ。新統括理事長・一方通行(アクセラレータ)が管理する学園都市。アレイスター=クロウリーにアンナの天敵・キングスフォード。 しかし当のアンナは意外にも余裕。ただ逃げるのではなく、何か一発逆転の秘策があるらしい。それは『悪女』にしか思いつかない手段で――!! 
ついに暴かれる『橋架結社』の真の目的! デレにデレた女神アラディアも忘れてはいけない『禁書目録』最新刊!

『創約 とある魔術の禁書目録 (8)』より引用

超絶者の正体が明らかになった。どうやら超絶者とは、神の身なりや言動を完璧にコピーすることでなれる存在らしく、いわゆるファッションの存在。つまるところ、神を模したファッションを完璧に着飾ることができれば、超絶者を作ることができるというわけだ。

僕が本書を読んでいた当時、たまたま『キルラキル』を視聴していたので、超絶者の設定にピンと来ることができた。超絶者の存在意義とファッションが結びついていく感じがいい。

そう考えると超絶者は、魔神やアレイスターらへんの伝説の魔術師と比べると実に表面的で、しかしファッションを完璧にコピーするという点に限って言えば努力の賜物だから、やはり魔術師っぽいのかもしれない。

さてさて、いよいよ創約のボルテージが上がってきた感じがする。旧約も新約も10巻あたりから抜群に面白くなってきたけど、創約も同じような状況になりそうである。特に、今回は学園都市を舞台にしている上、AAAの登場も示唆されているので、いよいよ御坂美琴が活躍するかも? 学園都市第6位の藍花悦も気になるところだ。

『創約 とある魔術の禁書目録 (9)』の感想

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上条らが挑むのは、学園都市を蹂躙闊歩する『復活のローゼンクロイツ』!

魔神も超絶者も超能力者も魔術師も。全てを超える存在、CRC(クリスチャン=ローゼンクロイツ)。
恐るべき力を持つアリスすら瞬殺する銀髪の青年は、『退屈しのぎ』に学園都市を闊歩し、人々を蹂躙する。
その天災の如き前進の先にあるのは、カエル医者の病院で眠るアンナ=シュプレンゲル、彼女の抹殺で――。
上条は、かつては敵であったその少女を見捨てられない。絶対に。
絶望的な状況の中、CRCの前に立ちふさがる上条。はたして、彼の叫びに応えてくれる『仲間』はいるのか……!!

『創約 とある魔術の禁書目録 (9)』より引用

ボルテージがかなり上がってきた。全てを超える存在として描かれるCRCは、たしかに最強で、しかも神浄の討魔が登場して、そのうえ御坂美琴や食蜂操祈などの科学サイドも登場しただけでなく、旧(?)ヒロインのインデックスやオティヌスも大活躍ということで、とにかく楽しいストーリーに仕上がった。

まるで最強のように描かれたCRCだが、結局は偽りにすぎないことが描かれるというオチ。そしてあらためて、魔術そのものが幻想であることを強く提示した印象がある。

僕は本書を読んでいた際に、同時並行で『ホモ・ルーデンス』も読んでいて、儀式やルールの関係性を学んでいる最中だった。おかげさまで、魔術に対する理解がまた深まったように思う。

また、ラストではアリスが劇的な復活を遂げ、しかもインデックスとオティヌスがピンチになるという終わり方だった。ここにきて再び「上条当麻がインデックスを救い出す」という構図が生まれたのは熱い。次巻でアリスを描き、それに加えてあともう1つぐらいやって(予想はトリスメギストス)、超絶者編は終わりを迎えそうだ。

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