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true tears(TVアニメ)評価:感想→P.A.WORKSの歴史の始まり

今回は『true tears』について語っていく。『true tears』はLa’crymaによる恋愛アドベンチャーが原作だ。これが2008年冬クールに、P.A.WORKSによってアニメ化される。

だが、ストーリー・キャラクターはP.A.WORKSのオリジナルとなった。『true tears』のコンセプトである”本物の涙”だけを抽出しているので、実質的には「P.A.WORKSのアニメオリジナル」という解釈で良いだろう。

『true tears』の感想

ネタバレするので、未視聴の方は気をつけてください!

感想①:ストーリーの軸は乃絵にある

本作の主人公は仲上慎一郎(CV.石井真)だ。だが、『true tears』のタイトルやラストシーンを見る限り、ストーリーの軸は石動乃絵(CV.高垣彩陽)にあるのは間違いない。
実質的な主人公は石動乃絵で、それを慎一郎の視点で眺めたストーリーだ。このように考えると、『true tears』に感情移入しやすくなる。

乃絵は、祖母を亡くしたトラウマがきっかけで涙を失っていた。そして乃絵いわく、涙を取り戻すには本物の涙を手に入れる必要がある。

そんな中、あのラストシーンだ。慎一郎は湯浅比呂美(CV.名塚佳織)と結ばれる。だが、慎一郎が絵本を完成させ、自らの意思で比呂美を選ぶことができたのも乃絵のおかげだった。
だから、慎一郎は乃絵を選ばない選択肢に対して、本気で涙する。そして本物の涙を手に入れることができた乃絵は、泣けるようになったのだ。

乃絵は慎一郎に選ばれなかった、いわゆる”負けヒロイン”だ。しかし、『true tears』というタイトルの込められた目標は十分達成された。乃絵は初恋で失恋することで、一歩前に進むことができたのだ。これぞ青春って感じ。

感想②:思っていたよりも余韻が残る

『true tears』は全13話で描かれており、ストーリーの内容もほとんどアニメオリジナルだ。そんなこともあってか、僕は『true tears』にあまり感情移入できなかった。当然、余韻も残らないだろうと思っていた。
しかし、『true tears』を視聴し終えた夜、『true tears』の映像が僕の頭に流れ続けていた。その余韻は次の日まで続く。

『true tears』のストーリーはもちろんのこと、舞台設定・楽曲・メインヒロインの尊さが、この余韻に繋がっている気がする。

富山県の風景はどこかノスタルジーを感じさせるものだ。楽曲に関してはBGMが印象的で、乃絵の登場シーンで流れる『影 弾み 〜thema of noe〜』が良い。そして乃絵・比呂美・安藤愛子(CV.井口裕香)が尊い。特にキャラデザが素晴らしい。

『true tears』は、思っていたよりも余韻が残る名作だった。

『true tears』の評価

作画70点
世界観・設定70点
ストーリー75点
演出73点
キャラ75点
音楽80点

作画

初期の作品だからなのか、P.A.WORKSの割には作画が綺麗ではなかった。だがこれはこれで、ノスタルジー感じさせる。

世界観・設定

切なさを感じさせる世界観が良かった。また、”本物の涙”というコンセプトを元に、少年少女の成長を描くという軸も素晴らしい。

ストーリー

大まかな流れとしてはほとんど完璧だろう。だが個人的には、「慎一郎と比呂美が兄妹だったかも」の部分が要らなかったかも。

演出

演出も良い。登場人物の心情がよく伝わってくるカットだった。絵だけで登場人物の心情が伝わってくるのは、何気に凄いことなのだ。

キャラ

メインヒロインの3人はもちろんのこと、他のサブキャラの立ち位置が良い。これぞP.A.WORKS。

音楽

OPの『リフレクティア』、EDの『セカイノナミダ』が名曲すぎる。ランティスの楽曲はメロディーが良いんだよな。

さいごに

2000年代のラブコメアニメの金字塔が『とらドラ!』なら、恋愛アニメの金字塔は『true tears』だろう。一切の妥協の無さを感じる。

『true tears』を皮切りにP.A.WORKSの歴史が始まるわけだから、これはアニメ界の歴史の転換点だったのかもしれない。

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