ワンダーエッグ・プライオリティ(ワンエグ)評価:感想→覇権最有力だったのに

星島てる
アニメ好きの20代。ライターで生活費を稼ぎながら、アニメ聖地の旅に出ている者です。アニメ作品の視聴数は600作品以上。

今回は『ワンダーエッグ・プライオリティ(以下、ワンエグ)』について語っていく。
『ワンダーエッグ・プライオリティ』は日本テレビとアニプレックスの共同制作による、完全オリジナルのアニメだ。多くのテレビドラマの脚本を手がけた野島伸司が、『ワンエグ』の脚本を手がけていて、一般的なアニメとはテイストの異なる仕上がりになっている。
アニメ制作はCloverWorksが手がけており、高クオリティが期待された作品でもある。

目次

『ワンエグ』の感想

感想①:全てにおいてクオリティが高い

『ワンエグ』は全てにおいてクオリティが高い。CloverWorksがアニメ制作を手掛けていることもあって、作画のクオリティは非常に高い。CloverWorksといえば、『青ブタ』の劇場版や『冴えカノ』の劇場版、『約ネバ』で有名で、作画に定評がある。

『ワンエグ』の戦闘シーンについては、おそらくA-1 Picturesというアニメ制作会社に下請けで協力してもらっている。A-1 Picturesは『SAO』シリーズや『かぐや様』シリーズを手がけていて、こちらも定評のあるアニメ制作会社だ。CloverWorksとA-1 Picturesはどちらもアニプレックスの子会社なので、協力しながら『ワンエグ』を制作したのだろう。日常シーンが得意なCloverWorksと戦闘シーンが得意なA-1 Picturesが、得意なところを制作しているので隙がない印象だ。

ソニー・ミュージックエンターテイメントの子会社であるアニプレックスが制作を手がけているので、音楽のクオリティも高い。OP・EDはどちらもセンスが良くて、聞いていて気持ちいい。

感想②:イジメ、自殺、LGMT、AIなどの深いテーマ

『ワンエグ』はイジメや自殺のような、かなり重いテーマでストーリーが構成されている。日本テレビといえば、『3年A組-今から皆さんは人質です-(以下、3年A組)』が非常に話題になった。『3年A組』はインパクトの強いスタートで始まり、インターネット上の誹謗中傷をメインテーマとした、中々重いストーリーだ。だが、多くの人が誹謗中傷について考えたはずで、そこそこの効果はあったと思う。

『ワンエグ』もこれに関連している。序盤で強いインパクトを残し、視聴者を惹きつけ、イジメや自殺をメインテーマにしてストーリーが進行されているのだ。途中で「アンチ」と呼ばれる敵キャラクターも登場しており、これも印象深い。
特にアニメが好きな人の多くは、SNSをよく利用していて、中には「アンチ活動」をしている人もいるだろう。そういった方々に刺さる内容になったのではないだろうか。

感想③:ビジネス面はなんともいえない

『ワンエグ』はマジでクオリティがめちゃくちゃ高い。だが、なぜか全然有名にならないのだ。その理由として挙げられているのが放送時間と配信サイトだ。

放送時間だが、日本テレビでは火曜の25:29~と非常に遅い。まあ、これは深夜アニメだから仕方ないし、『ワンエグ』はグロテスクな演出も多い。キー局なので余計に放送時間帯には気を遣う必要があるので、しょうがないということにしておこう。
だが、配信サイトが問題だ。日本テレビが制作しているということもあり、AbemaTVやNetflixのような、主要な配信サイトで配信することができないのだ。ただでさえ、アニメオリジナル作品ということで新規ファンが少なくなりやすい状況なのに、配信サイトが充実していないのであれば、そりゃ人気が出るわけがない。

しかし、その一方で海外の方々の人気は絶大だ。海外でアニメランキングを紹介しているAnime Trendingでは『ワンエグ』はどの部門でも常にトップクラスに君臨していた。作品のクオリティが高い上に、キャラの個性もそこそこ強い。
あくまでも日本では話題にならなかっただけで、実は海外でそこそこ話題になっているのかもしれない。日本のアニメ好きとは異なり、海外の日本アニメ好きは客単価が高いので、ビジネスとして成立するのかもしれない。

『ワンエグ』の評価

作画95点
世界観・設定95点
ストーリー90点
演出90点
キャラ90点
音楽95点

作画

作画は現代アニメの中でも間違いなくトップレベル。戦闘シーンから日常シーンまで、高クオリティの作画だった。

世界観・設定

世界観・設定はどこか『まどマギ』に似ている。それでいてメッセージ性のあるものとなっている。素晴らしい。

ストーリー

序盤の引き込み方が強烈だった。見る人を選ぶグロテスクな内容だが、離脱率はかなり低い作品だと思う。

演出

作品の世界観に引き込まれる演出が印象的だった。戦闘シーン、日常シーン、回想シーン、どの演出も印象に残るものだった。

キャラ

キャラは見た目の個性が強いので、現実味がないように見える。だが、心情描写はとても繊細でリアルだ。悩みを抱える現代女子高生ってこんな感じなのだろうか。

音楽

OP・EDは良曲。初めて聞いた時に鳥肌が立った。メロディー、作詞のセンスも良いし、作り込みがしっかりされてるのも伝わってくる。

さいごに

『ワンエグ』の最終回は中途半端なものだった。それもそのはずで実質的な最終回を、特別編として6月末に放送するのだ。『ワンエグ』がどのようなラストを迎えるのか、個人的に気になっているので、気長に待ちたいと思っている。

ちなみにnoteでも『ワンエグ』について語っているので気になる方は読んでみてほしい。
https://note.com/terukun_note/n/n373b64786fe7

この記事をシェア
目次