【ユーレイデコ感想】この目で見たものだけを信じる

ユーレイデコ

今回は『ユーレイデコ』について語っていく。

『ユーレイデコ』はアニメ制作会社・サイエンスSARUによるアニメオリジナル作品で、2022年夏クールに放送された。

目次

『ユーレイデコ』の感想

ネタバレ注意!

えっと……、キッズアニメですか?

『ユーレイデコ』はサイエンスSARU制作ということで、僕の中で期待値がかなり高かった。しかし蓋を開けてみると……なんか思ってたのと全然違う仕上がりだった。

サイエンスSARUといえば個性的な作風とハイセンスな作画が魅力のはずだ。決して大衆ウケする作品ではないのだけど、アニメ表現の限界を追求する心意気に一部のアニメファンに支持されているスタジオである。

しかし『ユーレイデコ』は個性的な作風ではあったが、肝心のクオリティが低かった。だから多くのアニメファンが1話切りするような作品になってしまったのだ。「これ、キッズアニメですか?」と思ってしまうほどのクオリティだった。
ちなみに『ユーレイデコ』は深夜帯に放送されたアニメなので、キッズ向けではないらしい……。

設定は非常に興味深い

このように『ユーレイデコ』はクオリティが低かったので、多くのアニメファンが途中切りしていった。だが僕は途中切りできる性格じゃないし、『ユーレイデコ』の設定や着地点が気になってはいたので、最後まで視聴することにした。

『ユーレイデコ』はクオリティが低かったものの、設定は非常に興味深かった。SNSをテーマにした作品で、『ユーレイデコ』の世界の人々は”らぶ”と呼ばれる評価係数を稼ぐために生活している。まあ、SNSの”いいね!”みたいなものだろう。
そしてデコと呼ばれるARデバイスにより、不適切なものが隠されている。これらはカスタマーセンターと呼ばれる機関が全て管理していて、現実世界でいうプラットフォーマーみたいなものだろう。

そして個人的に印象的だったのが、ハックという登場人物の「自分の目ん玉で見たものが本当だ」というセリフだ。現代は情報まみれだけど、それらの情報はプラットフォーマー(アルゴリズム)が管理している。不都合な真実は”不適切”として扱われ、揉み消せられることもあるだろう。

そんな世界で本当に信じられるものは、まさに「自分の目ん玉で見たもの」だけなのだろう。情報を入手する際は、インターネットだけでなく、自分の目と足を使うべきなのだ。

という感じなものを『ユーレイデコ』から感じ取ることができた。視聴中はとても退屈な時間だったけど、最後まで見ておいて良かったと思う。決して時間の無駄ではなかった。

『ユーレイデコ』の評価

作画30点
世界観・設定75点
ストーリー35点
演出30点
キャラ10点
音楽50点

作画

湯浅作品といえば限界突破したアニメーション表現だ。だが『ユーレイデコ』から”それ”が感じられることは一切なかった。キャラの動きが微妙だし、背景のクオリティも高いものとは言えない。普通に予算が少なかったのだと思う。

世界観・設定

個人的に世界観はかなり好きだった。SNSとかメタバースとかAIとか、近未来の設定に対する洞察も優れていたと思う。ここら辺の部分はめちゃくちゃ面白かったけど、アニメのクオリティが……。

でも「目で見たものだけを信じろ!」というメッセージは、本当にその通りだと思う。

ストーリー

起伏の少ないストーリーだったと思う。エモさが全くなかった。次が気になるわけでもない。深夜アニメってやっぱりそれなりの刺激が必要なのだと思う。

演出

演出も微妙だ。アクションシーンも微妙だしクライマックスシーンも微妙だった。「良いアニメを作ろう!」という気概が感じられなかった。

キャラ

『ユーレイデコ』の一番の問題点はキャラだったと思う。萌え要素が一切排除されているし、ビジュアルが全く可愛くないしカッコよくもない。やっぱりアニメにおけるキャラクターはビジュアルがそれなりに良くないとダメなのかな……。

音楽

電子音を中心としたメロディーは個人的に好みだった。僕が小学生の時にハマっていた『流星のロックマン』を彷彿とさせるものだ。主題歌はOPもEDも、悪くないかなという感じ。

さいごに

『ユーレイデコ』はコケてしまったけど、サイエンスSARUが素晴らしいアニメ制作会社であるという評価は変わらない。これからもサイエンスSARU作品を視聴していこうと思う。

ちなみに、僕は当ブログでアニメ評価記事を執筆する際、基本的に全話視聴した作品しか投稿しない。やはりアニメは最後まで視聴した上で感想を述べるのが基本だと思う。1話しか見てない人がその作品を否定するのは、クリエイターにとって失礼なのではないかなーと僕は思う。

この記事をシェア
目次