【ゆるゆり、感想】超久しぶりに「アッカリーン」を楽しめる感動

ゆるゆり、

今回は『ゆるゆり、』について語っていく。

『ゆるゆり』はなもりによる漫画(百合姫コミックス)が原作で、2011年夏クールにTVアニメ1期、2012年夏クールにTVアニメ2期が放送。2015年秋クールにはTVアニメ3期も放送された。

そして2018年、原作10周年を記念したプロジェクトがスタート。それに伴い、2019年にOVA『ゆるゆり、』が公開された。

アニメ制作会社は、前作のTYOアニメーションズからLay-duceに変更されている。

目次

『ゆるゆり、』の評価

※ネタバレ注意!

作画85点
世界観・設定80点
ストーリー85点
演出87点
キャラ90点
音楽79点
※個人的な評価です

作画

アニメ制作会社が変更ということで、どのような作画になるのか気になっていたところだが、まさかの動画工房版に回帰!

ということで、TVアニメ1期や2期の頃の雰囲気に戻り、僕の大好きな『ゆるゆり』が帰ってきたことになる。

実際、作画のクオリティはかなり良くて、特にあかりのテンションが上がりまくるシーンとか、ほとんど全てのシーンで、動画工房並みの動きを見ることができた。最高!

世界観・設定

「原作10周年記念を作中のキャラが祝う」というメタ設定になっている。また、作画は動画工房寄りになったものの、ブラックなギャグはちょっと抑えられている感じがする。動画工房版とTYOアニメーションズ版の中間ぐらいのターゲット層に落ち着いた感じで、バランスが良かったと思う。

ストーリー

「原作10周年を記念する」というストーリーのはずが、冒頭でごらく部が原始人ごっこしたり、あかりの誕生日会に変化していたりする。これを約20分で描いているので、構成としてはだいぶめちゃくちゃだが、このめちゃくちゃな感じが『ゆるゆり』って感じがする。

演出

相当の予算を確保できたこともあり、キャラの動きが超ハイカロリーでめちゃくちゃ良かった。動画工房版のカメラワークには及ばないけれど、今回の『ゆるゆり、』は、何よりもキャラの動きで妥協が一切なかったのが良き。

やはり、あかりがハイテンションになってバグっていくシーンなんかは、動画工房版の勢いを見事に再現していたし、終盤のあかり昇天シーンも、良い意味で”無駄に”演出が凝っていたと思う。

キャラ

基本的にごらく部と生徒会の全員(+あかね)が登場し、それぞれのカップリングも大体見れた感じがする。この辺のキャラの作り方は、動画工房よりTYOアニメーションズ版らしいなと思う。

また、キャラデザは動画工房版に逆戻り。個人的に『ゆるゆり、』のキャラデザが一番好きだ。

音楽

OP『ゆるゆり、てんやわんや☆』とED『リピってチャイム♪』は、正直「量産型電波ソング」という感じが否めなかった。

挿入歌の『みんなだいすきのうた』は、もう完全に劇伴として制作されている感じで、挿入歌としての役割を十分すぎるくらいに果たしていたと思う。

『ゆるゆり、』の感想

※ネタバレ注意!

「アッカリーン」がもはや感慨深い……

アニメ制作会社がTYOアニメーションズからLay-duceに変更されて「はたしてどのような仕上がりになるのか……」と半分好奇心半分不安だったのだが、早速冒頭で「アッカリーン」が登場したことで「あの頃の『ゆるゆり』が帰ってきた!」ってなった。

僕は短期間で『ゆるゆり』を一気見した人間だけれど、実際に放送当時から追いかけてきたファンとしては、久しぶりに「アッカリーン」が聞けたのは本当に感涙ものだったのではなかろうか。

ということで今回のOVA『ゆるゆり、』は、TVアニメ3期を制作したTYOアニメーションズではなく、TVアニメ1期2期を制作した動画工房をかなり忠実に再現した作品となっている。なんとなくそれっぽいことを言うと、動画工房版の『ゆるゆり』から『けいおん!』の作画のエッセンスが取り除かれた感じだった。当初の動画工房版『ゆるゆり』は『けいおん!』を彷彿とさせる構図やカメラワークがたくさん用いられていた。だが今回の『ゆるゆり、』は、構図はあくまでもシンプルなのだけれど、動きが徹底的に追求されている印象を受けた。こちらの方が、ある程度大衆的な感じはする。

それで「アッカリーン」が聞けたり、『ゆるゆり』特有のキツめのギャグ展開が登場したり、超ハイテンションになるあかりが見られたりなど、とにかく最高のファンディスクになった。

そう考えると、やっぱり基本的にファンとしては「TYOアニメーションズ版より動画工房版の方が好きだった」ということなのだろう。まあそりゃそうだよなぁ。

クラファンの力、恐るべし

今回の『ゆるゆり、』では、原作10周年を記念し、クラウドファンディングが実施された。当初は目標額を1,000万円に設定していた当プロジェクトだが、目標額の約9倍となる8,793万円の資金調達に成功。まあ目標額はあらかじめ低めに設定していたんだと思うけれど、まさか8,000万円以上の資金が集まるとは思わなかった。『ゆるゆり、』のクオリティが向上したのも、クラファンによる支援が大変大きいだろう。

そして、当プロジェクトで注目すべき点として、超高額リターンもしっかり捌けている点が挙げられる。もっとも高額なリターンは「ゆりゆららら大富豪コース」で509,210円なのだが、これに10人が支援しているのだ。これだけで500万円である。

アニメ作品におけるクラファンというのは、実質的には「放送前のマーチャンダイジングビジネス」なのだけれど、それでも8,000万円以上の資金を集めることができたのは、相当にすごい。しかもこれは劇場アニメではない。ただの約25分ほどのOVAである。支援者数は約4,500人で、単純計算で、この4,500人が円盤購入者ということになる。そこからさらに一般販売もあるから、もしかしたら5,000枚以上は捌けた計算だ。

クラファンって夢があるし、アニメビジネスってなんだかんだで大きなお金が動いているんだなぁと思う。

さいごに

『ゆるゆり』もこれで終わりかぁ……、と思ったら、なんとスピンオフ『大室家』のアニメ化が決定。

まだまだ『ゆるゆり』のメディアミックスは進みそうである。『大室家』を視聴次第、ブログにしようと思う。

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