【続・終物語アニメ感想】『物語シリーズ』のエピローグ編

続・終物語

今回は『続・終物語』のTVアニメについて語っていく。

『続・終物語』は『物語シリーズ』の作品の一つであり、西尾維新の小説が原作だ。前作の『終物語(下)』が2017年8月に公開された後、2018年11月に『続・終物語』が公開された。

アニメ制作はシャフトが担当している。

目次

『続・終物語』の評価

※ネタバレ注意!

作画85点
世界観・設定88点
ストーリー90点
演出85点
キャラ92点
音楽80点
※個人的な評価です

作画

作画のクオリティは相変わらず。やはり『傷物語』よりもカロリーは低いのだけれど、その分、画の構成などで工夫されている。ケレン味というやつだ。

世界観・設定

鏡の中の世界が舞台。序盤の阿良々木暦が言うように、しょうもない企画でオマケに過ぎないと思っていたけど、あまり馬鹿にできない世界観でもあった。鏡の中の世界は左右対称ではなく”反転”であり、それを登場人物の心残りに反映させるのが面白い。

ストーリー

ミステリー要素がかなり強めだったと思う。「この世界は一体なんなのだ?」という問いから始まり、少しずつ世界の全貌が明らかになっていく。そのため、モノローグ中心になったのでちょっと退屈だった。でもキャラの内面的な部分が曝け出されてたから、普通に楽しめた。

演出

改めて『続・終物語』を見ると、演出はかなり省エネ。でもセンスがいいので普通に楽しめてしまう。『続・終物語』は新房昭之が久しぶりの監督ということで、そりゃあ面白くないわけがない。

キャラ

『続・終物語』はキャラが良かった。めちゃくちゃデレてくるおいくらそだちとか、大人になったら変態・八九寺真宵や、幼女になってしまった羽川翼など。登場人物の裏の一面が垣間見えたのが良かった。

音楽

OPの『07734』は上下逆にすると「HeLLO」になる。んで、楽曲はかなり遊びを入れた印象だ。EDの『azure』もTrysailと『物語シリーズ』の雰囲気がいい感じに噛み合っている。

『続・終物語』の感想

心残りの物語

『続・終物語』は『終物語』のエピローグ的な物語だ。卒業式の次の日が描かれる。

そして流石は『物語シリーズ』。エピローグでも最大限に視聴者を楽しませてくれる。

『続・終物語』は簡単に言えば、阿良々木暦の心残りの物語だった。阿良々木暦の言う通り、高校卒業はこれまでの卒業とはかなり異なる。

当たり前のことであり、当たり前のことでしかないのだけれど、それがこれまで経験してきたどんな不可思議な怪異譚よりも、奇妙な出来事であるように思われた。

今回の卒業がこれまでの卒業と明確に違うのは、卒業のその先がまだ定まっていないということである。

『続・終物語』より引用

そして阿良々木暦の高校生活最後の1年は、まさに青春そのものであった。それはとても傷だらけの痛々しい青春だったのだが、阿良々木暦はそんな痛々しい青春に対して、それなりの愛着があったのだ。

だから、青春が終わってしまうことにどこか寂しさを感じてしまった。心残りを感じてしまった。

それが怪異現象として発生したのが、今回の反転世界だったというわけだ。

戦場ヶ原ひたぎの伏線が素敵すぎる

反転世界では様々なキャラの心残りが反映された。しかし唯一、登場しなかったキャラがいる。それは戦場ヶ原ひたぎだ。

僕は『続・終物語』を視聴していた時、あまりにも戦場ヶ原ひたぎが登場しないものだから、最後はひたぎがこの物語を解決するのだと思っていた。

しかし、違った。

この反転世界は阿良々木暦の心残りの世界であり、そして阿良々木暦は戦場ヶ原ひたぎに何も心残りがなかったのだ。だから戦場ヶ原ひたぎが反転世界に登場することはなかった。

これが、反転世界に戦場ヶ原ひたぎが登場しなかったことに対する伏線回収だ。

さいごに

これにてTVアニメの『物語シリーズ』は一旦終了だ。今のところ続編制作は発表されていないが、製作委員会としてはやらない理由がほとんどない。唯一挙げるとすれば「今後のエピソードも無事に映像化できるのか?」という点だけだろう。まあ元々「映像化不可能」と呼ばれていたコンテンツを映像化していたわけだから、シャフトであれば可能だろう。

というわけで、続編制作決定を楽しみに待ちたいと思う。そしてとりあえず原作小説も読んでおく。

この記事をシェア
目次