ゾンビランドサガ(TVアニメ1期)評価:感想→円盤売上2万枚超えの良作アニメ

今回は『ゾンビランドサガ』のTVアニメ1期について語っていく。
『ゾンビランドサガ』は2018年秋クールに放送。アニメ制作会社のMAPPA、音楽会社のエイベックス・ピクチャーズ、ゲーム会社のCygamesのコラボ企画で誕生した、アニメオリジナル作品だ。1話目から始まる衝撃的な内容に、多くのファンが魅了された。

目次

『ゾンビランドサガ』の感想

感想①:情報量が多すぎる設定

『ゾンビランドサガ』は不慮の事故で死んでしまった女の子たちが、ゾンビとして蘇り、佐賀県を盛り上げるために地元アイドルの頂点を目指す物語だ。これだけでかなりの情報量。
なぜゾンビとして蘇ることができたのか、巽幸太郎(CV.宮野真守)にどのような目的があるのか、少女たちにどんな背景があるのか、数ある都道府県の内なぜ佐賀県なのか、情報量が多すぎて色々な問題が頭に浮かぶのだが、全体的にまとまっているのだから不思議だ。ストーリーの構成が素晴らしいのだろう。

1話目の冒頭90秒で、主人公?の源さくら(CV.本渡楓)がトラックに轢かれて死亡する衝撃展開でスタート。そしてゾンビとして蘇ったかと思えば、巽幸太郎から「佐賀の地元アイドルになれ」と告げられ、即興でライブをスタートする始末。序盤は勢いでストーリーを展開させていくが、アイドル系アニメ特有の葛藤、それぞれのキャラの深堀りもされていく展開もあって大満足の内容だった。

感想②:ゾンビネタもしっかり適用

ゾンビとして蘇っていることもあり、登場人物の女の子たちはみんな一度は死んでいる。このように死後の物語を展開していく場合、ポジティブにストーリーが進行する事が多い。既に死んでいるため、失うものがないからだ。
『ゾンビランドサガ』でも、ゾンビ特有のギャグが連発される。巽幸太郎を演じる宮野真守も、個性を発揮しまくるトーク術で笑いを取っていくスタイルだ。ギャグセンスも良く、笑えるシーンも多い。

一方、それぞれのキャラの生前のストーリーを深堀りするのが、死後の物語のお決まりの展開だ。死後の世界といえば『Angel Beats!!』が有名だ。これもキャラの生前の物語が心打たれるものだった。
『ゾンビランドサガ』も例外ではない。笑える死に方をしたこともあれば、トラウマになるような死に方をしたキャラもいる。特に水野愛(CV.種田梨沙)がメインの第7話『けれどゾンビメンタルサガ』、星川リリィがメインの第8話『GOGO ネバーランドSAGA』は心打たれる内容で、涙した人も多かったと思う。

感想③:佐賀を最大限アピール

『ゾンビランドサガ』は佐賀県を舞台にしていることもあって、佐賀県を最大限アピールしている。実際に佐賀県で実施されているお祭りやイベントにキャラ達が参加したり、AパートとBパートの間のCMの前後には、佐賀の名物をイラストで紹介している。僕も『ゾンビランドサガ』を1クール見ただけで、佐賀の魅力がかなり分かってきた。

今までのアニメにおける聖地は、あくまでもその作品の舞台に留まっていた。だが、『ゾンビランドサガ』は地元アイドルを目指す内容ということもあり、地元の魅力を最大限にアピールする内容だった。これに加えて、ゾンビ系アイドルという超パワーワードをぶっ込んできているので、面白くないわけがない。この辺の企画はCygamesが提案したのだろう。流石サイバーエージェント。面白い企画を考案する。

『ゾンビランドサガ』の評価

ここでは『ゾンビランドサガ』のアニメとしてのクオリティについて、私見たっぷりで評価していく。

作画85点
世界観・設定95点
ストーリー90点
演出85点
キャラ90点
音楽85点

作画

作画はとても安定していた。ちょっと癖がある作画でもあるけれども、かなり見やすかった。ライブシーンの作画もあまり違和感はなかった。

世界観・設定

世界観・設定は他のアイドルアニメを寄せ付けない、唯一無二のものだ。癖強すぎの設定だが、全体的にまとまっていたのも高評価だ。

ストーリー

1クールしかないなか、しっかりまとまっていた。キャラの深堀りもされているものの、まだまだ素性が明らかになっていないキャラもいる。これからに期待だ。

演出

個人的にクライマックスの演出は割と控えめだったと思う。作品全体のバランスを考えた上での演出だったのだろう。

キャラ

キャラはかなり魅力的だった。アイドル系ということもあって、ファンもつきやすい。キャラデザも通常ver、アイドルver、ゾンビverがあるので、グッズも展開しやすい。

音楽

OP・EDは良曲だと思うし、ライブシーンの挿入歌もキャラソン感覚で聴ける。イベントではめちゃくちゃ盛り上がるだろう。一方で「ゾンビランドサガといったらこれ!」みたいな曲が出なかったことがちょっと残念。

さいごに

『ゾンビランドサガ』はダークホース的存在だったが、円盤売上は2万枚を達成してしまった。多くのアニメファンを生み出すことができた。もちろん佐賀のPR効果も凄まじいだろう。
当然のことながら、続編制作も決定。2021年春クールに放送される『ゾンビランドサガリベンジ』が楽しみだ。

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