今回は『可愛ければ変態でも好きになってくれますか?(以下、変好き)』について語っていく。『変好き』の原作はMF文庫Jで2017年から刊行されているライトノベルだ。2021年6月時点でシリーズ累計発行部数は100万部を突破している。TVアニメは2019年夏クールから放送された。アニメ制作会社はギークトイズが担当している。
『変好き』の感想
感想①:作画のセンスが良い
『変好き』は作画のセンスが非常に優れていると感じた。これは総作画監督・キャラクターデザインを務めている伊藤陽祐の影響がデカイのだと思う。キャラデザがとても優れていると感じたし、何よりも作画構成が非常に良かった。2021年に放送されている『たんもし』も「作画が良い」と話題になっているが、『たんもし』のキャラデザを努めているのも伊藤陽祐だったりする。要注目のアニメーターかもしれない。
全体的な演出は『冴えカノ』や『物語シリーズ』のような雰囲気を感じさせる。全体的にはちょっと雑な仕上がりになっているのが唯一の欠点だが、印象に残る演出が多かったので普通に楽しむことができた。あまりお金をかけていなさそうだし、アニメーターの方々もブラック労働を強いられたのだとは思うが、作品のクオリティとしては上手くできていたと思う。
感想②:キャラが可愛いから何でもOK
『変好き』はそのタイトル通り、「キャラが可愛いければなんでもOK」みたいなところがあって、それがとても面白い。先輩女子は超がつくほどのMで、後輩女子は超がつくほどのS。ちょっとツンデレが入っているけどマトモそうな同級生は超がつくほどの腐女子だったりするのだ。それでもキャラデザがとても良いので、結局楽しく見れる。
エロ枠のアニメはキャラデザが微妙だったりすることが多い。とりあえずキャラデザだけでも良ければ、エロ枠のアニメは自然と良作にかもしれない。という可能性を見出してくれたのが『変好き』の評価できるポイントだろう。
ちなみに僕の中で推しが割れているのだが、本記事執筆段階(2021年8月)では古賀唯花が一歩リードしている。金髪ショートというのもあるけど、日高里菜の声にグッときた。
感想③:ランティスの音楽がめちゃくちゃ良い
『変好き』の音楽はランティスが担当しているのだが、ランティスは相変わらず楽曲が良い。
OPの『ダイスキ。』は『変好き』の鳳小春を担当した大橋彩香が歌を担当している。『ダイスキ。』はメロディーが非常に良く、特にBメロのメロディーが好みだ。サビのクラップも中毒性があって良かった。
EDの『無謬の花』は『変好き』とは思えないほどの落ち着きぶりのある楽曲に仕上がっている。いや、ほんとに『変好き』らしくないので、そのギャップが逆に良かったりする。純情ラブコメのようなメロディーなのだが、歌詞はそこそこエグいので、ぜひ聴いてみてほしい。
第7話特別EDの『ステラ』は、ランティスのエース格でもあるTRUEが歌を担当している。TRUEらしい歌詞とメロディーと歌声で、とても安心感のある楽曲に仕上がっている。『ステラ』が挿入されるシーンは、『変好き』においては珍しくシリアスなエピソードだったので、ちょっぴり感動してしまった。
『変好き』の評価
作画 | 60点 |
世界観・設定 | 80点 |
ストーリー | 70点 |
演出 | 50点 |
キャラ | 82点 |
音楽 | 75点 |
作画
作画のセンスは良かったけど、やっぱり雑だったことは否めない。
世界観・設定
なんだかんだ王道の設定なのかもしれないけど、それがいい!
ストーリー
長期的な構成も1エピソードの構成もどちらも良かった。普通にギャグセンスあったし。
演出
演出は少し物足りなかったかもしれない。けどキャラデザの癖もそこそこ強いし、演出はこんなもんで良いと思う。
キャラ
キャラは非常に良くできていた。推しを決めるのに、良い意味で迷った。
音楽
流石ランティスって感じの音楽。ほんと素晴らしいと思う。
さいごに
『変好き』はなぜ、原作・アニメで人気がないのだろう。結構面白い部類に入る作品だと思うのに。
ひとまず女性視聴者を獲得できないのは間違いないとして、男性であればこの類の作品は好かれるはずなのに。『変好き』というタイトルの割にはお色気シーンが控えめだったのがまずかったのだろうか。これぐらいがちょうどいいと思うけれども。
普通に続きを見たいと思える作品だったので、原作購入は検討しておく。できれば2期を制作してほしいところだが、アニメ・原作の売上的に厳しいかもしれない。まあ、まだ可能性はあると思うので、気長に待つとしよう。