今回は『EUREKA/交響詩編エウレカセブン ハイエボリューション(以下、EUREKA)』について語っていく。『EUREKA』はハイエボリューション第3作目。『エウレカシリーズ』の最終章に位置づけられている作品だ。アニメ制作はボンズが担当している。
https://terukun.blog/eureka-hievo2/『EUREKA』の感想
ネタバレしているので、未視聴の方はお気をつけて!
感想①:キャラの雰囲気が大幅に変更
『EUREKA』はキャラの雰囲気がいつもと違う。それもそのはず。『エウレカシリーズ』のキャラクターデザインを担当していた吉田健一が、『EUREKA』では原案に留まっているからだ。
代わりに奥村正志がキャラクターデザイン及びキャラクター作画監督を担当する。Wikipedia先生いわく、奥村正志は宮崎駿から教えを請けていたとのこと。
そして面白いことに、『EUREKA』は今までで最も人間味の溢れたキャラクターデザインだった。これが、”人間らしさを学んでいくエウレカ”にピッタリ。
具体的にいうと、『EUREKA』におけるエウレカ(CV.名塚佳織)は大人らしさを醸し出していた。それも、人生を楽しんでいなさそうな大人だ。お酒と筋トレしかやることがない部屋が、それを象徴している。
女性キャラは全体的に萌え要素がほとんど排除されて、リアルに近づいたキャラデザだった。男性キャラはあまり変化がない。まあ、『ハイエボリューションシリーズ』は少女の物語と言っても過言ではないので、その影響もあるのだろう。
感想②:夢を現実にして冒険が終了
『EUREKA』は、エウレカが夢を現実にするストーリーが展開されていく。一度はコーラリアンとしての力(夢を現実にする力でもある)を失ったエウレカ。だが、新しいエウレカとして誕生したアイリス(CV.遠藤璃奈)との出会いで、人間らしさを手に入れていく。
そしてラスト、『EUREKA』の世界を守るためにレントン(CV.三瓶由布子)を呼び出して世界を救う。TVアニメの『交響詩編エウレカセブン』が少年の物語だとするなら、『ハイエボリューション』は少女の物語だ。「ねだるな、勝ち取れ、さすえば与えられん」の”勝ち取られる側”だった少女達が、勝ち取る側の人間となる。
『エウレカシリーズ』の作品に共通しているのが、”世界のせいにしない人が勝ち取っていく”ということだ。思えばTVアニメ『交響詩篇エウレカセブン』の最初、レントンは楽しくない毎日を自分の街のせいにしていた。しかしラストは、「あの街に帰ろう」と強く想うようになって、世界と少女を救った。
この世界を守るために何ができるのか。その課題と真摯に向き合ったのがエウレカ、アネモネだった。『EUREKA』に関して言えば、ホランドもそうだったかもしれない。なんだかんだで『エウレカセブン』らしい完結だったのではないだろうか。
『EUREKA』の評価
作画 | 85点 |
世界観・設定 | 77点 |
ストーリー | 75点 |
演出 | 70点 |
キャラ | 70点 |
音楽 | 65点 |
作画
作画はトップクラス。ボンズらしさが出てる。
世界観・設定
世界観はとても広大だ。長い長い冒険だったなぁ。
ストーリー
中盤のストーリーがとても良かった。エウレカが徐々に人間らしさを手に入れていくシーンだ。
演出
演出は普通。
キャラ
キャラの雰囲気の作り込みが面白い。
音楽
音楽はもっと尖らせて良かった。
さいごに
ついに『エウレカセブン』が完結してしまった。一応、アイリスとホランドの息子(名前忘れちゃった…)でもストーリーができるようになっている。なので、新作が出る可能性もあるっちゃある。これはスタッフ陣のモチベーション次第だろう。
やはりSFロボットにはロマンがあるなぁと思う。深く考察できるのがSFロボットの良さだ。最近の作品は良い意味でも悪い意味でもライトすぎる。もっとヘビーな作品が増えても良いのではないかと、『EUREKA』を見て思うところだ。