今回は『宇宙よりも遠い場所(以下、よりもい)』について語っていく。『よりもい』はアニメ制作会社マッドハウスによるアニメオリジナル作品だ。2018年冬クールに放送された。
マッドハウスは規模の大きいアニメ制作会社だ。その中でも『ノーゲーム・ノーライフ』を制作したチームが『よりもい』を制作している。
『よりもい』の感想
ネタバレするので、未視聴の方は気をつけてください。
感想①:マジで全話神回
僕が『よりもい』を視聴する前、ネット上で「『よりもい』は全部神回」というコメントを見つけた。当時の僕は「本当かよw」とか思っていた。だが、それが良い意味で裏切られる。本当に全部神回なのだw
『よりもい』は1話ごとに必ずクライマックスが用意されている。そしてそのクライマックスに挿入歌がしっかり挿入される。
通常のアニメの場合、挿入歌を用いた演出が挿入されるのは、全12話の中で0〜2回ぐらいだ。しかし、『よりもい』は全13話でクライマックスが用意されているので、クライマックスの演出を13回楽しむことができる。
しかも、『よりもい』は1話ごとにテーマが設定されていて、メッセージ性を強く感じ取れる。つまり、学びが非常に多い作品でもあるのだ。
『よりもい』は終盤の怒涛の感動展開が注目されがちだ。だが、序盤の”挑戦”を感じさせる展開も非常に素晴らしい。というか序盤のエピソードの方が、学びが多かった。
感想②:人生における”冒険”を考えさせられる
僕が考える『よりもい』のテーマは、やはり”冒険”だ。
女子高生4人がそれぞれの想いを持ちながら南極へと旅に出る。その想いが非常に強烈だ。特に小淵沢報瀬(CV.花澤香菜)はすごい。南極に行くためにバイトで100万を貯めつつ、1人でロビー活動をするほどなのだ。
「女子高生で南極に行くなんて無理に決まっている」と考える人の方が多いだろう。そうやって何回も何回も批判されながら、小淵沢報瀬は1人で挑戦し続けていた。そういう背景があるので第9話『南極恋物語(ブリザード編)』で、ついに南極の雪面に踏み込む時の「ざまあみろ」は超痺れる。
さて、『よりもい』を視聴した僕たちはどうするべきか。やはり「ざまあみろ」と言う側に回るべきではないだろうか。批判されながらも”冒険”し続け、”冒険”した人にしか見えない景色を存分に楽しむべきだ。
『よりもい』の素晴らしいポイントは、女子高生4人の冒険の過程を”南極”で表現したところにある。まさに冒険の素晴らしさを表現するのに、南極は打ってつけの舞台だったのだ。
「どうせ僕にはそんなことできない」と思ってしまうかもしれない。そこで『よりもい』のラストシーンだ。今まで”批判する側の人間”だった髙橋めぐみ(CV.金元寿子)が、実は北極に”冒険”してしたというエピソード。
このシーンが、”批判する側の人間”でも”冒険”できることを教えてくれる。『よりもい』をきっかけにして”冒険”してみよう!
『よりもい』の評価
作画 | 85点 |
世界観・設定 | 90点 |
ストーリー | 95点 |
演出 | 90点 |
キャラ | 90点 |
音楽 | 90点 |
作画
十分すぎる作画。強いていうなら背景がもっときめ細かければ…。
世界観・設定
世界観・設定は最高だった。南極という舞台を最大限活かしている。
ストーリー
ストーリーは完璧。
演出
演出もとても凝っている。毎話クライマックスを用意しているので、楽しみになる。
キャラ
キャラの立ち位置が良かった。メインキャラが目立ちがちだけど、サブキャラがいい味を出している。
音楽
OP・ED・挿入歌、どれも最高だった。南極と青春を感じさせる透き通った音楽だ。
さいごに
1クールのアニメは世の中に数えきれないほどある。その中で『よりもい』は、完成度が最も高い作品かもしれない。それぐらい素晴らしい作品だった。
おそらく『よりもい』は多くの人の人生を変える作品になるだろう。こんな作品を最大限楽しめる日本人は、本当に幸せ者だ。日本人に生まれてよかった…。