今回は『コードギアス 亡国のアキト 最終章「愛シキモノタチヘ」』について語っていく。
2012年の『亡国のアキト第1章』から始まり、2015年7月に『亡国のアキト第4章』が上映。そして2016年2月に『亡国のアキト最終章』が上映される。
アニメ制作はサンライズが担当した。
『亡国のアキト最終章』の感想
『亡国のアキト最終章』で、設定が凄いことになった。
まず、SF要素がめちゃくちゃ強くなった。量子力学などを用いて、人間には理解できないことを説明しようとしていたのだ。まあ、これはSFロボット系の定番の展開だといえる。
だが『亡国のアキト』では、SF要素の伏線を十分に設けられてなかったので、「急にSF要素が出てきた!」という印象を与えてしまった。SFをあまり知らない人の大半は、この展開を否定的に見るだろう。特に、『反逆のルルーシュ』がSF要素を知らなくても楽しめた作品なだけに、そのギャップはかなり大きかったと思われる。
そして何よりも、ギアスの設定がほとんど活用されなかったのが、個人的に残念だった。『反逆のルルーシュ』はSFロボット系のように見えて、実はギアスをフル活用した能力バトル系だったりする。ルルーシュ(CV.福山潤)がギアスを使ってどのように世界を征服していくかが、見どころだったはずだ。
しかし『亡国のアキト』では、ギアスの能力も具体的に説明されないし、ラストはギアスというよりSFチックな設定で解決されてしまった。レイラ(CV.坂本真綾)の奇跡を無理やりギアスに押し込めた感じがする
『コードギアスシリーズ』は全体的に、シェイクスピアの悲劇がモチーフになっている。これはほぼ間違いない。シン・ヒュウガ・シャイング(CV.松風雅也)が亡霊を見れるようになるのも、シェイクスピアの『ハムレット』と全く同じだ。
だからシンが死に、アキト(CV.入野自由)が生き残るのも、ある意味当然だろう。しかし、アキト側から見れば拍子抜けするほどのハッピーエンドになってしまい、それに対して視聴者が快く思いづらかったのも確かだと思う。
『亡国のアキト最終章』の評価
作画 | 85点 |
世界観・設定 | 70点 |
ストーリー | 70点 |
演出 | 77点 |
キャラ | 80点 |
音楽 | 77点 |
作画
作画は相変わらずのクオリティ。結局『亡国のアキト』全体を通して、ロボットの戦闘シーンはハイクオリティだった。
世界観・設定
SF要素が一気に強まった。個人的に、それは全然いいと思う。ただ、ギアスの説明がほとんどされていないのと、ギアスの要素が薄いのは『コードギアス』として良くない気がする。
ストーリー
結局、ハッピーエンドで終わった。まあ実際、アキトとレイラはギアスを乱用したわけではないから、ハッピーエンドで終わるべきだったのだと思う。
演出
シンとジャン・ロウ(CV.伊瀬茉莉也)のやり取りの演出は凄くよかった。
キャラ
やっぱり『亡国のアキト最終章』では、シンとジャンの2人が際立っていた。
音楽
全体的にピアノ曲が多い。戦闘シーンにピアノ曲を挿入するのは面白いけど、劇場版ではどんな印象になったのだろうか。ちょっと落ち着きすぎちゃう?
さいごに
『亡国のアキト』は全体的に面白かったなぁと、素直に思う。けれども、やはりどんな作品でもラストの締めの部分は難しいものだ。『反逆のルルーシュ』があまりにも綺麗すぎたとも言える。
とはいえ、『コードギアス』が好きな人だったら、見て損はない作品だったことは間違いないだろう。