今回は『盾の勇者の成り上がり シーズン2(以下、盾の勇者の成り上がり2期)』について語っていく。
TVアニメ1期となる『盾の勇者の成り上がり1期』が、2019年冬クールから春クールの2クールにかけて放送された。その後、TVアニメ2期・3期の制作が決定し、2022年春クールで『盾の勇者の成り上がり2期』が放送される。
アニメ制作は前作に引き続きキネマシトラスが手がけた。また、本作では、韓国のアニメ制作会社であるDR MOVIEも制作に参加した。
『盾の勇者の成り上がり2期』の感想
ネタバレしているので、未視聴の人は気をつけてください。
明らかに劣化したよね?
TVアニメ1期と比べると、明らかにクオリティが劣化している。特に作画と演出のクオリティはかなり落ちていると思う。
やはり作画のインパクトが落ちてしまっているのが残念だった。思えば、TVアニメ1期の戦闘シーンはすごく迫力があったし、エフェクトも凝っていた。キャラの動きが特別良いというわけではなかったけど、見せ方がすごく上手かったのだと思う。
一方で『盾の勇者の成り上がり2期』は、キャラの動きのクオリティの低さが目立つし、演出も微妙だ。何より、『盾の勇者の成り上がり』特有の苛立ちを感じることができなかった。今回の『盾の勇者の成り上がり2期』は、キョウ(CV.木村良平)に苛立つところなのだろう。けれどもキャラの深掘りが微妙だったがために、あまり感情移入できなかった。
なぜクオリティが劣化してしまったのか。それを考えても仕方ないが、予算、時間、ヒトのどれかが大きく削られたのは間違いなさそうだ。実際、『盾の勇者の成り上がり』の原作ライトノベルは、十分すぎるほど売れている。KADOKAWAとしては、そこまで高クオリティで『盾の勇者の成り上がり』のアニメを制作する必要がないのかもしれない。
異世界系アニメは、転生前の深掘りが重要
質の高い異世界系アニメは、転生前の主人公の心情描写を上手く描けていることが多い。『無職転生』が良い例だし、『盾の勇者の成り上がり1期』でもしっかり描かれていた。
『盾の勇者の成り上がり2期』に僕が感情移入できなかった最大の理由は、多分ソレなのだと思う。『盾の勇者の成り上がり2期』では、終盤でキョウと尚文(CV.石川界人)の心情がちょろっと描かれただけだったのだ。
尚文はいいとしても、キョウに関してはもっと深掘りするべきだったと思う。キョウが登場するたびに、転生前の心情を、チラつかせるように表現してよかったのではないだろうか。そうすれば、多少なりともキョウに感情移入しながら物語を見ることができたと思う。
もちろん、異世界に転生してから俺TUEEEEEって感じの異世界系もそれなりに面白い。けれども『盾の勇者の成り上がり』は、そういうスタイルの作品ではないはずだ。
『盾の勇者の成り上がり2期』の評価
※個人的な評価です
作画 | 60点 |
世界観・設定 | 65点 |
ストーリー | 50点 |
演出 | 50点 |
キャラ | 65点 |
音楽 | 50点 |
作画
TVアニメ1期と比べると、作画のレベルは一気に落ちたと思う。そこら辺にある異世界系アニメと同じくらいのクオリティになってしまった。
世界観・設定
霊亀編ではもう少し世界観を深掘りするべきだったと思う。別世界の世界観はいい感じだったけど、もう少し背景に力が入っていればなお良かった感じ。
ストーリー
ストーリーはまずまず。続きが気になる展開ではあった。だが、ラストの終わらせ方は微妙かも。
演出
クライマックスシーンの演出は、感動要素をもっと強めてよかったと思う。
キャラ
なんだかなぁって感じ。ラフタリアは可愛かった。
音楽
OPとEDはぼちぼち。
さいごに
TVアニメ1期の完成度が高かっただけに、『盾の勇者の成り上がり2期』の出来はちょっと残念だった。『盾の勇者の成り上がり』をしっかり楽しみたいのであれば、原作ライトノベルまたは漫画を購入しろ、とのことなのだろう。
TVアニメ3期も近いうちに放送されると思うが、あまり期待しない方がいいかもしれない。とりあえず、ハードルは低めに設定しようと思う。