【君愛感想】ビールの泡からタイムシフトの原理を導き出す

君を愛したひとりの僕へ

今回は『君を愛したひとりの僕へ(以下、君愛)』について語っていく。

『君愛』は2016年に刊行された小説が原作で、これが2022年10月で劇場アニメが上映された。アニメ制作はトムス・エンタテインメントが担当した。

ちなみに『君愛』は、『僕愛』とセットで視聴することで真価を発揮する作品だ。そして『君愛』→『僕愛』の順番で視聴するとハッピーエンド、『僕愛』→『君愛』で視聴すると切ないエンドになるのだという。

そして今回、僕は『君愛』から視聴することにした。本記事も、『僕愛』視聴前の状態で執筆している。

目次

『君愛』の感想

ネタバレ注意!

劇場版クオリティではない

『君愛』はプロジェクトの企画自体は面白そうなのだが、クオリティが劇場版レベルではなかったと思う。映画館で上映する以上、スクリーンや音響を活用すべきだと思う。しかし『君愛』にそのような工夫は見られなかった。

特に作画が問題だった。『君愛』では、現代アニメ特有の繊細な描写や色彩が描かれているわけではないからだ。今のアニメ好きは現代アニメのクオリティで目が肥えてしまっているので、それなりのクオリティが必要なところだろう。

僕みたいに1,500円払ってでもアニメ映画を鑑賞する人ならまだいい。だが、チケット代を払うのに躊躇してしまう一般層には届かない作品だろう。しかも、100%楽しむには2作品視聴しなくてはいけないというハードルの高さもある。

1番のネックは、制作予算が2作品に分割されてしまったことだろう。だからクオリティが中途半端になってしまったのだと思う。しかしだからといって、『君愛』と『僕愛』を合併させて制作したら、ストーリーに破綻が生まれる可能性が高くなる。

2作品同時上映は中々リスキーなことなのではないだろうか……。

『僕愛』が楽しみ

ただし、『君愛』が終始つまらなかったわけではない。小説が大人気ということもあって、やはりストーリーは面白かった。特に中盤以降の展開が面白くて、普通に『僕愛』の方のストーリーが気になってしまうほどだ。

それにしても、タイムリープとかパラレルワールド系の恋愛SFはよく売れるなぁと思う。『僕愛』を見ていて思ったけど、現代の社会情勢やイマドキの高校生の心情をしっかり描ければ、どの時代でも売れていけるジャンルなのだと思う。

だから今後も恋愛小説を中心に、タイムリープ系の作品が生まれ続けると思う。今度は量子コンピュータとかメタバース的なのが登場しそう……。

『君愛』の評価

作画60点
世界観・設定65点
ストーリー70点
演出50点
キャラ50点
音楽50点

作画

作画は普通だった。つまり、劇場版作品であることを考慮すると、相対的に物足りなかったということでもある。劇場で上映するほどの作画ではなかったのは間違いない。

世界観・設定

パラレルワールドやタイムマシンのようなファンタジーを割と真面目に科学で説明しようとしていることから、SF恋愛作品だといえる世界観だった。

ストーリー

序盤は退屈だったけど、パラレルワールドの概念が本格的に登場するようになってから面白くなってきた。『僕愛』から視聴すれば、もしかしたら序盤も面白かったのかもしれない。

演出

演出はなんともいえない。良かったか悪かったかで聞かれたら「悪かった」方ではないだろうか。ただこれも『僕愛』を見てからだったら評価が変わるのかもしれない。そういう雰囲気を感じた。

キャラ

キャラデザが万人受けしそうではないけど、僕は問題なかった。ただし声優の演技が微妙だ。いや、というよりは声優の声に合った作画ではなかった気がする。つまり声と画がミスマッチしているのだ。

音楽

音楽も特に印象に残らなかったかな……。

さいごに

ひとまず、もう一つの世界である『僕愛』も視聴しておこうと思う。そして2作品とも視聴してから、2作品に対する感想記事も執筆してみる。

どちらにせよ『君愛』は、『僕愛』を視聴しているかどうかで評価や感想が明らかに変わってくるはずだ。だから『僕愛』は絶対に視聴して、ブログを投稿しようと思う。

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