【アニメ感想】劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語【アニメ感想】

まどマギ前編
星島てる
アニメ好きの20代。ライターで生活費を稼ぎながら、アニメ聖地の旅に出ている者です。アニメ作品の視聴数は600作品以上。

今回は『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語(以下、まどマギ前編)』について語っていく。

『まどマギ前編』は、2011年冬クールに放送されたTVアニメ『まどマギ』の第8話までを編集したものだ。そして2012年10月6日に『まどマギ前編』が劇場公開される。

アニメ制作はTVアニメに引き続きシャフトが担当した。

目次

『まどマギ前編』の評価

※ネタバレ注意!

作画90点
世界観・設定88点
ストーリー88点
演出88点
キャラ85点
音楽85点
※個人的な評価です

作画

作画のクオリティは非常に高い。キャラクターデザインは少し安定していなかったけど、あの癖のあるキャラデザをあれだけ表情豊かに表現していたら、少しは崩れるのもしょうがない。

また、劇団イヌカレーが作り出す革新的な美術背景が素晴らしい。そしてこの独特な美術背景とキャラクターを合わせる技術も素晴らしかった。

世界観・設定

世界観はかなり独特。シャフト特有の空間設計だった。また、あらためて『まどマギ』を視聴してみると、かなり王道のタイムリープ系作品だったことがわかる。

ストーリー

TVアニメ8話分のストーリーが131分に編集された。ただし無理やりストーリーを短縮させたというわけではないので、TVアニメを見ていない人でも十分楽しめそうだ。そしてやはりシナリオが普通に面白い。

演出

『物語シリーズ』ほどの凝った演出ではないけれど、それでも十分すぎるくらい印象に残る演出ばかりだった。『まどマギ』にはグロテスクなシーンがいくつもあるが、グロくなりすぎないように、演出が工夫されているのも印象に残った。さやかが闇堕ちするシーンを影絵で表現するシーンとかね。

キャラ

あらためて『まどマギ』を視聴すると、キャラがとても個性的であることがわかる。そして明らかにスロットで展開することを前提にした配色であることも。笑

音楽

OPはClarisの『ルミナス』。『コネクト』に負けず劣らずの名曲だ。

また、劇伴とEDの楽曲制作を担当した梶浦由紀がやっぱり凄い。神聖でありながらも禍々しさを感じさせる壮大な楽曲が印象的だ。

『まどマギ前編』の感想

※ネタバレ注意!

やはり、慣れてきた

以前、TVアニメの『まどマギ』の感想をブログにしたとき、僕は「完全にハマりきれなかった」とコメントした。けれども今となっては、『まどマギ』に完全にハマり込むことができていると思う。

理由は色々考えられるだろう。

一つは、『まどマギ』の世界観に慣れてきたことだ。いくら劇場版といえども『まどマギ前編』はTVアニメが編集されたものに過ぎないので、実質的にはTVアニメ『まどマギ』をもう一周して視聴しているようなものである。だから鬱要素たっぷりのストーリーにも耐性があるし、世界観を純粋に楽しめている自分がいる。

そしてもう一つは、僕が様々なアニメを視聴してきたことで、より深くアニメを楽しめるようになっていることが挙げられる。実際、初めて『まどマギ』を視聴したときには得られなかった気づきを得ることができた。

こういうこともあるので、やはり劇場編集版はしっかり視聴しておくに限る。……できれば映画館で見たかったなぁ。

真面目になりすぎるのもよくない

『まどマギ前編』のストーリーのテーマを一つ挙げるとしたら、僕は「真面目」を挙げる。まどかもほむらもさやかもマミも杏子も、みんな真面目すぎるのだ。そう、変に真面目すぎる。

本当はもっとだらけていいし、正しさを追求する必要なんて一切ないはずだ。それこそ、まどかの母である鹿目詢子が言ったように、高校生の頃に上手な失敗のやり方を学んでおくに限る。そうすればもっと楽に生きれるはずなのだ。

実際、日本人はその気質が強い気がする。変に真面目すぎるがあまり、例えば体がキツイのに仕事し続けたり「みんなが働いているから」という理由で残業したりする。そして最終的に体や心を壊し、不幸な人生を歩むことになるのだ。

だから僕たちは、『まどマギ』に登場する魔法少女達を、反面教師にするべきだろう。「無理して真面目を貫くと、最終的にこうなるぞ」という……。

『コードギアス』に近い部分がある

『まどマギ前編』で登場する魔法少女達は、本当であれば魔法少女にならなくても幸せな人生を歩めるはずだった。しかし、本来であれば存在しないはずの奇跡を望んだが故に、絶望の底に叩き落とされることになる。

これは『コードギアス』に近い部分がある。『コードギアス』でもルルーシュが”ギアス”という能力を手に入れてしまったが故に、ナナリーという幸せを放り投げ、国家転覆という野望を目論んでしまった。

僕はこのブログで何度も言及しているが、幸せとは掴むものではなく、気づくものなのである。だが残念なことに『まどマギ』に登場する魔法少女達は、”奇跡”や”魔法少女の力”に溺れてしまい、そこにある幸せに気づくことができなかった。

もう一度述べるが、僕たちは『まどマギ』に登場する魔法少女達を反面教師にすべきだ。

製作委員会の順番にビックリ

僕は『まどマギ』という作品はてっきり、シャフトにそれなりのお金が落ちるものだと思っていたけど、全然そんなことはなさそうだった。というのも製作委員会でシャフトが一番下だったからだ。

ちなみに一番上がアニプレックスなのは納得だけど、その次に芳文社が来ているのがかなり意外。そしてそのあとは放送局や、脚本制作を担当するニトロプラス、そして一番下にシャフトだった。

だからシャフトは『まどマギ』の大成功の恩恵をそこまで享受できなかったと考えられる。

OPやEDなどのクレジットで表記される製作委員会方式の順番は、出資額の順番で並んでいることが多い。そのため、並びが上であればあるほど、利益の分配率が高いと考えられる。
『まどマギ』の場合はシャフトが一番下なので、おそらくシャフトが最も出資額が小さく、利益の恩恵も小さいのだ。

さいごに

思っていたよりも『まどマギ前編』が面白かった。僕のファンタジー・SFの経験値が高まってきたこともあり、色々と気づくこともできた。

この勢いで『まどマギ後編』。そして『まどマギ新編』も視聴していこうと思う。

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